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新たな火種
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「わかってる。それでも、感謝したいんだよハロルド。父上も母上も、もちろんアデルも…みんな、同じ気持ちだ」
これから、とは、いったいどういう意味なのだろう?
「ハル様、」
「コンラッド!」
ハロルド様に言葉の真意を尋ねようとしたところで、エイサン殿下の声に遮られてしまった。
「…何用ですか」
先ほどとはうって変わって冷え冷えとした声で応対するコンラッド様は、ハロルド様同様、能面のような顔に変わっていた。似ているふたりが同じ表情になるとかなりの迫力があり怖い。静かな怒りをひしひしと感じ、ついハロルド様の制服を握ると、さっと手を繋がれ、
「シア、大丈夫だよ」
と微笑まれた。その優しい笑顔にホッとしたのも束の間、また表情を変えたハロルド様はエイサン殿下に、
「何の用だ」
と吐き捨てるように言った。
「…兄上、やっぱりコンラッドとグルなのですか!」
「グルとはなんだ?さっきから聞き捨てならない言葉の数々だが、おまえは王太子だから何を言っても赦されるとでも勘違いしているのか?俺に対する侮辱ととるぞ。決闘だ、表に出ろ」
ハロルド様の怒りに満ちた声にサッと顔色を悪くしたエイサン殿下は、
「…申し訳ありません、言葉が過ぎました。しかし、」
「しかし?なんだ?」
「僕は!アデルと共に学園に通いたくて飛び級したんです!それなのに、僕に断りもなく学園を辞めるなんて、無礼だと思わないのですか!?」
「だったら不敬罪で処罰してください、我が家を。父がアデルの命を守るために決めたことです。昨日も父が申し上げたでしょう、潰すなら潰せと。我が家が気に入らないならそうすればいいと。イーストウェル家はアデルを守ります。むざむざ死なせるなんてことはしない。アデルを殺すなら、我々も死にます。ただし、タダでは死にませんよ、エイサン殿下」
コンラッド様は淡々と無表情のままエイサン殿下に告げると、
「アデルは、貴方のことがだいっきらいなんですよ、エイサン殿下。幼い時から過ごしてきても、アデルの信頼や関心を勝ち取れなかったのだから諦めるべきだ。何度も言いますが、アデルは元は犯罪奴隷になった親を持つ人間です。王太子ともあろう立場の人間が、惚れた腫れたで未来の王妃を決めるなんて…世も末だ」
「…おまえっ」
胸ぐらに掴みかかるエイサン殿下に、コンラッド様は蔑んだ笑みを浮かべ、
「本当のことを言われて怒るなんて、王太子としての資質を疑いますね…あ、だからこそバカのひとつ覚えのように、嫌がるアデルを妻にすると言い続け、ついには殺そうとしているわけだ」
その顔にエイサン殿下の拳が打ち付けられ、コンラッド様は机とともに盛大な音を立てて倒れた。
「何をしているのです!エイサン様、学園内で暴力など…いったい何を…!」
教室に入ってきた担任がエイサン殿下の腕を掴むと、すかさず「お手伝いします」とイーサン様がエイサン殿下を拘束した。
「イーサン…っ!貴様、」
「エイサン殿下、我は王家の盾です。王家の人間の盾ではない。善悪の区別がつかない暴君は粛清もしかるべき…それが我がジルコニア家の教えです。おわかりですか?」
イーサン様も、ハロルド様、コンラッド様同様に能面のような顔でエイサン殿下を見据えている。
これから、とは、いったいどういう意味なのだろう?
「ハル様、」
「コンラッド!」
ハロルド様に言葉の真意を尋ねようとしたところで、エイサン殿下の声に遮られてしまった。
「…何用ですか」
先ほどとはうって変わって冷え冷えとした声で応対するコンラッド様は、ハロルド様同様、能面のような顔に変わっていた。似ているふたりが同じ表情になるとかなりの迫力があり怖い。静かな怒りをひしひしと感じ、ついハロルド様の制服を握ると、さっと手を繋がれ、
「シア、大丈夫だよ」
と微笑まれた。その優しい笑顔にホッとしたのも束の間、また表情を変えたハロルド様はエイサン殿下に、
「何の用だ」
と吐き捨てるように言った。
「…兄上、やっぱりコンラッドとグルなのですか!」
「グルとはなんだ?さっきから聞き捨てならない言葉の数々だが、おまえは王太子だから何を言っても赦されるとでも勘違いしているのか?俺に対する侮辱ととるぞ。決闘だ、表に出ろ」
ハロルド様の怒りに満ちた声にサッと顔色を悪くしたエイサン殿下は、
「…申し訳ありません、言葉が過ぎました。しかし、」
「しかし?なんだ?」
「僕は!アデルと共に学園に通いたくて飛び級したんです!それなのに、僕に断りもなく学園を辞めるなんて、無礼だと思わないのですか!?」
「だったら不敬罪で処罰してください、我が家を。父がアデルの命を守るために決めたことです。昨日も父が申し上げたでしょう、潰すなら潰せと。我が家が気に入らないならそうすればいいと。イーストウェル家はアデルを守ります。むざむざ死なせるなんてことはしない。アデルを殺すなら、我々も死にます。ただし、タダでは死にませんよ、エイサン殿下」
コンラッド様は淡々と無表情のままエイサン殿下に告げると、
「アデルは、貴方のことがだいっきらいなんですよ、エイサン殿下。幼い時から過ごしてきても、アデルの信頼や関心を勝ち取れなかったのだから諦めるべきだ。何度も言いますが、アデルは元は犯罪奴隷になった親を持つ人間です。王太子ともあろう立場の人間が、惚れた腫れたで未来の王妃を決めるなんて…世も末だ」
「…おまえっ」
胸ぐらに掴みかかるエイサン殿下に、コンラッド様は蔑んだ笑みを浮かべ、
「本当のことを言われて怒るなんて、王太子としての資質を疑いますね…あ、だからこそバカのひとつ覚えのように、嫌がるアデルを妻にすると言い続け、ついには殺そうとしているわけだ」
その顔にエイサン殿下の拳が打ち付けられ、コンラッド様は机とともに盛大な音を立てて倒れた。
「何をしているのです!エイサン様、学園内で暴力など…いったい何を…!」
教室に入ってきた担任がエイサン殿下の腕を掴むと、すかさず「お手伝いします」とイーサン様がエイサン殿下を拘束した。
「イーサン…っ!貴様、」
「エイサン殿下、我は王家の盾です。王家の人間の盾ではない。善悪の区別がつかない暴君は粛清もしかるべき…それが我がジルコニア家の教えです。おわかりですか?」
イーサン様も、ハロルド様、コンラッド様同様に能面のような顔でエイサン殿下を見据えている。
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