【完結】あなたのことが好きでした

蜜柑マル

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片手に移していたガーベラをテーブルに載せると、ソフィアはオーウェンの頬をそっと撫でた。何度も撫でられ、オーウェンはくすぐったさと恥ずかしさを覚え、しかし何も言えずソフィアを見つめた。優しい顔で自分を見つめるソフィアの瞳と目が合って、なぜかオーウェンは泣きそうになりグッ、と息を止めた。

「…ごめん」

「謝ることなんてどこにもありませんでしたよ、殿下。…私は殿下の弟君の第2王子殿下を知りませんが、酷いことを仰いますね、美しく咲いているだけで心を癒し慰めてくれる花をみすぼらしいだなんて。そんな言葉に傷つく必要はないと私は思います。…ご自分の、感じるままを、大事になさればいいと、そう、…思います。殿下が初めて会った時の私をピンクのガーベラだと、…可憐だと、思ってくださったのですよね…?とても嬉しいです…ありがとうございます、殿下」

瞳を潤ませてニコリとするソフィアに堪らなくなったオーウェンは、椅子から立ち上がるとソフィアを抱き上げて座り直し、自分の胸にギュウッとだきこんだ。

「ソフィア、好きだ」

「で、んか、」

「貴女が好きだ…貴女と出会えたあの日を、僕は宝物にする。ありがとう、ソフィア。他人がなんと言おうと、僕が貴女を想い行動する、それを自分が否定することを今後はしない。僕が好きになった貴女を、僕が信じればいいだけだ。…ありがとう。大好きだよ、ソフィア。可憐な、それでいて凛としてひとり立つ花を選んだ僕を、肯定してくれてありがとう。大好きだ、ソフィア、…大好きだよ」

トクトクと打つ鼓動が直に伝わり、ソフィアは顔が赤らむのを感じた。こうして素直に気持ちを伝えてくれるオーウェンを、とても好ましく思った。自分が王子だから受け入れて当然だ、むしろ選ばれて喜ぶべきだ、というような態度であったら、きっと何があろうと自分は断ったであろうと思い、ソフィアは目をつぶった。この人が向けてくれる好意に、自分も正面から向き合いたい。優しく、そして恐らく繊細であろうこの人を、もっと深く知りたい。今はまだ、「好きだ」とは言えない。でもきっとその芽はもう育ちつつあるのだと、ソフィアは少しだけ面映ゆくなりオーウェンにギュッと抱きついた。

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