中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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17 怖いメール

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「折角、波流が学校に行くと言ってくれたのに、コマルナ休校か。コマルなぁ」

新聞を畳ながらお父さんが呟いた。

「行くと言っても今すぐではないし」

僕はトーストにバターを塗る。

「あら、五月六日までだって、コマルナ休校。良いくらいじゃない。みんな、波流が不登校だったことなんか忘れているわよ」

お母さんがお皿に焼きたての双子目玉焼きを乗せてくれた。うちでは双子目玉焼きが定番だ。

「お前、着眼点が良いぞ」

お父さんが素直にお母さんを褒める。チョコちゃんと知り合ってから激動の数日間が過ぎて、お父さんとお母さんに変化が起きた。小春日和の暖かな雰囲気が醸し出されて、我が家は平和そのものだ。

チョコちゃんママも竜巻ママではなかった。チョコちゃんママが来たことで、僕は、大人たちの前で正直に話すことができてほっとしたし、チョコちゃんとの交際も庭限定でお墨付きをもらった。

問題は、チョコちゃんだ。

(ふふふ、いつか押し倒して闇の側に引きずり込むかも……)

というメールがきた。

(何故、闇の側なの)

(光は眩しいからさ、闇の方が安住できるのは、お母さんのお腹の中と同じような感覚だってさ)

(子宮懐古かな、それは)

(難しい言葉を使うな、無作法者)

(どうして子宮懐古なの)

(お母さんの愛情に飢えていた可能性あり)

(チョコちゃんのお母さんは、チョコちゃんのことをちゃんと大切に思っていると言ったじゃない)

(だからよ。驚いたさ。嬉しかったけどさ、お金をくれてどっかに行った)

(はぁあ……どこに)

(わからない。私は暫く独りで暮らさなければならないから暇だけど、波流君、うちに呼んだら多分お母さんにまた疑われるさあね)

(僕は引きこもりだけど)

(だけど何)

(いや、引きこもりだから外には出ないよ)

(あはは、押し倒さないから来れば良いのに)

(また、おかしなことを言う)

(お母さんがコマルナ入院してたら怖い)
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