中学生溺愛王子はお化粧男子 777文字小説

藤森馨髏 (ふじもりけいろ)

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101 君は何者だ

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「お母さんが喜んでも、あいつは変な奴だからな。何を喜んでいるのかお父さんには知る由もないけれどもだな、お父さんはこんなところで中学生がデート……デートだよな」


話しの途中でチョコちゃんと僕にデートだという確証を求める。


「デートなの」


普段は暗い顔つきのチョコちゃんが、目を輝かせて明るい笑顔で僕に尋ねる。


「え、デートじゃないの」


僕は面食らった。

さっき、カレシって認定されたばかりだけど、二人だけでジョイフラに来たら、デートかもじゃないのか。


「きゃああああ、お父さん、デートだって」


僕は慌てた。


「プチデート。プチデート」

「うん。デートだな。プチだろうがなんだろうが、デートして、なんだ、その、あれだ、そうだ、抱き合うなどとは許さん」


チョコちゃんのお父さんはかなり混乱している。


「お母さん認定だもん。お父さんが反対しても」

「お母さんが認定。いくらお母さんが変人でもあり得ん」

「じゃあこれを見てよ」


チョコちゃんはスマホを取り出す。


「あ、それは……」

「うん。見てもらおう。お父さん、これ、昨日、家でお母さんが撮影してくれたもの。動画もある」


チョコちゃんは二人でハグしている画像を見せた。

チョコちゃんのお父さん、チョコちゃんパパは驚いて、僕の顔と画像を見比べている。


「君はあれかね、その……言いにくいけど、ホモ男君とかゲイ子ちゃんとかいうやつかね」


急に声のトーンが低くなって、チョコちゃんパパが周りに気を遣っているのがわかる。

分かりやすい相手だ。


「いいえ。僕はチョコちゃんと知り合ってから化粧男子になっただけです」

「あれか。ニューハーフか」

「ちょっと違うよ、お父さん」

「だいぶ違います」

「波流君は音理のれずびあんの相手だよ」

「レ、レズビアンってあの女同士で……」


チョコちゃんパパは完全に娘に翻弄されている。


「君は男だよな。その、少し男らしくない顔つきをしているだけで」
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