溺愛魔塔主は今日もご乱心~保護した天使が可愛すぎます!~

うみくも

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【Chapter4】溺愛は、ちょっと残念な方向へ……

Episode37 溺愛フル解放

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 目を開けると、すぐ近くにランスタッドの顔が。


 また自分が抱きついてしまったのかと思ったら、今日はランスタッドの方が自分をガッチリと抱き締めていた。


(僕だけが、特別……)


 ふいに、昨日ランスタッドに言われた言葉の一部を思い出す。


 自分だけが特別な意味で好きだ、なんて。
 そんなことを言われたのは、生まれて初めてだった。


 正直なところ、あの言葉の意味はよく分かっていないけど……


「……ふふ。」


 とにかく、すごく嬉しいことだけは確実。
 嫌われていなくて、本当によかった。


「ローアー……」
「うひゃあ!?」


 完全に油断していたところに低い声が降ってきて、ロマノアはびくりと震えて声をひっくり返した。


「朝から煽ってくるとは、いい度胸だなぁ?」


「あ、煽って…?」


「可愛い顔ですりすりしてきよって。このまま、朝ご飯抜きで昨日の続きでもしたいのか?」


「ええっ!? 朝ご飯は食べたいです! あと、体がちょっとだるいので、昨日の続きは無理かもしれません!」


「まあ、また数ヶ月お預け状態だったのもあって、結構はりきっちまったからな…。今日の体術の授業は休みにしとくから、無理せずに本でも読んでろ。」


「そうですね…。そうします。」


「それと―――」


 すっと。
 ランスタッドの指先が、鎖骨周辺の肌を滑る。


「これからは、自分で気をつけるんだぞ? 。」
「これ…?」


 数度まばたきをした後、ロマノアは視線を下へ。


「~~~っ!!」


 そこに何があるのかを認識したその顔が、一瞬のうちに赤く染まった。


「そうそう。それがまともな反応だ。大きな成長だな、うん。」


「他人事みたいに言わないでください! あっちにもこっちにも、つけすぎですよぉ!! これ、どのくらいで消えるんですか!?」


「さあな~? それも、自分で学んでいこうか? ま、消える前に俺がまたつけるかもしれないけど。」


「うううーっ! ランス様の意地悪ーっ!!」


 機嫌がいいランスタッドに対し、ロマノアは泣きそうな顔で眉を下げる。


 とにかく着替えなきゃ。
 またセルジュに変な気遣いをされたら、今度は恥ずかしくて死んじゃう。


 大慌てでベッドを出ようとするロマノア。
 そんな彼を、上半身を起こしたランスタッドが強く抱き締める。


「ランス様、離して…っ。着替えさせてください!」
「やだ。」


「なんでですか!? 気をつけろって言ったのは、ランス様なのに!!」
「今は、俺にロアを充電させろ。」


「……どういう意味ですか、それ?」


 ランスタッドが何を言っているのかが分からず、ロマノアは大量の疑問符をまき散らすことに。


 一方のランスタッドは、ロマノアを抱く腕により一層の力を込める。


「勢いとはいえ告白も済んだんだ。もう我慢しない。いざとなったら、精霊との喧嘩だって受けて立ってやる。」


「え…? え…? 急にどうしちゃったんですか?」


「とにかく!」


 突然大きな声をあげたランスタッドは、背後からロマノアの顔を覗き込むと、その鼻先をつんとつついた。


「誰がなんと言おうと、ロアは俺のもの。いいな?」


 ちょっとだけ頬を赤らめて、そう宣言してくるランスタッド。
 それに、ロマノアは戸惑いながら頷くしかない。




 母上、どうしましょう。
 ランス様が、おかしくなっちゃいました……



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