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アデル・イーストウェル
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「そして、アデル様、アデル様は、アリー・パーマーという名前の子爵令嬢だったのです」
「私が8歳の時に捕まって犯罪奴隷になった子爵のことですね」
アデル様は、コンラッド様に抱かれて落ち着いたのか、瞳に光が戻ってきた。エイサン様もいなくなったので安心したのだろう。赤みがさしてきた頬を見てホッとする。
「そうです。話の中ではアリー様と呼びますね」
「子爵令嬢でいい、アリー様なんて、敬称をつける必要もない」
ハロルド様がなぜか憎々しげに吐き捨てるように言う。確かに、もしハロルド殿下があの子爵令嬢を抱いていなかったとしたら、ハロルド殿下は名前を騙られた被害者ということになる。真相はわからないままだろうが。
「では、そうします。子爵令嬢は、学園の最終学年に編入してきて、ハロルド殿下と、」
「シア、王太子って言って」
懇願するように耳元で囁かれ、ドキッとしながらも頷く。
「…王太子殿下と、いつも一緒にいました。私は、学園に入る前に王太子殿下の婚約者に決まったのですが、入学した時からまったく接点を持たせてもらえず、学園では早々に形ばかりの婚約者と蔑みの対象になり、」
「ハロルド、なんでそんなことをしたんだ!」
「俺はしていない!その時の王太子がしたんだ!」
激昂するコンラッド様にこれまた激昂するハロルド様。
「あの、いまのハロルド様とは違いますので、コンラッド様」
「あ、…そうですね。すみません、口を挟んでしまって…なんて酷いヤツなのかと、つい」
…これから更に酷いヤツになるんです。
心の中でそっと呟き話を続ける。
「それに加えて、ヒル公爵家のマリエル様にも度々叱責を受けて、卒業する半年前に学園に通うのをやめました。そのまま婚約者から外してくれたらいいと思っていたのですが、卒業後すぐ結婚式になってしまって、…初夜に、寝室に入ろうとしたら、もう既に王太子殿下と子爵令嬢が、その、…情交を、していまして、」
「ハロルドお兄様に抱かれるなんて死んだ方がマシだわ。エイサン様よりは数千倍許せるけど」
「俺だっておまえを抱くなんて絶対にイヤだね」
軽口が出るようになったアデル様にホッとする。やっぱり、ハロルド様とコンラッド様、アデル様は共に育ってきた絆があるのだろう、お互いを大切に思っているのがよくわかる。
「王太子は、何を考えてそんなことを…でも、アデルの幻影から考えると、それはハロルドではなく俺、もしくはエイサンの可能性もある、ということか」
考え込むように言うコンラッド様は、
「でも、王太子の寝室に入り込んだりできるもんなのか?」
それは私も思ったところだ。いくら似ていても、そんな簡単に、
「誰か協力者がいたんだろうな。エイサン、もしくは、王太子の動向に詳しい誰か」
ハロルド様が、ポツリと呟いた。…協力者。
「私が8歳の時に捕まって犯罪奴隷になった子爵のことですね」
アデル様は、コンラッド様に抱かれて落ち着いたのか、瞳に光が戻ってきた。エイサン様もいなくなったので安心したのだろう。赤みがさしてきた頬を見てホッとする。
「そうです。話の中ではアリー様と呼びますね」
「子爵令嬢でいい、アリー様なんて、敬称をつける必要もない」
ハロルド様がなぜか憎々しげに吐き捨てるように言う。確かに、もしハロルド殿下があの子爵令嬢を抱いていなかったとしたら、ハロルド殿下は名前を騙られた被害者ということになる。真相はわからないままだろうが。
「では、そうします。子爵令嬢は、学園の最終学年に編入してきて、ハロルド殿下と、」
「シア、王太子って言って」
懇願するように耳元で囁かれ、ドキッとしながらも頷く。
「…王太子殿下と、いつも一緒にいました。私は、学園に入る前に王太子殿下の婚約者に決まったのですが、入学した時からまったく接点を持たせてもらえず、学園では早々に形ばかりの婚約者と蔑みの対象になり、」
「ハロルド、なんでそんなことをしたんだ!」
「俺はしていない!その時の王太子がしたんだ!」
激昂するコンラッド様にこれまた激昂するハロルド様。
「あの、いまのハロルド様とは違いますので、コンラッド様」
「あ、…そうですね。すみません、口を挟んでしまって…なんて酷いヤツなのかと、つい」
…これから更に酷いヤツになるんです。
心の中でそっと呟き話を続ける。
「それに加えて、ヒル公爵家のマリエル様にも度々叱責を受けて、卒業する半年前に学園に通うのをやめました。そのまま婚約者から外してくれたらいいと思っていたのですが、卒業後すぐ結婚式になってしまって、…初夜に、寝室に入ろうとしたら、もう既に王太子殿下と子爵令嬢が、その、…情交を、していまして、」
「ハロルドお兄様に抱かれるなんて死んだ方がマシだわ。エイサン様よりは数千倍許せるけど」
「俺だっておまえを抱くなんて絶対にイヤだね」
軽口が出るようになったアデル様にホッとする。やっぱり、ハロルド様とコンラッド様、アデル様は共に育ってきた絆があるのだろう、お互いを大切に思っているのがよくわかる。
「王太子は、何を考えてそんなことを…でも、アデルの幻影から考えると、それはハロルドではなく俺、もしくはエイサンの可能性もある、ということか」
考え込むように言うコンラッド様は、
「でも、王太子の寝室に入り込んだりできるもんなのか?」
それは私も思ったところだ。いくら似ていても、そんな簡単に、
「誰か協力者がいたんだろうな。エイサン、もしくは、王太子の動向に詳しい誰か」
ハロルド様が、ポツリと呟いた。…協力者。
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