君が好き

鈴木なお

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レストラン

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「着いたよ。」

男はそう言った。

目の前には大きくて綺麗なレストランがある。

そのレストランの駐車場は広くて、外車っぽい車がいっぱい並んでいた。

「(…もしかしてここって高いレストランだったりする?)」

なんとなくそう思った。

普段、ファミレスばっかりの私にとってそのレストランは行ったことのない場所だ。

初めての場所にワクワクドキドキして気持ちとしては新鮮だった。

「ほら、行くよ。」

そう言って男は私の手をとり、レストランへと歩いていく。

この男が少しだけ強引なのってモテてきてるからだろうなと思った。

男の手に視線を向けると腕についている筋肉に目がいく。

女性のような柔らかい腕の線という感じではなく、ごつごつとした感じの線がその腕からは感じられた。

多分、鍛えているんだろう。

きっとこの男のことだからモテる為に何割か鍛えているに違いなかった。

正直、私はこの男について何も知らない。

それなのにも関らず、私は男のナンパにのってしまったのだ。

物騒な世の中なのにさすがに警戒心がなさ過ぎたと反省した。

「…ねえ。」

私がそう言うと男は立ち止まる。

「なに?」

男は不思議そうな表情を浮かべて私にそう返事した。

「あなた、名前はなんていうの?」

「カズトだよ。君は?」

「ユカリです。」

「そうなんだ。じゃあ、ユカリだね。」

そう言い終わると男は私の手をひいてグングンとレストランへ歩き出す。

どうやら私はすっかりカズトのペースにハマってしまっているらしい。

そうしてとうとうレストランの中へ入り、私とカズトは席に座っていた。

席の近くにある窓からは海が見える。

太陽の日差しが水面に反射しキラキラとしていた。

メニュー表を開くと美味しそうだけど高そうな食事が並んでいる。

ファミレスにはない料理の数々に私は驚いていた。

カズトはというと、慣れた様子でメニュー表を開き、店員を呼んでいる。

「こういうところ初めて?」

「はい。」

カズトはメニュー表を見て落ち着きのなさをなくした私に気づいていたらしい。

だけどそういう私の態度をカズトは好むようだった。

「嬉しいよ。ユカリの初めてを見れて。」

カズトはそう言うと美味しそうにドリンクを飲みほした。

男の人は女性の初めてに弱いと聞いたことがあるが、どうやらカズトにも当てはまるようだ。

てっきりモテてきた人にはあまり関係ないことだと思っていたから意外だった。

「あのさ、ユカリ。」

「はい。なんですか?」

「敬語やめて。」

「わかりました。」

「ほら、敬語だよ。」

「あ…。」

私がハッとしているとカズトはクスッと笑っていた。
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