こんなスローライフは想定外!~いつの間にか、親友を虜にしてしまっていたようで!?~

うみくも

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Step10 求婚事件で破局の危機!?

危機感と背中合わせの幸福

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 服を脱ぐ間すら惜しい。


 暴れて止まらない気持ちをごまかすように、何度でもキスで唇を結ぶ。


「ん…っ。う……は…っ」


 ようやく服が身軽になったところで、ノクスが首筋に唇を寄せてきた。


「んん…っ」
「今日はいつにも増して敏感だな。本当に可愛い。」


 鎖骨、胸元、腰と。
 至る所に彼の唇が触れて、そこに赤い花びらを落としていく。


「はう…っ。あっ……ああ…っ」


 苦手だったこの行為も、今では恥ずかしさも感じない。
 ただただ嬉しくて、気持ちよさでくらくらする。


〝これは、おれがお前から離れる気がないっていう証拠〟


 彼から贈られた言葉がだまする。
 もっと想いを刻み込んでほしいと、身も心もその行為を求めてしまう。


「―――ああっ!!」


 突如全身を襲う、桁違いの快感。
 それに大きく痙攣けいれんしたフィレオトールは、狼狽うろたえて頭を振った。


「やっ……ノクス、それ…っ」
「だめだ。」


 フィレオトールの訴えを優しい口調で退けたノクスは、濡れて震えるそこに口づけを落とす。


「今日は、フィルの体中にくまなくキスしたい。」
「~~~っ」


 抱き潰されたいのかと言ったくせに、いつもより丁寧で穏やかな愛撫。
 だけど、そこから広がるしびれのような刺激は、いつもの何倍も強烈に脳裏を焼く。


「ふふ…。甘いな。」


 笑うノクスがキスをやめて、なまめかしく舌をわせてくる。
 そんなことをされたら、いちいち恥ずかしがっている余裕もなくなってしまう。


「だめっ、だめ!! も……無理…っ」
「うん、知ってる。」


 意地悪な彼は、ただ笑うだけ。
 愛撫の手を緩めてくれる気配は一切ない。


「ふ……う……あああっ!!」


 久しぶりの津波に、頭が真っ白に染まる。
 それを越えたら、指一本を動かす気力すらなくなっていた。


「おーい、この程度でバテるなよ?」


 自分の指を舐めるノクスは、まだまだ余裕そう。
 なんだか、ちょっぴり悔しかった。


「ううぅ…。何さ……僕を追い込んで楽しんでるくせに…っ」
「それでもいいって言ったのは、どこの誰かなー?」


 つんつんと頬をつついてくるノクス。
 上機嫌なのが伝わるその顔は、本当に楽しそうだ。


「意地悪…っ」
「でも、好きだろ?」
「……うん。」


 その問いについては、素直に頷くしかない。
 すると、ノクスが小さく噴き出した。


「本当に素直だな。そんなんだから、おれが調子に乗るんだぞー?」
「そんなこと言ったって…。好きなのに、意地を張って嫌いだなんて言えないもん。」


「そうかそうか。じゃあ、諦めていじめられとけ。」
「うう……はい。」


 まあ、そうですよね。


 一度開花してしまったドSが、今さら変わるわけないですよね。


 でも、ノクスがこうじゃなかったら、自分も押し負ける勢いに任せて甘えられなかった。


 そう考えると、複雑だけど彼がドSでよかったのかもしれない。


 それに……


「ん。いい子だ。」


 意地悪な彼が注いでくれる愛情はどんなお菓子よりも甘くて、これなしには生きられないくらい心地いいから―――


「ん…」


 優しく重ねられる唇を受け止めて、その先をねだるように舌を差し出す。


「ん、う……んんんーっ!!」


 うっとりとするようなキスの最中、あいの中に熱いものが潜り込んでくる。
 あまりの快楽に、呼吸をすることすら忘れた。


「は…っ。ノクス……」


「まったく……嬉しそうな顔をしちまってからに。そんなにいい反応をされると、歯止めがかなくなるだろうが…っ」


「あああっ!!」


 勢いよく最奥まで突かれて、フィレオトールは大きく体を跳ねさせる。
 目がくらむほどの刺激の波は、息をつく間すら与えてくれなかった。


「あ、あ…っ。ノクス……ノクス…っ」


 もっと。
 もっと近くに来て。


 そんな気持ちが体を突き動かして、最愛の人に必死に手を伸ばす。


「フィル……―――愛してる。」


 自分の行為に応えて強く抱き締めてくれたノクスが、耳元で甘くささやく。
 その言葉に全てが満たされるようで、涙があふれて止まらない。


「うん。僕も愛してる。」


 何度聞いても足りないし、何度言っても足りない。


 どんどん深みにはまっていくことにほんのりと危機感を覚えるけど、この感覚が生み出す快楽と幸福がたまらない。


(もう戻れないんだから……ちゃんと責任を取ってよね……)


 ベッドに入る前に言われた言葉を、心の中でそのまま返す。
 そして、その気持ちを口に出す代わりに、愛しい体温にぎゅっとしがみついた。

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