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顔合わせの日から一週間後、正式に婚約を結んだオーウェンは、毎日ジェンキンス侯爵家を訪れた。
「本当はもっと高価なものを贈るべきなんだろうけど…」
やってきた訪問初日、そう言ってなぜか恥じたように顔を強張らせたオーウェンが差し出したのは、淡いピンクが美しいガーベラただ一本だった。
「…ごめんね」
ソフィアはオーウェンが謝る理由がわからず、しかしなぜかこの花をオーウェンが深く恥じているのだと思い、満面の笑顔で応えてみせた。
「可愛い…とっても可愛らしいお花ですね!殿下は、私が好きな花をご存じでしたか…?とても嬉しいです、ありがとうございます!」
差し出された手ごと両手で包み込むようにすると、オーウェンが途端に顔を赤らめる。その様子を見て一瞬ポカンとしたソフィアは、そのあと綻ぶように笑った。
「殿下も、可愛いです」
そう言って自分より少し背の高いオーウェンの白銀の髪の毛を撫でると、ますます顔を赤くしたオーウェンは、不貞腐れたようにソフィアを睨み付けた。
「…女性のほうが成長が早いっていうのは本当だね。…チェッ、…カッコ悪いな…」
赤い顔のまま俯くオーウェンを覗き込むようにしたソフィアは、「殿下」と声をかけた。無言でソフィアを見つめるオーウェンに、
「なんで、ごめんだなんて謝ったのですか」
と首を傾げた。
「…だって。婚約者として初めて会うのに、花一本だなんて、…ましてや僕、一応王子なのにさ…なんか、恥ずかしくて…」
「恥ずかしいのに、なぜお花を?」
オーウェンがまた視線を逸らしてしまったので、ソフィアは手を握ったままオーウェンを引っ張り歩き出した。
「…ソフィア、」
「殿下、お茶の準備ができていますから、あちらでお話しましょう?たくさん、お互いを知りましょう、そう約束しましたね。殿下、私は、話をするとき、相手と目を合わせて話したいのです。殿下は違いますか?それだとお話できません。私のこと、ひとつ、わかってくださいましたか?こんな私でもいいですか?」
コクコクと頷くオーウェンに、「よかった」と微笑んでみせると、オーウェンはまた顔を赤くし、困ったように微笑んだ。
「本当はもっと高価なものを贈るべきなんだろうけど…」
やってきた訪問初日、そう言ってなぜか恥じたように顔を強張らせたオーウェンが差し出したのは、淡いピンクが美しいガーベラただ一本だった。
「…ごめんね」
ソフィアはオーウェンが謝る理由がわからず、しかしなぜかこの花をオーウェンが深く恥じているのだと思い、満面の笑顔で応えてみせた。
「可愛い…とっても可愛らしいお花ですね!殿下は、私が好きな花をご存じでしたか…?とても嬉しいです、ありがとうございます!」
差し出された手ごと両手で包み込むようにすると、オーウェンが途端に顔を赤らめる。その様子を見て一瞬ポカンとしたソフィアは、そのあと綻ぶように笑った。
「殿下も、可愛いです」
そう言って自分より少し背の高いオーウェンの白銀の髪の毛を撫でると、ますます顔を赤くしたオーウェンは、不貞腐れたようにソフィアを睨み付けた。
「…女性のほうが成長が早いっていうのは本当だね。…チェッ、…カッコ悪いな…」
赤い顔のまま俯くオーウェンを覗き込むようにしたソフィアは、「殿下」と声をかけた。無言でソフィアを見つめるオーウェンに、
「なんで、ごめんだなんて謝ったのですか」
と首を傾げた。
「…だって。婚約者として初めて会うのに、花一本だなんて、…ましてや僕、一応王子なのにさ…なんか、恥ずかしくて…」
「恥ずかしいのに、なぜお花を?」
オーウェンがまた視線を逸らしてしまったので、ソフィアは手を握ったままオーウェンを引っ張り歩き出した。
「…ソフィア、」
「殿下、お茶の準備ができていますから、あちらでお話しましょう?たくさん、お互いを知りましょう、そう約束しましたね。殿下、私は、話をするとき、相手と目を合わせて話したいのです。殿下は違いますか?それだとお話できません。私のこと、ひとつ、わかってくださいましたか?こんな私でもいいですか?」
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