中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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18 初めてだ

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僕は青くなった。

もしもチョコちゃんママがコマルナ感染者だったら僕も家族も感染の可能性はある。特に、僕は……そしたらチョコちゃんはもっと早くに……大変だ。

(チョコちゃん、病院で検査してもらおうか)

僕も行く。

(宮古島では検査できないんでしょ)

あ、そうだったっけ。

(どうかな、検索したことがあるんだけど、宮古島市保健所では今のところ島内感染者は確認されていない、という記事があったよ。検査しているかどうかはわからない)

こんなあやふやなことでごめん。

(それ、チョコも読んだ。九日の記事だ。あれから自衛隊の人が熊本に帰って感染していることがわかったって、宮古島で接触した人四人を隔離したんだって)

(それ、僕も読んだよ。大丈夫だったんだよね。もしも感染していたら、宮古島市はコマルナで殲滅させられる)

メール文うちながら青くなる。

(私、何だか熱が出そう)

まさか……

(大丈夫か。暖かくして、のど痛かったら大変だ)

(のど飴ある。コーヒーのど飴)

おバカ。

(のど飴舐めてもコマルナ菌やっつけられないんじゃない。もしもならカテキンのど飴だよ。カテキンって除菌力あるって言うけど、コマルナに効けば良いな)

(買いに行く)

(駄目だよ。不要不急の外出は。特に熱があるなら)

チョコちゃんが大変だ。

折角仲良くなって、しかも運動会の障害物競争みたいに頑張って交際を認めてもらった仲なんだ。なんだかとても特別な友達のような気がする。いや、そうだよ。特別なんだ。

(僕が行くよ、チョコちゃん家に。家は何処)

(ひえー、嬉しい。地獄でホトケとかキリスト降臨じゃああああ。私のご自宅はマルパナリアパートの一階二号室でございます)

暗い顔のチョコちゃんだけど、大袈裟。

(食べるものある)

(ご飯炊ける。カレーと缶詰と金ちゃんヌードルがある。大丈夫みたい)

(熱計ってみて)

(わかった。波流君頼りになる)

初めてだ。
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