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Step8 縁切り魔族降臨!? 強制テレパシーで大混乱!
今日こそは―――
しおりを挟む「んんっ…」
ベッドに放り投げられるや否や、噛みつく勢いで唇を奪われる。
「ノクス……ちょっと……待って…っ」
「悪い。」
戸惑うフィレオトールに、ノクスは首を横に振った。
「お前の心の声を聞きながら、いつもどおりに優しくできる自信は……さすがにない。おれが理性を吹っ飛ばす前に、意地でもお前の理性を飛ばす。」
そう宣言したノクスの双眸は、すでに野生の色を伴って据わっている。
それに息を飲む間もなくノクスの荒い呼吸が迫ってきて、口腔内に熱い舌が忍び込んできた。
「ん……んう…っ」
強引に舌を絡め取られると、上手く息継ぎができなくて頭がぼんやりとする。
当然だが、ノクスがキスだけに集中するわけがなかった。
「んんっ!」
後頭部を支えるノクスの手が、器用に指先だけで耳や首筋をくすぐっていく。
それと同時に、もう片方の手がシャツの中を淫靡に這い回る。
「んんんーっ!!」
いつもと違って、性急に昂らされていく体。
次々と襲ってくる快感の津波から逃げたくなるけれど、ノクスの唇が言葉を紡ぐことすら許してくれない。
(だ……め……)
体の昂りに意識がついていけなくて、混乱した思考が迷走を始める。
(……怖い…っ)
強い快感に炙られる理性が訴えたのは、微かな恐怖。
(そんな……気持ちいいとこばっか触られたら……おかしくなっちゃうよ…っ)
もう無理。
早くも涙腺が決壊してしまって、脳内だけじゃなくて視界もぼやける。
快楽でおかしくなるのはいつものことだけど、こんなに本気を出して攻められたら、恥ずかしさを訴える理性なんか役に立たない。
抵抗する暇もなく限界まで追い詰められて、普段のノクスがいかに優しかったのかを悟る。
夜の情事にはお前が合わせろと言いながらも、彼は意地悪な態度の裏で、自分がついてこられる程度に合わせてくれていたのだろう。
「くっそ……今のは、強烈…っ」
ふいに唇を離したノクスが、呻くようにそう呟いた。
極度の興奮から肩をいからせるノクスはフィレオトールの耳元に両腕をつくと、すでにとろけた顔をしている彼を真上から見下ろす。
「フィル……前言撤回して悪いけど、もう理性がもたねぇわ。今日は、多少きつくても許せよ。」
「………っ」
真正面から欲情をぶつけられて、そのあまりの気迫に怯んでしまう。
何も答えられないこちらを無視して、ノクスは無言ではだけたシャツに手をかけてきた。
「あっ……やっ……」
皮膚が薄い腰をなでられ、それと同時に胸元に唇を寄せられる。
「んんっ…」
独占欲の花びらを穿たれる、刺すような痛み。
それすらも、今はただ快感を煽る信号にしかならない。
怯んだ心なんて一瞬で溶かされて、すぐに甘い波に押し流されてしまった。
互いの上半身から邪魔な衣服を取り去ったノクスは、間髪入れずに下半身の方へと手を伸ばす。
「―――っ!?」
半分霞んでいた意識が、そこで一気に現実に引き戻された。
「やっ……ノクス!?」
泣きそうな顔で眉を下げたフィレオトールは、慌てて身をよじらせる。
下半身からも服を脱がせたノクスが、そのままフィレオトールの足を高く掲げたからだ。
「やだ…っ。やだっ!!」
初めてされる行為に脳内処理が追いつかないフィレオトールは、羞恥と怯えでそこから逃げようと必死になる。
しかし―――
「知るか。」
いつもなら引いてくれるノクスも、今日ばかりはこちらの言葉を聞き入れてはくれなかった。
「見せてやるよ、わがままのお手本ってやつ。お前はおれのものだから一生離してやらねぇって、今日こそは全身で思い知れ。」
フィレオトールの片足を自分の肩に乗せたノクスは、その内腿に舌を這わせ始めた。
「あっ……ああ…っ」
普段は手でしか触れられないところを舐められて、そこにもきつく吸いつかれる。
濡れた音が聞こえる度に、そこから広がってくる痺れに全身がぞくぞくと震えた。
(だめ……なんか、これ…っ)
手で触れられるだけでも相当に気持ちいいのに、そんな敏感なところにキスなんかされたら……
