中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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2 波流はどうしたいの

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チョコちゃんが帰った後、僕はすっかり面白くない顔つきになったみたいな、強張る頬をどうにもできなくて、キッチンのテーブルを挟んで両親の前に座らされた。

「波流、化粧が似合うね」

チョコちゃん化粧上手いからね。お母さんよりも上手い。でも、仏頂面は固まったまま。

「今はヘアピースを返したから、そんなでもないかも」

お父さんは腕組みしている。

「お前、一体どうしたいんだ。男のくせに化粧なんかして、このあとどうなるつもりだ」

どうなる……

「どうなるって……考えていないよ」

「考えていないのか」

疑るような目付き。

「お父さんは波流のことを心配して、話し合いたいのに、お前は何も言うことはないのか」

心配って、勝手に心配しないで。

「化粧しても、僕は僕だから。中身は何も変わっていないよ。お父さんは考えすぎだ。僕が男らしく育たないかもっていらん心配しているんだよね」

「いらん心配……化粧して女の子みたいなスカーフ巻いてきゃっきゃきゃっきゃ何しているんだ。心配するのは当然だ」

「大丈夫だよ。僕はニューハーフじゃないから」

「ニューハーフって」

お母さんも狼狽えすぎ。

「じゃないから、安心して。心配なんだよね、僕がニューハーフになるんじゃないかって」

「そ、そうなのか。波流……正直に言いなさい。波流は本当はどうしたいのだ」

お父さん、いい加減に信じて。

「僕は普通にお化粧を楽しんだだけだよ。変身願望を満たしただけ。そこら辺の女子よりも変身した僕自身が僕の好みだよ。どう、お父さんもお母さんも今の僕を見たら、僕の気持ちが理解できるんじゃない」

「そ、そんなことは理解できない。確かに、波流とは思えないくらい変わったが、男が化粧して女の子よりも可愛いかったら問題だろう」

「何が。何が問題なの」

「お前を見て変に思う男がいたらどうするんだ」

急にMM先輩の顔が浮かぶ。
ううっ。
トラウマぶり返す。
止めて……





---

Episode 2 — The Confrontation

After Choco left, my face must have soured completely.
I couldn’t loosen my stiff cheeks as I sat at the kitchen table, across from my parents.

“...Haru, makeup suits you.”
Dad’s voice was low, careful.

Well, Choco is good at makeup. Better than Mom, honestly.
Still, my frown stayed frozen in place.

“Not so much now,” I muttered. “I gave the hairpiece back.”

Dad crossed his arms. His eyes were sharp.
“What are you trying to do, exactly? You’re a boy. Why wear makeup? Where is this going to lead?”

Where is this going…?
I hadn’t thought that far.

“I… I don’t know,” I said honestly.

“You don’t know?” Dad’s stare hardened. “I’m worried about you, Haru. Trying to talk to you. And you’ve got nothing to say?”

Worried? Don’t dump your worries on me.

“Even if I wear makeup, I’m still me,” I shot back. “Nothing inside has changed. You’re overthinking it, Dad. You’re just scared I won’t grow up ‘manly’ enough, right?”

“Overthinking?!” He slammed the table lightly. “You go out wearing a scarf like some girl, giggling and posing for photos—and I’m not supposed to worry?!”

“I told you, I’m fine. I’m not a new-half.”

Mom flinched at the word. “A… what?”

“New-half—you know, a man who lives as a woman. I’m not that, so relax.”

Mom pressed a hand to her chest. “Oh thank goodness…”

But Dad leaned forward. “Then tell me the truth. What do you really want, Haru?”

Trust me already.

“I just wanted to enjoy it. That’s all. Makeup, the transformation—it was fun. More than fun, actually. I liked seeing myself that way. Honestly, I looked better than half the girls at school. You saw it, right? Didn’t you feel it, even for a second?”

“That’s exactly what I don’t understand!” Dad snapped. “It did change you. You didn’t even look like my son. If boys are prettier than girls, that’s a problem!”

“What problem? Where’s the problem in that?”

“The problem is—what if some man looks at you… the wrong way?”

Suddenly, MM-senpai’s face flashed in my mind.
My stomach lurched. The memory struck like lightning.

Stop… don’t bring that up again…


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