世界の柱、喪われし時、運命の歯車は、ふたりの時を刻む

Sinbulli

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序章

未曾有の大地震と大津波

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あの日、あの時、未曾有の大地震と大津波が、東ヤマトを、襲った

たくさんの命が、精霊が、土地神が、地球上から、喪われた

予兆は、あった ‼ あったのだが、その予兆は、最悪の予兆であり、世界に、遺された、ただひとつの柱が、喪われる事だった ‼

もともと、世界には、柱が、12本あった

柱は、直径77.7㎞、地殻へ食い込む全長7.77㎞、海面からの高さ3㎞があった

人間の政治的な干渉を受け付けない、世界を存続させる為の柱

柱からは、膨大な魔力が、大気に供給されていた、いわゆる、世界樹としての役割を担っていたのだ ‼

有史以来、人は、幾多数多の命を無闇に、葬ってきた

世界の命が減る、その度に、柱の消失が、為された ‼

どんなに神聖な宗教があったとしても、人は共存共栄という、概念を受け付けなかった

過去数度あった、世界魔法大戦に於いては、1度に2本もの柱が喪われた

幾多数多の予言書が、破滅を唱えた、世紀末には、とうとう柱が、2本に成ってしまった ‼

11番目の柱は、話し合いではなく、テロと鎮圧という、相対する、自己主張する正義により、殺戮が行われた為、喪われた ‼

そもそも、柱とは?

惑星軌道上の反対側に位置する、双子星「テラ」の神々により、贈られし、神の御柱である ‼

テラには、3層世界、地球でいうところの、地獄(魔界)、地界、天界に分かれている ‼

地球上の神々や異世界、魔界といった概念は、この双子星から、もたらされたモノだった ‼

だから、地球上には、神が存在しない、全て、「テラ」へと、帰ったからである ‼

また、エルフやハーフエルフ、ドワーフや妖精も、「テラ」へと、戻り、地球上に残ったのは、精霊と1部の土地神だけだった

「テラ」には、人間という、種族が存在しない ⁉

地球には、遥か太古に、絶対神とか、唯一神とか、呼ばれる神が存在した ‼
 
神は、自分の姿に似せた、精巧な生体フィギュアを作成し、自我を与え、地球に住まわせた ‼

始めたうちは、神の思惑通り、事が進んだが、数が増えるうちに、利己的になり、排他的になり、分かち合う歓びを忘れていった ‼

ある地域、ある島国においては、近代まで、自然崇拝といった概念から「テラ」の恩恵があり、土地神や精霊が、共存共栄していた

それらも、近代科学(近代化学)の応用によって、戦争という名の、虐殺により、淘汰されようとしていた ‼

その未来を憂いた、「テラ」の神々は、世界樹に機能を似せた、「柱」を土地神や精霊のいる土地に、贈った

だが、大国や紛争地域の国々は、近代魔科学(近代魔化学)を発展させ、更なる、虐殺を企てた ‼

最後に残った、「柱」は、ヤマト(東ヤマト)の太平洋上にあった

ヤマトの西に位置する、半島の北側より、飛来した、魔装弾頭弾は、「柱」に命中し、「柱」は、消失した ‼
 
その瞬間、その地にあった楔がなくなり、地は轟き、空には轟音が鳴り響き、あの、未曾有の大地震、大津波が発生した ‼




その頃、「テラ」には、喪われた筈の「柱」と共に、土地神や精霊、そして、自然と共に生きる人々が、転移して来た ‼


「テラ」の最高位神官(亜神)である、神葡は、「やはり、地球からは、争いが、なくなりはしないか」と、呟く

神や精霊、土地神を、畏怖の念と敬愛する、人々を「テラ」は、受け入れた

共存共栄出来るうちは、「テラ」で、保護していたいくといったところか?

争い、憎しみ、利己的に殺した場合は、「地球」へと、速やかに、転移する

「テラ」にとって、「地球」は、地獄といった所なのかも知れない⁉

一方、「地球」では、最後の柱が消失した事により、大気に溢れていた、マナが、枯渇した ‼

魔科学の基本燃料たる、マナが枯渇した事により、魔科学で稼働していたモノは、全て、ただのガラクタと化した ‼

人類は、喪って初めて、気付く事が多い生き物である(笑)

各国政府は、半島北側の国へ、制裁を、開始したが、柱は、戻って来る事は、なかった

マナのおかげで、数世紀分、飛躍的に文明が進化した「地球」だったが、化石燃料が枯渇する頃へと、逆戻りした。

「地球」の人類は、「テラ 」に、逆ギレしていた ‼、「何故?アノくらいで‼柱を消すかな?」(攻撃して、我が物にしようとするから)「膨大なマナを、有効活用してたじゃないか?」(人類だけのモノじゃない)「人類は、神を模した偉大な種族だから、全てを支配してもイイはずだ‼」(畏怖と感謝、畏敬の念を忘れたら、自滅は免れない)

荒廃してイク「地球」

それから、数年の時が、過ぎさった

僕は、「荒廃した地球」に、産まれた ‼

本来なら、「テラ」に産まれるはずだったが、取り替えッ子された様だ⁉

物心がつく頃には、父も母も居なくて、東ヤマトの外れにある、取り残された社にて、残ってくれた土地神様と精霊達に囲まれ、暮らしている

俺は、「テラ」に産まれた ‼

本来なら、「荒廃した地球」に産まれるはずだったらしい?取り替えッ子というものか?

争いを好む、俺は、物心がつく頃には、父や母、周囲のモノから、魔界へと、放り出されていた ‼

コレは、取り替えッ子された、ふたりの少年の成長の記録である。





次回へと続く


 
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