すでに好きな人からの愛撫を受け入れるように切り替わってしまった体には、この刺激はあまりにも強すぎた。
怖いのに、恥ずかしいのに、どんなことにも悦んでしまう体を止められない。
自分にできることといったら、恥ずかしい場面を見ないように目をつぶることだけだった。
「ふ……う……っ」
執拗に脚を責められて、精神は軽く限界を突破。
くたくたになった体には、ろくに力が入らない。
フィレオトールが完全に無抵抗になったところで、ノクスが次の行動に移った。
「ああっ!!」
口から勝手に甲高い矯声が漏れて、全身が大きく痙攣すると同時に脳裏が白く飛んでしまった。
「ノクス! だめ!! それだめぇっ!!」
大粒の涙を零すフィレオトールがぶんぶんと首を振るが、ノクスは手を止める気配がない。
「今日は無茶してでも耐えろ。」
低く命じるノクス。
その熱い舌が、水音を立てながらひくついて震える熱にまとわりつく。
「あっ、あっ……やあぁっ!!」
桁違いのレベルで襲いくる電流に、フィレオトールはただ喘ぐ他に道はなかった。
ただでさえ気持ちよすぎてどうにかなりそうなのに、全身を打つ快感は天井知らずに強さを増していく。
過敏になっている体が、ノクスの息が熱にかかる感触さえも快感の信号に変えてしまう。
そんな状態で彼の指に隘路へと潜り込まれたら、もう何も考えられなくて―――
「あああああっ!!」
ノクスの手練手管に操られるまま、絶頂まで駆け上がっていくしかなかった。
「は……う……あ…っ」
全身で息を繋ぐフィレオトールは、必死に両腕で顔を隠して震える。
そんなフィレオトールを見つめるノクスの唇が、ふいに弧を描いた。
「今日は、さすがのフィルも興奮ぎみみたいだな? イッたばっかなのに、まだ萎えてない。」
「~~~っ」
くすりと笑いながら指摘され、フィレオトールは腕の下でぽろぽろと涙を流して泣きじゃくる。
自分でも分かってるのに、意地悪く口にしなくてもいいじゃん。
そんなことを思ったけど、ノクスに文句を言える余裕なんか全然なくて……
「ふふ……いい子だ。これでいい。口で言えない分、こうやって体でねだってくれよ。」
「あっ…」
指と入れ替わりで蕾にあてがわれる、灼熱の塊。
びくりと背筋が震えて、心臓が一際高く鳴り響いた。
「あ……あ、あ……あああっ!!」
最初はゆっくりと入り口を開かれ、次に勢いよく隘路を奥深くまで貫かれる。
どんな刺激よりも強い一番の快楽に、何もかもがぐずぐずに溶かされていくようだった。
「……う…っ」
ノクスが小さく呻く。
大好きな人が、自分と同じように気持ちよくなってくれている。
それが伝わってきて、気付かぬうちに体の方が反応してしまっていた。
「はは……っんとに、可愛すぎ。そんなに腰揺らして、締めつけてきてさ…っ」
「あ……う……」
「そうそう、その調子。そうやって、お前もおれのことを捕まえとけ…っ」
「ああっ!!」
緩やかに動いていた熱が突然強く奥を打ちつけてきて、フィレオトールは白い喉を仰け反らせる。
「く…っ」
一度歯を食い縛ったノクスの動きが、それを皮切りに一気に激しくなった。
「やっ、あっ……あああっ!!」
だめ。
本当ににもうだめ。
ノクスの熱が内壁をこする感覚も、それが奥を突き上げる感覚も、眩暈がするほどに気持ちいい。
そして、この先に与えられるものを待ち望んでいる自分がいる。
欲張りになった心に引きずられるように、体がノクスに合わせて何度も跳ねては扇情的に震えた。
「ノクス…っ。だめ…っ。もう……もう…っ」
「ああ…。おれも、きつ…っ」
息を荒くするノクスの頬から汗が滴り落ちる。
一際強く奥を貫かれた瞬間、そこに勢いよく熱いものが注がれた。
「ああっ! あああああっ!!」
ずっと欲しかった愛しい人の証に、また快楽のリミッターが外れてしまう。
「ノクス……」
虚ろになった声でノクスを呼んだフィレオトールは、半ば無意識でノクスに手を伸ばしていた。
それを当然のように引き寄せて、優しく握り返してくれるノクス。
―――ああ…。やっぱり、好きだなぁ……
頭の中は、それでいっぱいだった。
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