103 / 169
王総御前試合編
30
しおりを挟む
まずはおためしということで、坂道ダッシュを一本やってみるということになった。フォッシャと一緒に、なかなか傾斜のきびしい緑豊かな道をひた走る。
空気はうまいが、呼吸はつらい。なんで魔法があるのに体力トレーニングをするんだ。わけがわからない。
坂の上で待っているローグたちのところに、なんとか到達したころには息が切れていた。ジャングルででの経験がなかったら、ぶっ倒れていたところだ。
裏山のこの高いところからは、海がよく見える。
ハイロが手渡してくれた水筒の水を飲みながら、俺は疑問を口にする。
「本当にこれってカードの特訓なのか……?」
「そうね。逆境に強いってスキルを持っているなら……もしかしたら痛めつけたら痛めつけたぶんだけ成長するのかしら?」
物騒なローグの発言に、俺は思わず飲み物をのどにつまらせそうになりむせる。
「その発想怖いんだけど!?」
「ごめんなさい、言い方が悪かったわね。死地に近づくほど強くなる……もしそうなら私、うってつけのトレーニングが思いつきそうだわぁ。これっていい先生になりそうじゃない?」
「いや勘弁してください……」
「ここからは別メニューね。エイト、あなたは5キロの遠泳(えんえい)をやることになってるわぁ」
「遠泳ってなに……? およぐの? 海を?」
「ええ。海が見えるでしょ」
「見えるからなんだよッ……!? カードと関係ある……その修行!?」
「す、スタミナはカードゲーマーには大切な要素です」
初耳だよ……まあハイロまでいうなら仕方ない。
「みんなを呪いのカードから守るためとはいえ……、き、キツすぎるワヌ……」
そう言うフォッシャは本当にキツそうに、仰向けになって倒れている。
「あ、こうしたらどうでしょうか」
パッ、とハイロが手をたたいて、
「トレーニングを達成したら、カードのパックひとつ買えるって報酬を決めておくんです。フォッシャちゃんなら、ごちそういっぱい食べれる、とか」
「おお! やる気でてきたワヌ!」
「それいいわね」
クッ。エサで釣ろうっていうのか。
「まあ固いパックなら……やってもいいかな」
釣られるんですけどね。
その日はハイロの家で姉妹が手作りのごちそうをふるまってくれた。ハイロの両親ともいい人で、気さくに話しかけてくれた。
「君がハイロのボーイフレンドかい?」
父親がいきなりそんなことを聞いてきたので、思わず俺は食べていた白飯を噴出しそうになった。ミジルがものすごい形相で俺をにらんでくる。
「お、お父さん!?」
と、ハイロは困ったふうにあわてていた。
「あれ、ちがうっけ。手紙ですごい男の子のカードゲーマーがいるっていつも言ってたからてっきり……」
「もう……私たちはまじめにやってるんですから、茶化さないでください」
ハイロがあまり言及するな、という感じの風だったので、その場はそれで終わった。が、あとで父親とすれちがった時に「こんど詳しく教えてね。娘をよろしくね」と小さな声で頼まれた。
トレーニングは翌日から本格的にはじまった。俺だけ別室なので(さみしくないようにとフォッシャがテネレモを召喚してくれた)、俺のだいたいの一日はまず部屋の掃除からはじまり次にカードの研究会をローグ主導のもと行い、その後はミジルと歴史の勉強をおこなってから体力トレーニングという感じだった。
まあミジルとはあいかわらず勉強というより喧嘩みたいな時間を過ごすことになるのだが、意外にも歴史の勉強自体はさほど苦ではなかった。特に種族やカードの歴史を学ぶのはけっこうな参考になる。カードゲームに役立てそうだ。
きついのは体力づくりのほうだった。身体的によりも、モチベーションがもたない。体をつくってカードゲームに挑むなんて話はきいたことがない。それよりカードの勉強をしたほうがいいんじゃないかという思いが、俺の心をにぶらせる。
坂道トレーニングを終え、大の字になって地面に寝転がっていると、それを見ていたミジルがため息まじりに言った。
「そんな情けない姿さらしておいて、よくカードの大会で勝つつもりでいるわよね」
ミジルは本来監視の役割でここにいるわけではない。彼女に特にそういう役目はないはずだ。つまりまだ、俺のことをハイロのチームの一員として認めないてないってことなんだろうか。
別にサボるつもりもないが、ミジルがいるおかげで手抜きはできない。
「……たしかにな……俺はてんで大したことないやつだよ。だから……」
俺は起き上がって、
「ハイロは必要な存在だ。あいつなしじゃ……無理なんだ。御前試合に優勝するのは」
そう。勝ちたいという思いの強さは、選手を育てる糧(かて)になる。ハイロは大会までにもっと伸びているだろう。彼女の力が大会の結果を左右することになるかもしれない。そういう意味では俺たちのチームのエースはハイロだ。果たして今の俺に、カードで誰にも負けたくないというあの頃の強い気持ちはあるのか。
