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3巻~友との繋がり~ 1章
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しおりを挟む「……えっぐ……」
凄惨な現場を目の当たりにした東条は、肉を食うのを止め、此方に歩いてくる少女に戦慄する。
「おまた」
「お、おう。お疲れさん」
「あーっ、先に食べてる!」
「いや、これはあれだ、映画にコーラとポップコーンがないとダメな感じの、あれだ。ノエルの姿がカッコよすぎてつい、な?」
焦り気味に弁明する東条の視界の端では、常に一凛の大きな薔薇が存在を主張している。
「むー。許す」
「あざす」
優しい少女で本当に良かった。……本当に。
――「うめぇうめぇ」
「うみゃいうみゃい」
持ってきた塩を振り掛け、パリパリの皮と程良くしまった肉に舌鼓を打つ。
骨を持ってかぶりつき、捨ててはもぎ取りかぶりつく。口の周りを汚しながら手掴みで噛み千切るのが、骨付き肉の一番おいしい食べ方である。
「そういやあの技何よ?」
「んむんむ、ンぐ、必殺技」
しっかりと呑み込んだ後、油べとべとの手でピースを作る。
「かっこいいだしょ」
「かっこいいだわ。いつの間に?」
「一日一個作ってた」
「めっちゃあるじゃん」
必殺技とはそんなに簡単に作れるものなのだろうか……。疑問は尽きないが、東条もそのロマンには大いに共感できる。だからこそ、
「いいな~。俺も考えたことあるけどよぉ、派手な技がねぇんだよぉ」
「まさのパンチは充分派手」
「華がねぇ」
「確かに」
自分の技に名前をつけるとなると、『ぶっ飛ばし』とか『ぶん殴り』になってしまう。それではあまりにダサい、ダサすぎる。なのにノエルときたら、
「『ロゼ』ってなんだよ~めっちゃカッコいいじゃ~ん」
「うぇへへ」
ゴロゴロと転がりバタつく東条に、頬を緩ませ照れるノエル。
「他にどんなのあんのよ」
「秘密~」
血が滴る一凛の薔薇の横で、肉を片手に談笑する二人であった。
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