Real~Beginning of the unreal〜

美味いもん食いてぇ

文字の大きさ
149 / 218
2章

2

しおりを挟む
 

 §


 ――郊外。オシャレなカフェテリアにて、フラペチーノを添えた今どきの女学生の談笑。

「この前の動画見た?」

「見た見た~。ノエルちゃんめっちゃ可愛いかった」

「ねー。絶対日本人じゃないよね」

「あ~、二人共見てるんだ。あの動画けっこうグロくない?」

「まあねーでも課金しなきゃ戦いはないし、許容範囲?」

「つよ~い」

「あはははっ、だってノエルちゃんが可愛すぎるんだもん~!あの白黒コーデとか最高だし!」

「ね。めっちゃキュート。……カオナシさんはちょっと怖いけど」

「それな」



 部活終わり、部室で着替えながらスマホを囲む男子高生。

「見ろよここ。土魔法だよなこれ」

「ハンパねぇなノエル。ったく、俺も一時は魔法使えるってちやほやされたのによ」

「まぁこんなの出てきちまったらしょうがねぇよ。自衛隊にも何人かいるって噂だし」

「うおっ、どうなってんだよこいつの身体」

「やっぱスゲェよなカオナシ!こんな動きオリンピック選手でも出来ねぇよ」

「そもそも人間が出来る動きじゃねぇよ。こことかどうなってんだ?」

「ネットにスロー再生上がってたぜ」

「後で見ようぜ」

「いいね。お前んちな」

「菓子持ってくわ」

「じゃあ俺ジュース持ってくわ」

「おっけ」



 休憩中のサラリーマンが二人、ビルの屋上から遠くの危険地帯に煙草を吹かす。

「……日本も変わっちまったな」

「俺達の日常は何も変わらないけどな」

「ああ。クソったれなままだ」

「こんな時くらい会社休ませろってんだよ」

「いっそ化物狩った方が稼げんじゃないか?」

「……どうやって殺す?」

「お前を囮にして、隙をついてめった刺しにする」

「奇遇だな。俺も同じことを考えてた」

「ははははっ」「ははははっ」

「……ふぅ……。戻るか」

「……ああ。クソったれな上司が待ってる」



 とあるニュース番組。数人の学者やコメンテーターが、それっぽい顔を張り付け談議している。

「今話題になっている此方の動画ですが、過激ながらも緑化地帯の謎の最前線を行っているとして、社会現象を起こしています」

「問題なのは、彼等が……その、生物を殺害する場面を動画にして、娯楽として放送しているという事です。
 課金をすれば、一般人の誰もがこの動画を見れてしまうという事に、私は恐怖を感じましたね。
 なぜ国はこの動画が世に広まるのを許しているのでしょうか?」

「そもそもこの生物を、我々が知っているものと同定義して扱うことが間違っている。
 これらは人間に対して高い敵性を見せる、人類史初の明確な人敵だ」

「中には高い知能を持つモノも確認されています。手を取り合うことはできないのでしょうか?」

「はははっ、貴方は人間を大量虐殺したモンスター相手に、笑って握手を求められますか?」

「……話が逸れましたね。
 動画内では強力な魔法と呼ばれる力も多々登場しました。それについては」

「昨今、魔法による軽犯罪が増加しています。
 動画内の様な強力なものは確認されていないとのことですが、小さくても凶器を隠し持っている様なものです。そちらの対策も急がれるべきかと」

「勝手に危険地帯に入ろうとする人も増えているみたいですね」

「そうした悪影響に、彼の動画が関わっているのは間違いないのでは?」

「……断定はどうかとも思いますが。
 これからの時代、私達の生き方や価値観に大きな変化が訪れるのは間違いないでしょう。
 ではまた明日」



 §


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...