23 / 169
ラジトバウム編
8話 冒険士の仕事
しおりを挟む
今日の仕事はジャングルエリアで害獣(がいじゅう)モンスターの駆除(くじょ)だ。
これを成功させればなんとか今日の食べ物にはありつける。
「なあフォッシャ。食べられるものってわかったりしないか?」
道すがら、俺はフォッシャにたずねる。
「どういうことワヌ?」
「かんたんなクエストをこなすだけじゃ稼げるカネには限界があるだろ。食べ物をジャングルで自給自足(じきゅうじそく)したり、売れそうなものを集めたりして、カネを貯められないかなとおもって」
「なるほど……それはナイスアイデアワヌね。やってみるワヌ!」
そうだ。カードのことだったり、気になることは俺の中でかなりある。
だけど俺もフォッシャも、まずは衣食住をなんとかしないとな。
ジャングルを木々を抜けて、俺たちはあたりを探す。
リンゴかイチゴに似た木の実を見つけたので、食べられそうだと思い俺は手を伸ばしてみた。
「そ、それは猛毒だから食べちゃダメわぬ!」
とっさにフォッシャに止められて、俺は手をひっこめた。
「これはバーナキの実っていって、一口でも食べたら一週間高熱と腹痛に襲われ続ける毒わぬ。下手したら死ぬところだったワヌよ……」
「あぶないあぶない」
「野性の勘で、フォッシャが嗅ぎ分けるワヌ」
--------------
フォッシャが食べられるものを見つけてくれたおかげで、昼飯代を浮かすことができた。野生の果物も意外とイケる。
「さて……仕事の時間だな」
「フォッシャがいれば万事OKワヌ!」
今日のターゲットは作物を荒らすスライムビートルだ。大きな幼虫のような形をしているがゼリー状の体をしている。
今、目の前にいる3体が撃退ノルマだけど、倒せば倒したぶんだけ報酬はあがる。
このモンスター、見方によってはキモカワなのかもしれないけど、俺的にはかなり苦手な部類の見た目だ。むかし、毛虫でひどい目にあったことがある。
だが駆け出し冒険士の俺でも倒せるほど弱いらしいので、やるしかない。
「カードを得た俺にもう怖いものはない! いくぜ!」
俺は召喚カードを構えてから、剣をもって突進する。
「ちょっ、エイト!?」
俺の繰り出した斬撃をスライムビートルはひらりとかわす。
スライムビートルは白い糸を吐いて、俺は左腕を糸に巻きつけられて一瞬動きを封じられてしまう。
ひだり端にいたスライムビートルが俺の左腕めがけて突進してきたが、糸で押さえつけられているため小手で防御することもできずもろに体当たりをくらった。
「げふぇ!?」
糸がほどけ、俺はくらった衝撃で後方のフォッシャのところまで転げまわった。
め、めちゃくちゃ痛え!
フォッシャがあわてて俺に駆け寄ってくる。
「なんでオドを使わないワヌか!? あとふつうの戦いじゃ召喚はできないワヌよ!?」
「そうなの? いてて……」
「そうなのって……め、めちゃくちゃワヌ……」
「オドってなんだ?」
「冒険士カード、使ってないわぬか? 戦いに必要な礼儀と作法を、魔法が教えてくれるんだわぬ」
「フォッシャは物知りだなぁ」
「エイトが知らなさすぎワヌ」
俺は冒険士カードを取り出し、手に持って構えた。しかし、何も起きない。
どうやって使えばいいのか、全くわからない。そうしてもたついている間に、スライムビートル二匹はフォッシャに攻撃を集中させ、連携した動きで追い詰めていく。
俺がなんとか助太刀しようと前に出たとき、フォッシャが口でカードをくわえ、振りかぶって風を切る。
「トリックカード『オドファイア<火精霊の炎弾>』!」
カードが光を放ち、真紅の炎の球が現れモンスターたちを一瞬で焼き尽くした。
はじめて間近でみる魔法の迫力に、俺は呆然となる。
「すげーな、フォッシャ」
賞賛(しょうさん)の言葉にフォッシャはフフンと鼻を鳴らす。
スライムビートルは気絶していたが、やがて退散していった。
赤のオド結晶だけがあとに残っている。
ピロリンと冒険士カードがクエスト達成を報せる音を発した。
「これでクエスト達成、か。フォッシャがいるだけでだいぶ仕事が楽になったよ」
「ま、当然ワヌ」
剣をしまい、左腕でツノとオド結晶を拾おうとしたのだが、手にまったく力が入らない。
あ、あれ?
