こんなスローライフは想定外!~いつの間にか、親友を虜にしてしまっていたようで!?~

うみくも

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Step3 心臓がもたない!止まらない押し一手!!

次に進む合図

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 ノクスと目が合うと、フィレオトールの目尻からさらに涙があふれた。


「ノクスのばかぁ…っ」


 微かな嗚咽おえつの合間に、フィレオトールはそう告げる。


「な、舐めた……飲んだ……そんなとこ…っ」
「え…?」


 ノクスは、目をしばたたかせるしかなかった。


「え、お前……そんなんで泣く?」


「悪い!? こんなの初めてなんだから、恥ずかしくて涙も出るよ!! なんか……今日のノクス、すっごく意地悪! うううっ……」


 死ぬほど恥ずかしい。
 こんなんだったら、さっさと意識を飛ばしていた方が何倍もよかった。


 涙が止まらないフィレオトールは、まるで子供のように泣きじゃくる。


 そんなフィレオトールの肩に手を置いて、どこか唖然した様子でそれを見ていたノクスは、やがて複雑そうに息をついた。


「なんだかなぁ…。なんでおれは、お前の泣き顔を見て興奮してんだろ。可愛すぎにも程があるだろ……」


「うわーん! ノクスが変なものに目覚めてる気がするうぅっ!!」


 泣いたら止まるどころか興奮材追加って、どういう理屈ですか!?
 こういう関係もありかなと思ったの、やっぱりなしでお願いします!!


「こんな意地悪なの、嫌だよぉ…っ」
「いや、そんなこと言ってもなぁ……」


 フィレオトールの涙が落ち着くのを待っていたノクスだったが、しばらくすると何かを諦めたかのように一息。


 彼は特に何も言わないままフィレオトールの体を反転させ、その手をシンクのふちにつかせるように誘導する。


「意地悪っつったって……準備不足で突っ込まれたら痛いだろ?」
「―――っ」


 十分に慣らされた蕾の入り口を一なでされ、涙が一瞬だけ引っ込んだ。


 そして―――それが、次の段階に進む合図。


「あっ……ああっ……あああっ!」


 固くたぎる熱がゆっくりとあいに潜り込んできて、羞恥心しゅうちしんが瞬く間に拡散していく。


「んっ……う……あっ……」


 どうしよう。
 もう、何をされても気持ちいい。


 ノクスが腰を支えてくれていなかったら、床にへたり込んでいたかもしれない。
 高い熱と大きな快感にあぶられて、頭も体もおかしくなってしまっている。


「ノクス……だめっ……むり…っ」


 うつろな声でうわ言のようにあえぐフィレオトールは、涙を流してゆるゆると頭を振る。


「分かった、分かった。今度は我慢させないから。」


 少しだけ苦しそうに熱い吐息をついたノクスは、優しく頭をなでてくる。
 髪の間を指が通っていく心地よい感触に、無条件にほっとして力が抜けた。


 柔らかい髪の感触を何度か楽しんだノクスは、そっとそこから手を離す。
 その手が再び腰に向かって戻っていき、そして―――


「ひああっ!!」


 全く予期していなかった衝撃に、フィレオトールはびくんと背中と喉を反らせた。


 ノクスを受け入れた快楽で反応してきていた自分の熱に、彼がまた手を添わせたのだ。


 悦びの雫を滴らせているそこは、自分の耳に濡れた音を響かせてくる。


「あう……やだ……やだぁっ!」


「まったく…。らしてほしいのか、さっさとイキたいのか、どっちなんだ? お前は。」


「やあぁっ!!」


 ノクスの手が敏感な場所を滑ると同時に、あいを突いてくるその熱の動きが激しさを増す。


 それで、体はあっという間に限界への道を駆け登っていった。


「やっ……あっ……ノクス……もう…っ」
「ああ、分かってるよ。」


 優しい声。
 でも、どこか余裕をなくした切ない声。


〝我慢しなくていい〟


 そう言ってくれるように、ノクスの手が滑る。
 それとほとんど同じく、あいの奥に打ちつけられた彼の熱も大きく震える。


「あああああっ!!」


 前からも後ろからも襲ってくる巨大な快感に、何もかもが飲み込まれていってしまった。


「は……はあっ……う……」


 とても立てる状態ではなくて、フィレオトールはシンクの上にくたりと上半身を預ける。


 次の瞬間―――


「わっ!?」


 急に、視界がぐるりと回る。
 床の感触が消えて、ちょっとした浮遊感が全身を包む。
 気がつくと、ノクスの顔が間近にあった。


「え…?」


 ノクスにお姫様抱っこのように抱き上げられ、フィレオトールはパチパチとまぶたを叩く。


 そんなフィレオトールを腕に、ノクスは無言でキッチンから離れた。


「ノクス…? どこ行くの?」
「ベッド。」


 ノクスは低い声で一言。


「………ひえっ」


 少しの沈黙の後、フィレオトールは青いのか赤いのか判別つかない顔へ。


「嘘でしょ!? まさかの二回戦目!?」
「嘘も何もあるか。こんなんで終わらないことくらい、もう分かってるだろ。」


「かっ……勘弁してーっ!」
「無理。」


 ノクスはずんずんと廊下を進むのみ。
 取りつく島もないとは、まさにこのことか。


「い……いーやーっ!!」


 フィレオトールの甲高い叫びは、寝室の中へと消えていくのだった。

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