カードワールド ―異世界カードゲーム―

イサデ isadeatu

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ラジトバウム編

8話 冒険士の仕事

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 今日の仕事はジャングルエリアで害獣(がいじゅう)モンスターの駆除(くじょ)だ。
 これを成功させればなんとか今日の食べ物にはありつける。

「なあフォッシャ。食べられるものってわかったりしないか?」

 道すがら、俺はフォッシャにたずねる。

「どういうことワヌ?」

「かんたんなクエストをこなすだけじゃ稼げるカネには限界があるだろ。食べ物をジャングルで自給自足(じきゅうじそく)したり、売れそうなものを集めたりして、カネを貯められないかなとおもって」

「なるほど……それはナイスアイデアワヌね。やってみるワヌ!」

 そうだ。カードのことだったり、気になることは俺の中でかなりある。
 だけど俺もフォッシャも、まずは衣食住をなんとかしないとな。
 ジャングルを木々を抜けて、俺たちはあたりを探す。
 リンゴかイチゴに似た木の実を見つけたので、食べられそうだと思い俺は手を伸ばしてみた。

「そ、それは猛毒だから食べちゃダメわぬ!」
 とっさにフォッシャに止められて、俺は手をひっこめた。
「これはバーナキの実っていって、一口でも食べたら一週間高熱と腹痛に襲われ続ける毒わぬ。下手したら死ぬところだったワヌよ……」
「あぶないあぶない」
「野性の勘で、フォッシャが嗅ぎ分けるワヌ」
 

--------------


 フォッシャが食べられるものを見つけてくれたおかげで、昼飯代を浮かすことができた。野生の果物も意外とイケる。

「さて……仕事の時間だな」

「フォッシャがいれば万事OKワヌ!」

 今日のターゲットは作物を荒らすスライムビートルだ。大きな幼虫のような形をしているがゼリー状の体をしている。
 今、目の前にいる3体が撃退ノルマだけど、倒せば倒したぶんだけ報酬はあがる。
 このモンスター、見方によってはキモカワなのかもしれないけど、俺的にはかなり苦手な部類の見た目だ。むかし、毛虫でひどい目にあったことがある。

 だが駆け出し冒険士の俺でも倒せるほど弱いらしいので、やるしかない。

「カードを得た俺にもう怖いものはない! いくぜ!」

 俺は召喚カードを構えてから、剣をもって突進する。

「ちょっ、エイト!?」

 俺の繰り出した斬撃をスライムビートルはひらりとかわす。
 スライムビートルは白い糸を吐いて、俺は左腕を糸に巻きつけられて一瞬動きを封じられてしまう。
 ひだり端にいたスライムビートルが俺の左腕めがけて突進してきたが、糸で押さえつけられているため小手で防御することもできずもろに体当たりをくらった。

「げふぇ!?」

 糸がほどけ、俺はくらった衝撃で後方のフォッシャのところまで転げまわった。
 め、めちゃくちゃ痛え!

 フォッシャがあわてて俺に駆け寄ってくる。

「なんでオドを使わないワヌか!? あとふつうの戦いじゃ召喚はできないワヌよ!?」

「そうなの? いてて……」

「そうなのって……め、めちゃくちゃワヌ……」

「オドってなんだ?」

「冒険士カード、使ってないわぬか? 戦いに必要な礼儀と作法を、魔法が教えてくれるんだわぬ」

「フォッシャは物知りだなぁ」

「エイトが知らなさすぎワヌ」

 俺は冒険士カードを取り出し、手に持って構えた。しかし、何も起きない。

 どうやって使えばいいのか、全くわからない。そうしてもたついている間に、スライムビートル二匹はフォッシャに攻撃を集中させ、連携した動きで追い詰めていく。

 俺がなんとか助太刀しようと前に出たとき、フォッシャが口でカードをくわえ、振りかぶって風を切る。

「トリックカード『オドファイア<火精霊の炎弾>』!」

 カードが光を放ち、真紅の炎の球が現れモンスターたちを一瞬で焼き尽くした。

 はじめて間近でみる魔法の迫力に、俺は呆然となる。

「すげーな、フォッシャ」

 賞賛(しょうさん)の言葉にフォッシャはフフンと鼻を鳴らす。

 スライムビートルは気絶していたが、やがて退散していった。
 赤のオド結晶だけがあとに残っている。 

 ピロリンと冒険士カードがクエスト達成を報せる音を発した。

「これでクエスト達成、か。フォッシャがいるだけでだいぶ仕事が楽になったよ」
「ま、当然ワヌ」
 剣をしまい、左腕でツノとオド結晶を拾おうとしたのだが、手にまったく力が入らない。

 あ、あれ?
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