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第二十三章
(1)ノアちゃんとラーポは
しおりを挟む「いいか、ラーポ。こちらはリンジャンゲルハルト帝国から拐ってきた金持ちの子供だ。名前はノアちゃんと言う。ノアちゃん、この国でリンジャンゲルハルトの話をしたら殺されるかもしれないから、黙っているんだぞ」
ガーネットは自宅の門前で二人に語った。
「ケコッ(何だとぉ)……」
ノアルは叫び疲れてぐったりしている。ラーポは背中をど突かれた痛みもまだ取れないのに両手を後ろ手に縛られて身動きが取れない。
「痛たたた……いきなり酷いことして謝りもせずに何よ、偉そうに」
長いポーチの途中に噴水が見える。小ぶりのお城のような邸宅だ。
「私は将軍だからな。偉いんだ。今、ここでお前ら二人を敵国のアサシンとして斬って捨てても罪にはならない。戦争中だからな。武勲のひとつだ。わっはっは」
「くそっ。忌々しい。忌々しいけど、わかった。その木偶人形ノアちゃんは金持ちの子供で、どうして拐ってきたのかは……」
「虐待されていたんだ。だからノアちゃんは性格が歪んでいる。お前が面倒を見てくれ」
人を後ろ手に縛っておきながら何を言うかと、ラーポはガーネットを睨み付けた。
ガーネットはラーポとノアルを抱き抱えて軽く飛ぶ。ラーポと同じようにドラゴルーンに関係しているが、鱗の相乗効果もあって殆ど一瞬で玄関さきに降り立った。
「お帰りなさいませ」
使用人が二人、ガーネットを迎えた。
子供を抱き抱えて縄を打った少女を牽引している姿に、使用人たちも驚いた。
「ガーネット様、この者たちは如何致しましたか」
「母上にお土産だ。何処にいる」
「先ほどお夕食を済まされて今はもうお休みの準備をなさっているものと」
「そうか」
ガーネットは邸宅の中をずんずん進んでひとつのドアをノックした。返事とともにドアが開いて小間使いが腰を折り曲げる。
「お帰りなさいませ、ガーネット様」
奥から声がした。
「ガーネットですって、まあ……」
部屋に入るとガウン姿が走りよってきた。
サディも一緒だ。
余程気が合うのか、二人は母娘のように時間を共有している。
「ガーネット様……」
二人の視線がガーネットの抱えている子供と青い髪の毛の少女に留まる。
「リンジャンゲルハルト帝国からのお土産だ。ノアちゃんとラーポ。可愛がってやって」
「まああ、可愛い」
母親はノアルに腕を伸ばして軽々と抱っこした。サディはラーポの肩に腕を回す。二人とも玩具をゲットしたようにはしゃいでキスの雨を降らせた。
「ゲコッ、ゲココココ」
ノアルは身を捩って喜んでいる。ラーポに至ってはリンジョネルラのことを忘れてサディの舌の絶妙な動きに気をとられて目を白黒させながら濃厚接触の真っ最中だ。
「ラーポ、お前、浮気者だな。サディ、こいつはリンジョネルラ王女の恋人だ」
ノアルが目を剥く。
ゲコッ、ゲコゲコッ、ピーーーッ……
蛙の鳴き声を響かせてノアルの喉から蒸気機関車が走る。
(お前、ラーポと言ったか。私の娘リンジョネルラの恋人だとぉぉ。異世界の娘か。レズは構わんが私に内緒で娘に手を出すとはっ、許さああああんっ)
リンジャンゲルハルト帝国はLGBTの国。ノアルもレズビアンくらいでは動じない。ただ、女帝の威厳を踏みつけにされたように感じた。
「お前の好きなように弄んでも良いぞ」
ガーネットは黒眼帯の片目でニヤリと嗤う。
「ゲコッ」(いたぶってやれ)
縄で縛られて身動きの取れないラーポはいきなり濃厚なキスをされて、既に胸も揉まれている。
「ううっ……」
「可愛いオモチャ……ふふ、ガーネット様の身代わりにして遊びます」
サディはラーポの縄を解く気はない。
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