中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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31 信用と信頼

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「あんたも煽っているじゃない。あの子は凄く喜んでいるし、このまま続けたらどうなることか……」

お母さんはテーブルの向かいに座った。

「どうもならない。関心がないとは言わないけど、乗り越えなくちゃあならない問題があるから、女の子に手は出せないよ。簡単じゃないから」

うっかりMM先輩トラウマ自覚。ティッシュで唇を拭う。

なるべく淡々と話したつもりだけど、お母さんは暗くなってため息を吐く。

「はぁぁ……あんたが手に血豆作るほど素振りしていた時も思ったけれど、没頭するのはほどほどにね。チョコちゃんとはごっこ遊びのままにしてね」

「うん。チョコちゃん自身が男の恋人はいらないんだってさ」

「はあぁあ……だからレズビアンなわけ。あはは」

脱力したまま笑う。

「れずびあんになりたい相手が男の子って由々しき問題らしいよ。ははは」

「波流、笑いごとで済ませてよ。もし、チョコちゃんを好きになっても、勝手に突っ走らないでよ。お母さんは、波流が正直にメール見せてくれたりするから信用できる。隠し事するようになったら信頼できなくなる。それが大人の感覚だからね。だって、子供だと思っていたら大人になりかけているって、お母さんもお父さんも波流が初めての経験だから……手探りなの。初めて直面する問題で、私たちの時代とは違うから、コミュニケーションをきちんと取りながら波流が大人になるのを応援したいと思う」

家の中のことをしっかりやっていながらどこかユルいキャラなのがお母さんの日頃のイメージだけど、僕を必要以上に子供扱いしないでゆっくり話そうとする処は僕も信頼している。

昔からお母さんは僕を第一にしてくれたけど、お母さんひとりで大変なことは「大人でも大変だから」と、手伝うように仕向けるのが上手かった。

親だから子供のことをすべて知っている、なんて言わない。独立した人格を認められているような気分だ。
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