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最愛の夫だった義理の兄に再び溺愛される 3

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で、すっかり忘れてたけど。今日は顔合わせだったんだ。
「で、まあ。オレたちとしては二人の再婚は大歓迎だよ!新しい兄貴がオレの前世の旦那だったわけだし。」
「そうだな、母さん。オレも賛成だ。またアインといられるんだ。こんな嬉しい事は無いよ。」
それを聞いた父さんたちも嬉しそう。それで新しい母さんは
「そう。あなたたちがそう言ってくれて嬉しいわ。そうだわ、正也さん。折角再会したから二人でお話してきたらどうかしらと思うのよ。」
「「え!?」」
「そうだな、何かの縁なんだ。二人とも話したいことあるだろう。行ってきなさい。」
いきなり二人っきりにされた。アインと羅漢の二人は言ってはなかったが。前世でアインが死んだのは二十代前半の年齢で、身体の関係もあった事を。父さんたちがああ言ってるし、話したいことは確かにありはするから。
「せっかく二人とも言ってくれてるし、行こっか。」
「……。ああ。」
個室を後にしてレストランを出たら近くの自販機で話すことにした。こうやって歩けるようになっただけでも嬉しいな。泣きすぎて唇カサカサなオレにビタミン豊富なジュースをさりげなくオレの分まで買ってくれた。やっぱ大人だな。オレ、ブラッカに。言いたいことあったんだった。蓋を開けたら
「ゴメン、ゴメンね。1人にさせて。辛かったよね?」
烏龍茶を一口飲んだ羅漢も悲しい目をしたら。オレがいなくなってからの事を話した。
「うん、辛かったよ。アインがいなくなって生きる気力無くして。アインを追うように、オレも衰弱して死んだんだ。アインのいない世界で生きても仕方なかったから。」
「っ。……………………。」
そう聞いたオレは何も言えなかった。胸の奥が引き裂かれそうに痛かった。ブラッカは自分が死ぬまでどんな思いで一人ぼっちでいたんだろう。
「オレも。さっきも話したけど。1人で残したくなかった。もっと一緒に生きたかったよ。だからまた会えて嬉しいよ!今度は義理だけど兄弟だもん!ずっと一人っ子だったから兄貴とかできて嬉しいな!」
また少し泣いちゃったけど涙拭って笑顔で言う。羅漢もオレの頭を優しく撫でたら
「オレもだ。アインと出会えると思ってなかったから嬉しいよ。なあ、アイン。オレはあの頃を後悔してる。」
「へ?何を?」
何を後悔してたんだろと考えてたら羅漢は真摯な顔して向き直ると
「何で前世のオレは。毎日好意を向けてくれたアインに素直に返せなかったんだと後悔してる。何時だってオレは失くしてから後悔してばかりだ。だから。オレは前世の自分が死ぬ時に願ったんだ。またアインとどんな関係でも会えるなら。自分の思いを、偽りなく伝えようって決めたんだ。アイン。今度は義理の兄だがオレと付き合ってくれるか?」
かなり真剣な顔して付き合ってくれるかって。待って、この顔の良さはなんなの!?前世の時からカッコ良かったブラッカは今では更にカッコ良さに磨きをかけてるし!!ていうか、問題はそこじゃない!そこではないでしょ!再会して大して時間も経ってないのに告白されて。顔が赤くなってきた。本当に待ってよ!前も今も顔も声も良すぎてない!?しかもオレより身長が高い!オレ、それなりに。あるのに、羅漢はオレより高い。というか思ったけど
「いやいやいや!!!待って!!オレたち今は義理だけど兄弟だし!!」
世間的にアウトでしょ!と思ってたら
「ん?ああ、今スマホで調べたら義理なら血縁関係は無いから男同士でも交際できる。法律も問題なしだ。あの頃と違って何も心配しなくていいんだ、アイン。」
そう言って手を重ねてきた。オレは全く気付かないで。あ、それなら一安心じゃない。じゃなくて!連れ子同士で付き合うのは法律が良くても世間的の目は大丈夫なの?しかも男同士だし。そりゃあ。
「そ、そりゃあ。オレも付き合いたいな~とは、思うけど。」
「ダメなのか?」
その顔ズルい!と内心叫んだ。実際叫ばなかったオレは偉いよ。さっきまでカッコ良さ全開な顔していたのに!それが付き合うの渋ってるからシュンとしてるってかんじの顔してる。
「う、ぁ…………。ま。」
先ずはお互いを知ろう!?と叫んでいた。これでどうかな。
「や、ほら!どんな生活してるのとかさ。それ知らないじゃん!趣味とか。ハマってるのとか!」
そうだよ!大体それ知るために外に来てお話しようとしてたんじゃない!!
