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2章 満たす白 空っぽの黒
13話
しおりを挟む――次の日から、彼等は早速行動を開始した。
東条とノエルの持つ『夢』をすり合わせ、『現実』へと昇華させるべく準備を始める。
運の良い事に、大まかな路線は同じ。
予め具体的な策を練っていた東条のやり方に、ノエルが全面的に乗っかることとなった。
そして、そうなると一番必要になってくるのがやはり、知名度・信頼・金・即ち、スポンサー。
無視できない程の影響力を持てば、銀行の口座も勝手に用意してくれるだろうという楽観的思考だ。
その足掛かりは、ノエルの希望通り『動画配信者』から始める。
ジャンルは無制限、彼女がその日体験したもの、事を、動画にして流す。
勿論国や企業の欲しがりそうな情報も流すが、そこは彼女の気分次第。
二人が上からの指示によって動く事は決してない。
彼等はそれに足る力を、度胸を、持ってしまっているのだから。
余談だが、この配信を機に全世界でにモンスター関連の動画投稿が急激に増加することとなる。
多くの命を奪った化物を、一般人がネタにすることは暗黙のタブーとされていたが、彼等が発端となりその枷が壊されたのだ。
安全地帯にいる者は、我先にと魔法やモンスターという未知を求め始めた。
§
「進歩は?」
「順調」
パソコンに向き合うノエルの周りには、山の様に積まれたプログラミングの本が並んでいる。
彼女が今ゼロから創っているのは、X tubeとは別の新しい動画サイト。
彼等が投稿するのは、基本赤色飛び散るスプラッタ動画となる。
そんな物をお茶の間でも流されるような場所にぶち込めば、秒でBANなど火を見るよりも明らかである。
だったらその為の場所を創ってしまえ、というのが彼女の見解である。
「……なんかわりぃな。機械関連は力になれねぇ」
「別にいい。まさには動画内で沢山働いてもらう。
撮るのがノエル。動くのがまさ。偶にノエルで目の保養」
「……そうかい。お前目当てで来る奴も沢山現れるだろうぜ」
「知ってる」
「はっ。くえねぇ奴だ」
自分の美を理解してる女ほど厄介なものはない。
彼女は伸びを一つして、椅子から飛び降りた。
「でも、二日もやってると流石に飽きる。身体動かしたい」
「別にいいけど、何やる?」
「……これから背中合わせで旅をする。相手の力は知っておく必要がある」
あまり好戦的ではないノエルからの予想外な発言に、一瞬驚く。が、
「同感だな。俺もお守りは御免だ」
「こっちの台詞」
挑発的な物言いに東条が獰猛に笑う。
「ルールは?」
「目潰し、金的、魔法、cell、何でもありの模擬戦」
「そりゃもう模擬戦じゃねぇよ」
東条は笑いながらソファから立ち上がった。
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