逆行厭われ王太子妃は二度目の人生で幸せを目指す

蜜柑マル

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新たな火種

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教室に駆け付けた担任に、マリエル様は引きずられるように連れていかれた。教室内では、

「また停学なんて…」

「それより、あまりにも手が早すぎない?たぶんご自分の侍女にも平気で手をあげるのでしょうね」

「マリエル様、まだ婚約者いらっしゃらなかったわよね?お相手になってなくてご子息がたは助かったわねぇ」

「公爵家を継ぐのはクレイグ様で、ご自分は将来どこに嫁ぐかわからないのに…家を継ぐセシリア様に喧嘩を売るなんて、ほんとに考えが足りないのね」

と、コソコソあちこちで声があがる。クレイグ様は黙って下を向いていた。

「クレイグ様、申し訳ありません」

頭を下げてみせる私の肩に、クレイグ様が慌てたように手を伸ばすと、ハロルド様が容赦なく叩き払う…この方は私の話を聞いているのだろうか?

「ハル様!」

「…っ。だって、なんで触るんだ!俺だってまだ今日、シアに6回しか触れてないのに!」

「イーサン、馬鹿王子を拘束しておけ」

「コンラッドがすればよいのに…」

ブツブツ言いながらスッと音もなく現れたイーサン様が後ろからハロルド様を拘束する。

「イーサン、離せ!」

「暴れると、キスしますよ。いいですか?」

イーサン様の言葉にピタリと動きを止めるハロルド様。冗談だとは思わないのだろうか…。

「クレイグ様、」

「セシリア様、重ね重ね、申し訳ありません…っ」

「いえ、私もあのような発言をしましたので…お許しください」

「許すも何も…っ。…父から、ウッドベル侯爵令嬢に謝罪をしたいからと、ぜひにも来ていただけと…私も、セシリア様に来ていただきたくて…」

「シアは、俺の婚約者なんだ!おまえには渡さない!」

突然叫ぶハロルド様に、イーサン様が本当に口づけた。容赦ない口づけだ。慌てて目を逸らし、見なかったことにする。

「…っ!イーサン…っ!や、やめ、」

「言ってもわからないからです」

二人のやり取りは聞こえないことにして、クレイグ様に向き合うと、クレイグ様は真っ赤な顔になっていた。

「クレイグ様?」

「…すみません。俺は、セシリア様の婚約者になりたかったんです。下心があることは否定しません。将来、貴女を妻にする、そう思っていたのですが、成人前にまさかハロルド殿下が動くとは思わず、先を越されてしまって…」

思いもしなかった告白に動けずにいる私の手をとり、クレイグ様はひざまずいた。

「セシリア様。もしも、あんな縛りの強い男がいやになったら、私がお手伝いしますから婚約を解消され、…私の婚約者に、」

「クレイグ、理事長室で担任が呼んでる。行こう」

コンラッド様がクレイグ様の首根っこを掴んでまたもや引きずるように教室を出ていく。

「コンラッド…っ」

「あのな。ここ、学園だから。告白はよそでやれ」

「殺す!離せ、イーサン!」

「ハロルド殿下は体調不良のため連れ帰りますと担任にお伝えください」

騒ぐハロルド様も引きずられていき、後には呆然とした空気だけが残った。
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