これを成功させればなんとか今日の食べ物にはありつける。
「なあフォッシャ。食べられるものってわかったりしないか?」
道すがら、俺はフォッシャにたずねる。
「どういうことワヌ?」
「かんたんなクエストをこなすだけじゃ稼げるカネには限界があるだろ。食べ物をジャングルで自給自足(じきゅうじそく)したり、売れそうなものを集めたりして、カネを貯められないかなとおもって」
「なるほど……それはナイスアイデアワヌね。やってみるワヌ!」
そうだ。カードのことだったり、気になることは俺の中でかなりある。
だけど俺もフォッシャも、まずは衣食住をなんとかしないとな。
ジャングルを木々を抜けて、俺たちはあたりを探す。
リンゴかイチゴに似た木の実を見つけたので、食べられそうだと思い俺は手を伸ばしてみた。
「そ、それは猛毒だから食べちゃダメわぬ!」
とっさにフォッシャに止められて、俺は手をひっこめた。
「これはバーナキの実っていって、一口でも食べたら一週間高熱と腹痛に襲われ続ける毒わぬ。下手したら死ぬところだったワヌよ……」
「あぶないあぶない」
「野性の勘で、フォッシャが嗅ぎ分けるワヌ」
--------------
フォッシャが食べられるものを見つけてくれたおかげで、昼飯代を浮かすことができた。野生の果物も意外とイケる。
「さて……仕事の時間だな」
「フォッシャがいれば万事OKワヌ!」
今日のターゲットは作物を荒らすスライムビートルだ。大きな幼虫のような形をしているがゼリー状の体をしている。
今、目の前にいる3体が撃退ノルマだけど、倒せば倒したぶんだけ報酬はあがる。
このモンスター、見方によってはキモカワなのかもしれないけど、俺的にはかなり苦手な部類の見た目だ。むかし、毛虫でひどい目にあったことがある。
だが駆け出し冒険士の俺でも倒せるほど弱いらしいので、やるしかない。
「カードを得た俺にもう怖いものはない! いくぜ!」
俺は召喚カードを構えてから、剣をもって突進する。
「ちょっ、エイト!?」
俺の繰り出した斬撃をスライムビートルはひらりとかわす。
スライムビートルは白い糸を吐いて、俺は左腕を糸に巻きつけられて一瞬動きを封じられてしまう。
ひだり端にいたスライムビートルが俺の左腕めがけて突進してきたが、糸で押さえつけられているため小手で防御することもできずもろに体当たりをくらった。
「げふぇ!?」
糸がほどけ、俺はくらった衝撃で後方のフォッシャのところまで転げまわった。
め、めちゃくちゃ痛え!
フォッシャがあわてて俺に駆け寄ってくる。
「なんでオドを使わないワヌか!? あとふつうの戦いじゃ召喚はできないワヌよ!?」
「そうなの? いてて……」
「そうなのって……め、めちゃくちゃワヌ……」
「オドってなんだ?」
「冒険士カード、使ってないわぬか? 戦いに必要な礼儀と作法を、魔法が教えてくれるんだわぬ」
「フォッシャは物知りだなぁ」
「エイトが知らなさすぎワヌ」
俺は冒険士カードを取り出し、手に持って構えた。しかし、何も起きない。
どうやって使えばいいのか、全くわからない。そうしてもたついている間に、スライムビートル二匹はフォッシャに攻撃を集中させ、連携した動きで追い詰めていく。
俺がなんとか助太刀しようと前に出たとき、フォッシャが口でカードをくわえ、振りかぶって風を切る。
「トリックカード『オドファイア<火精霊の炎弾>』!」
カードが光を放ち、真紅の炎の球が現れモンスターたちを一瞬で焼き尽くした。
はじめて間近でみる魔法の迫力に、俺は呆然となる。
「すげーな、フォッシャ」
賞賛(しょうさん)の言葉にフォッシャはフフンと鼻を鳴らす。
スライムビートルは気絶していたが、やがて退散していった。
赤のオド結晶だけがあとに残っている。
ピロリンと冒険士カードがクエスト達成を報せる音を発した。
「これでクエスト達成、か。フォッシャがいるだけでだいぶ仕事が楽になったよ」
「ま、当然ワヌ」
剣をしまい、左腕でツノとオド結晶を拾おうとしたのだが、手にまったく力が入らない。
あ、あれ?
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
魔石物語 - 魔石ガチャとモンスター娘のハーレムパーティーで成り上がり -
花京院 光
ファンタジー
十五歳で成人を迎え、冒険者登録をするために魔法都市ヘルゲンに来たギルベルトは、古ぼけたマジックアイテムの専門店で『魔石ガチャ』と出会った。
魔石はモンスターが体内に魔力の結晶。魔石ガチャは魔石を投入してレバーを回すと、強力なマジックアイテムを作り出す不思議な力を持っていた。
モンスターを討伐して魔石を集めながら、ガチャの力でマジックアイテムを入手し、冒険者として成り上がる物語です。
モンスター娘とのハーレムライフ、マジックアイテム無双要素を含みます。
自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜
来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。
自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。
「お前は俺の番だ」
番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。
一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。
執着と守護。すれ違いと絆。
――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。
甘さ控えめ、でも確かに溺愛。
異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる