中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

50 何処が好きなの

性欲の目覚めた先輩が僕に勃起したのは、僕が男を狂わせたとかああああ……

マジで怖い。

性欲の目覚めたMM先輩が嫌で不登校になったのだから、知っていたといえば知っていたはずだ。


でも、MM先輩ひとりの罪ではない。僕は子供の頃から人に見られるのが嫌だった。


化粧男子になりたくて……

だからチョコちゃんと友達になった。趣味が化粧と聞いた途端にウェルカムだ。

今ではハグの為に国を裏切り、ロミオとジュリエットみたいに隠れてハグしあって離れられなくなって……


それが性欲の目覚めなら、僕はチョコちゃんを狙っている。

待て……

確実に手に入れられるからか……

何だか気持ち悪い。


MM先輩と同じではない点は、僕もチョコちゃんも互いに「スキップとすき焼き」の関係だということかな。

ふふ……「スキップとすき焼き」は二人の隠語だ。

他人にはわからない。

他人……

他人だって……

チョコちゃんの身体が何に反応したかわかった。

僕の横でうんこ座りしていたとき、チョコちゃんに『他人にはわからない、僕たち二人の間のことは』と言ったら、チョコちゃんの肩が揺れた。

ふふ……もう一回言ってみよう。


ほら、僕は確実にチョコちゃんを追い詰めている。
ハグしあって「スキップとすき焼き」と囁きあっても、更に更にと深追いしている。


カリナちゃんが顔を見せた。マスクがピンク色の薄い花柄。可愛い。

「波流君、草むしりするんだ」

コーラの缶を突きだしてくる。

「有り難う」

僕はチョコちゃん妄想でにやけた顔をしていたから、カリナちゃんに思わず優しい目をしていたみたいだ。

「ふふ、前から少し話してみたかったから」

「ふうん。クラスになったことあったっけ」

「ないけど」

「だよね」

こんな可愛い子とクラスになったら、絶対覚えているはずなんだ。カリナちゃんは草の上に膝ま付きして、膝を揃えている。

「波流君は本当に音理のことが好きなの。何処が好きなの」