いまごろフォッシャたちも別メニューの特訓に勤(いそ)しんでいるのだろうか。彼女たちの熱意にはおどろかされる。俺はただ、カードで誰かが悲しむのをみたくないから、どうにかこうしてがんばれている。
ゼルクフギアに立ち向かったときもそうだった。かつて自分があこがれた『暁の冒険者』のようにどんな逆境でも跳ね返したいと思った。
だけどフォッシャたちは本気で人々を守りたいって考えて動いている。フォッシャはカードの知識がなかったのにずいぶんカードゲームもできるようになった。自分のためだけではなく、誰かのためにもがんばれている。
カードが楽しいからという理由だけで人生を生きてきたような俺にとって、彼女たちが持つあの本物の正義感には、尊敬の念を抱かずにはいられない。
フォッシャたちはいつも、たのしそうにカードゲームの勉強会をやっている。ただ楽しいというだけではなにかを勝ち取るための強さは生まれてこない。だがフォッシャたちは守るためにがんばるという意志もあわせ持っている。あいつらなら本当になにか成し遂げてくれるかもしれないという期待を、もたせてくれる。
トレーニングはつらく厳しいが、あんなにカードをがんばってる人たちがいるのに、俺だけ手を抜くわけにいかない。
今だけじゃなく、ラジトバウムで目覚めてからずっと、元カードゲーマーとしての意地だけが俺をつき動かしているような気がする。
浜辺へときた。熱い日差しと澄んだ海があるだけで、ほかに人の姿はない。水着になって、泳ぐ準備をする。
屈伸をしたとき、そのまま地面に手をつき、うなだれた。
「なんでだよ……」
どうしてきれいな海がちかいのに水着の女の子がいないのだろう。ハイロの故郷には海があるときいてすこし期待した自分がバカだった。
フォッシャに呆れつつ俺も内心ちょっとなにかあるんじゃないかって思ってたら、待ってたのは過酷なトレーニングだけだったよ……ちくしょう。
こんなくだらないことで真剣に落ち込んでいる自分が情けないのだが、どうにもならない。
というか、気づかれてないつもりなのかもしれないが、俺が海にくるといつもミジルが陰でこそこそ監視してるんだよな。わけのわからんやつだ。もしかしたら俺が溺れないように見張るようだれかに言われたのかもしれない。
ポン、と背中をテネレモにたたかれて振り返る。海に集中しろ、という風にテネレモは顔をそちらのほうに向けた。
「……そうだな。海をなめたらいけないって言うもんな。もし俺がおぼれたら、たすけてくれよな。行こうぜ、テネレモ」
空気はうまいが、呼吸はつらい。なんで魔法があるのに体力トレーニングをするんだ。わけがわからない。
坂の上で待っているローグたちのところに、なんとか到達したころには息が切れていた。ジャングルででの経験がなかったら、ぶっ倒れていたところだ。
裏山のこの高いところからは、海がよく見える。
ハイロが手渡してくれた水筒の水を飲みながら、俺は疑問を口にする。
「本当にこれってカードの特訓なのか……?」
「そうね。逆境に強いってスキルを持っているなら……もしかしたら痛めつけたら痛めつけたぶんだけ成長するのかしら?」
物騒なローグの発言に、俺は思わず飲み物をのどにつまらせそうになりむせる。
「その発想怖いんだけど!?」
「ごめんなさい、言い方が悪かったわね。死地に近づくほど強くなる……もしそうなら私、うってつけのトレーニングが思いつきそうだわぁ。これっていい先生になりそうじゃない?」
「いや勘弁してください……」
「ここからは別メニューね。エイト、あなたは5キロの遠泳(えんえい)をやることになってるわぁ」
「遠泳ってなに……? およぐの? 海を?」
「ええ。海が見えるでしょ」
「見えるからなんだよッ……!? カードと関係ある……その修行!?」
「す、スタミナはカードゲーマーには大切な要素です」
初耳だよ……まあハイロまでいうなら仕方ない。
「みんなを呪いのカードから守るためとはいえ……、き、キツすぎるワヌ……」
そう言うフォッシャは本当にキツそうに、仰向けになって倒れている。
「あ、こうしたらどうでしょうか」
パッ、とハイロが手をたたいて、
「トレーニングを達成したら、カードのパックひとつ買えるって報酬を決めておくんです。フォッシャちゃんなら、ごちそういっぱい食べれる、とか」
「おお! やる気でてきたワヌ!」
「それいいわね」
クッ。エサで釣ろうっていうのか。
「まあ固いパックなら……やってもいいかな」
釣られるんですけどね。
その日はハイロの家で姉妹が手作りのごちそうをふるまってくれた。ハイロの両親ともいい人で、気さくに話しかけてくれた。
「君がハイロのボーイフレンドかい?」
父親がいきなりそんなことを聞いてきたので、思わず俺は食べていた白飯を噴出しそうになった。ミジルがものすごい形相で俺をにらんでくる。
「お、お父さん!?」
と、ハイロは困ったふうにあわてていた。