まだ早い!うん!ちょっと色々と考えたいから。そしたら羅漢は優しい顔して
「そうだな。焦りすぎたな、困らせて悪かった。先ずはお互いを知らないとな。そうだな、営業の仕事以外で。ああ、部活の話をするか。アインは何をしてるんだ?」
ほ、良かった。けど、オレも考えておかないと。うん。あ、そうそう!部活の話題出してくれたから話そう。
「あ、うん。オレ帰宅部。コンビニのアルバイトしてるの!オレの通ってるとこ生徒の個性優先させてるとこあるから男でもロン毛許可されてるの。結ぶなら良いって。結構バイトも許可されてるんだよ。」
「そうなのか。よくこの髪型を許されてるなと思ったらそういう事か。オレの地元はまた別の県でな。高校卒業してから上京してる。悪い、部活の話だったな。部活は中高バスケ部だ。」
どうりで。納得したよ。6年もバスケしてたらそりゃあこんなに身長高いよな。それから羅漢のハマってるのはボクシングで身体鍛えたりするのが好きみたい。それに
「営業はノルマもだが、飲みだとかに付き合わされる事もあるストレス溜まるんだ。発散も兼ねてしてる。」
「ボクシングも……。…………。」
言われてみたら体格良くない?これはモテるだろな。顔、身体、声が良いって。再会して抱き締められた時。結構胸板厚かったなあ。腕だって逞しかったし。筋肉も綺麗に付いてて……。
なんか思い出してきたらドキドキしてきた。顔、熱い。恥ずかしくなって顔見られないように少し俯いてたら
「なあ。」
「あ!うん!なに?」
「アインは今、何歳なんだ?」
あ、高校生なのは言ったけど何歳なのかは言ってなかった。
「ゴメン。言ってなかったね。今17だよ。」
あれ?羅漢、あと一年耐えてやるとか言ってる。なんか、勘違いしてるから言おう。
「あの、今17だけど。半年もしないうちに18だから。」
確か前にニュースで今のオレと同世代の子に手を出して逮捕されたってあったよな。それ、イヤだなあ。せっかく生まれ変わって出会えたのに。そしたら羅漢はまたスマホ使ってて。
「そうか。今からアインの誕生日が楽しみだな。」
「そ、そう?エヘヘ。羅漢も誕生日は何時なの?」
「オレの誕生日は今日なんだ。」
ええ!?再会した日が誕生日!?それってスゴいおめでたい事じゃない!
「ホント!?お誕生日おめでとう!再会した日が誕生日なんてスゴいおめでたいじゃない!そうだ!プレゼントしたいから何か欲しいの無いの?」
「そうだな。」
アインが欲しいんだが。って耳元で言ってきた。え?オ、オレって。顔が赤くなってきた。
「けれど、そのプレゼントはアインの18の誕生日迎えるまでもらうつもりはない。だけどアインがイヤなら18過ぎても貰わないから。そうだな。ネクタイでもくれないか?」
「う、うん……。…………。」
今の熱の籠った声、本気なのはオレは覚えてる。オレが欲しいとか、そんなの良いに決まってる。だけど
血の繋がり無いなら付き合うのは法律的にオーケーなんだよね?まあ、周りの目は置いといても。
そもそも連れ子同士なら兄弟といえど他人だし、スるのもオーケー、なのかな。ううーん、分かんない。こっそり性行為未成年で調べたら。相手、つまりオレの年齢が18で合意の上ならオーケーだった。てことは。
オレが18になってて、羅漢とは義兄弟の関係なのにしてるのバレなければ大丈夫なのでは?というか。何考えてんの。オレってば。
「そ、そろそろ戻ろ……。」
「ん。そうだな。」
何でも無さそうに振る舞っててオレだけドキドキしてるや。ペットボトルを棄てて戻ろうとしたら
「アイン。」
「え?うわ!」
手を引かれ後ろから抱き締められると
「……。ああ。本当にいるんだな。」
吐息がかかって後ろ見れない。
「あの……。」
何か言おうとしたら羅漢は離れた。手は握ったままで。
「ああ。オレはアインと義理の兄弟って関係になれただけで今は満足だ。けれど。付き合いたいのも本当だけど、返事を急がせるつもりは無い。考えていてくれないか?」
「う、うん……。えと。」
ちゃんと返事はするから少しだけ時間が欲しいのを言ったら何時までも待ってるって言ってくれて。
「行くか。」
「うん……。……………………。」
顔、すごい熱い。絶対赤くなってるだろから元に戻ってたらいいな。
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