過去に戻るインスタッレ(完結)

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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13) 時間を越えて

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空気が波のように身体を包んで揺れる



揺れが収まるともやが晴れたように視界が鮮明になった



近くのコンビニで買った新聞の日付は、ちょうど一年後の日時を示している



数冊の週刊誌と新聞を買い求めて、再び時間を越えて戻ってきた



信じられないことだが
時間を越えたのは事実らしい



「時間を越えられることがわかったでしょ。私の兄は公園のブランコ事件の被害者よ」



この近くの公園ですよね
あの兄妹の妹さん……



「そうよ。奈利子よ。その私が、この時代には私はまだ小学生だけどね、学校帰りにお小遣いを持って訪ねてくるのよ」



はあ……



「昔、あなたはわたしに犯人は警察が必ず捕まえると言ったのよ。でも、犯人は捕まらなかった。だから私は自分で犯人捜しを始めたの。そのせいで酷い目に遭った。その責任はあなたにもある。あなたが、警察が捕まえるなんて嘘八百を並べたからよ。当時は子供だったけど、今や騙されないこんな大人になりました。それでね、人生をやり直したくて来たの」



人生をやり直す……



「まあ、軌道修正ってとこかな。犯人が捕まれば私の人生も変わるわよね。どう、私の人生にもたらした災厄の責任、取れるでしょ」



時間を越えられることは
分かったけれど
実際にはどうしろと



「私が越えられる時間は過去十年までが限度。今日までよ。でも、あなたは今の時点から過去十年前まで戻れるの。あなたなら一年前の事件の犯人を突き止められる。今から小学時代の私が来るとして……」



私はこれから二人目の客を迎える
小学生の奈利子さんを



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