「あれ、ちがうっけ。手紙ですごい男の子のカードゲーマーがいるっていつも言ってたからてっきり……」
「もう……私たちはまじめにやってるんですから、茶化さないでください」
ハイロがあまり言及するな、という感じの風だったので、その場はそれで終わった。が、あとで父親とすれちがった時に「こんど詳しく教えてね。娘をよろしくね」と小さな声で頼まれた。
トレーニングは翌日から本格的にはじまった。俺だけ別室なので(さみしくないようにとフォッシャがテネレモを召喚してくれた)、俺のだいたいの一日はまず部屋の掃除からはじまり次にカードの研究会をローグ主導のもと行い、その後はミジルと歴史の勉強をおこなってから体力トレーニングという感じだった。
まあミジルとはあいかわらず勉強というより喧嘩みたいな時間を過ごすことになるのだが、意外にも歴史の勉強自体はさほど苦ではなかった。特に種族やカードの歴史を学ぶのはけっこうな参考になる。カードゲームに役立てそうだ。
きついのは体力づくりのほうだった。身体的によりも、モチベーションがもたない。体をつくってカードゲームに挑むなんて話はきいたことがない。それよりカードの勉強をしたほうがいいんじゃないかという思いが、俺の心をにぶらせる。
坂道トレーニングを終え、大の字になって地面に寝転がっていると、それを見ていたミジルがため息まじりに言った。
「そんな情けない姿さらしておいて、よくカードの大会で勝つつもりでいるわよね」
ミジルは本来監視の役割でここにいるわけではない。彼女に特にそういう役目はないはずだ。つまりまだ、俺のことをハイロのチームの一員として認めないてないってことなんだろうか。
別にサボるつもりもないが、ミジルがいるおかげで手抜きはできない。
「……たしかにな……俺はてんで大したことないやつだよ。だから……」
俺は起き上がって、
「ハイロは必要な存在だ。あいつなしじゃ……無理なんだ。御前試合に優勝するのは」
そう。勝ちたいという思いの強さは、選手を育てる糧(かて)になる。ハイロは大会までにもっと伸びているだろう。彼女の力が大会の結果を左右することになるかもしれない。そういう意味では俺たちのチームのエースはハイロだ。果たして今の俺に、カードで誰にも負けたくないというあの頃の強い気持ちはあるのか。
いまごろフォッシャたちも別メニューの特訓に勤(いそ)しんでいるのだろうか。彼女たちの熱意にはおどろかされる。俺はただ、カードで誰かが悲しむのをみたくないから、どうにかこうしてがんばれている。
ゼルクフギアに立ち向かったときもそうだった。かつて自分があこがれた『暁の冒険者』のようにどんな逆境でも跳ね返したいと思った。
だけどフォッシャたちは本気で人々を守りたいって考えて動いている。フォッシャはカードの知識がなかったのにずいぶんカードゲームもできるようになった。自分のためだけではなく、誰かのためにもがんばれている。
カードが楽しいからという理由だけで人生を生きてきたような俺にとって、彼女たちが持つあの本物の正義感には、尊敬の念を抱かずにはいられない。
フォッシャたちはいつも、たのしそうにカードゲームの勉強会をやっている。ただ楽しいというだけではなにかを勝ち取るための強さは生まれてこない。だがフォッシャたちは守るためにがんばるという意志もあわせ持っている。あいつらなら本当になにか成し遂げてくれるかもしれないという期待を、もたせてくれる。
トレーニングはつらく厳しいが、あんなにカードをがんばってる人たちがいるのに、俺だけ手を抜くわけにいかない。
今だけじゃなく、ラジトバウムで目覚めてからずっと、元カードゲーマーとしての意地だけが俺をつき動かしているような気がする。
浜辺へときた。熱い日差しと澄んだ海があるだけで、ほかに人の姿はない。水着になって、泳ぐ準備をする。
屈伸をしたとき、そのまま地面に手をつき、うなだれた。
「なんでだよ……」
どうしてきれいな海がちかいのに水着の女の子がいないのだろう。ハイロの故郷には海があるときいてすこし期待した自分がバカだった。
フォッシャに呆れつつ俺も内心ちょっとなにかあるんじゃないかって思ってたら、待ってたのは過酷なトレーニングだけだったよ……ちくしょう。
こんなくだらないことで真剣に落ち込んでいる自分が情けないのだが、どうにもならない。
というか、気づかれてないつもりなのかもしれないが、俺が海にくるといつもミジルが陰でこそこそ監視してるんだよな。わけのわからんやつだ。もしかしたら俺が溺れないように見張るようだれかに言われたのかもしれない。
ポン、と背中をテネレモにたたかれて振り返る。海に集中しろ、という風にテネレモは顔をそちらのほうに向けた。
「……そうだな。海をなめたらいけないって言うもんな。もし俺がおぼれたら、たすけてくれよな。行こうぜ、テネレモ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる