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発狂門

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都の中心、壮大な羅生門の下に、絶え間なく雷が轟音を立てて鳴り続け、地面を振動させていた。その門の下では、非常に大きな男が、巨大なタイガーのように人々を襲って食べていた。その男の名前は、アカギという。

ある日、アカギは一人の老婆を捕まえて、彼女の白い髪を一本一本抜いては、それを巨大な釣り糸として使用し、雷の中で魚を釣ろうとしていた。老婆は悲鳴を上げながら、自分の過去の罪を悔いていた。彼女は、若いころに恋人を裏切って、彼の心臓を魔物に売ったことがあった。その報酬として、永遠の命を手に入れたのだ。

アカギは、その話を聞いて興味を持った。彼は老婆に言った。「お前の永遠の命を、私に売ってはどうだ?」老婆は涙を流しながら答えた。「永遠の命など、何の役にも立たない。ただ、絶え間なく痛みと後悔に苛まれるだけだ。」

すると、雷が直撃し、羅生門は爆発的な炎に包まれた。アカギは、その炎の中で叫びながら、老婆を守ろうとしたが、彼女は微笑みながら消えていった。アカギは、その場にひとり残され、自分の存在意義を再び問いかけることとなった。

雷の轟音が静まり、羅生門の周りは焼けつくような赤い空になった。アカギは、一人の少女と目が合った。彼女の名前はユメ。彼女の体からは、星のような光が放たれていた。

「あなた、私の夢を見ているの?」アカギが尋ねると、ユメは微笑んで言った。

「私たちは、永遠の時間を旅している者たち。あなたの心の中の夢を、私はずっと見てきた。」

ユメはアカギの手を取り、二人は空を飛び始めた。彼らは、過去、現在、未来を旅する中で、数え切れないほどの冒険を体験した。彼らは砂漠で火の精霊と戦い、深い海で迷子の魚たちを助け、雪の山で冷えきった子供たちに暖かさを与えた。

そしてある日、ユメはアカギに言った。「私たちの旅は、あなたの心の中の夢を叶えるためのものだった。」

アカギは驚いて言った。「私の心の中の夢って、何?」

ユメは涙を流しながら言った。「それは、誰かと共に時間を過ごし、愛し合うこと。」

アカギの目にも涙が溢れた。彼はようやく、自分が何を求めていたのかを理解した。彼はユメを強く抱きしめた。

その瞬間、二人は羅生門の前に戻った。ユメは光となって消えていったが、アカギの心は、永遠に彼女と共にあることを感じていた。
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