公爵令嬢の波瀾万丈な逃亡ライフ

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第2章

第76話 家出令嬢、サーカス団と共に王都へ!?

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1. 団長からの発表――次の目的地は……?

 
(今日も最高のショーだった……!!)

 クロエは楽屋の簡易ベッドに倒れ込むように横になり、息を整えていた。

(もうすっかりこの生活にも慣れたな……)

 最初は強制的に始まったサーカスの芸だったが、今ではすっかり「蛇芸人・クロエ」としての実力を確立し、観客たちからも絶大な人気を得ていた。

(でも……ちょっとマンネリ気味かな? そろそろ新しい技を考えないと……)

 そんなことを考えていた時――

「お前たち!! ついに次の大舞台が決まったぞ!!」

 団長が楽屋の扉を勢いよく開け、満面の笑みで団員たちに告げた。

「次の興行先は――」

 団員たちが息をのむ。

「王都・ルクセンベルクだ!!」

クロエ:「――!!???」

(ま、待って!? ルクセンベルクって……私の故郷じゃん!!!)

2. クロエ、動揺が止まらない

 
(やばいやばいやばいやばい!!!!)

 クロエは心の中で大絶叫。

(王都に行くなんて聞いてない!! 私、家出してきた令嬢なのに!!)

 団員たちは歓声を上げ、盛り上がっている。

「ついに王都かぁ!!」

「これは一大公演になりそうだな!!」

「国王陛下や貴族たちの前で芸を披露できるかもしれないぞ!!」

(いやいやいや!! 王族どころか、私、家族に捜索されてるのに!!)

 クロエの実家であるハートフィリア公爵家は、王都ルクセンベルクで名高い貴族の一つ。

 正式に指名手配されているわけではないが、「家出令嬢」として、王都ではそれなりに噂になっているはずだった。

(この1ヶ月、ずっと獣人化してたし……髪も伸びてるし、日焼けもしてるし……)

(……でも、バレないって保証はない……!!)

3. 「伝説の蛇芸人」クロエ、王都へ……!?

 
 団長は満足げにクロエの肩を叩いた。

「クロエ、お前はうちのエースだ!!」

「王都での公演では、お前の蛇芸がメインだぞ!!」

クロエ:「えぇぇぇぇ!?!?!?」

(やばい!! 目立ちたくないのに、メインパフォーマー!?)

 団員たちはクロエの肩をポンポン叩きながら笑う。

「クロエの芸なら、絶対に王都の貴族たちも驚くさ!!」

「もしかしたら、王族に招待されるかもな!!」

「これは伝説の公演になりそうだ!!」

(伝説になっちゃダメぇぇぇぇ!!!!)

 しかし――

 クロエの心の中に、ほんの少しだけ奇妙な感情が芽生えていた。

(……でも)

(もし王都で私のことを覚えてる人がいたら……どんな顔をするんだろう……?)

(それに……)

(もう、貴族に戻るつもりはないけど……家族のことは……気になる……)

4. ついに王都へ……!?

 
(いやいや、それよりまずはバレないようにしないと!!)

 クロエは必死に冷静になろうとする。

(私はただのサーカス団員……!)

(“蛇芸人・クロエ”として王都でショーをするだけ……!!)

 そう自分に言い聞かせた瞬間――

「よし!! 明日、王都ルクセンベルクへ向けて出発する!!」

(――はぁぁぁぁぁ!?!?!? 明日ぁぁぁぁ!?!?!?)

 こうして――

 クロエは、運命の地・王都ルクセンベルクへと向かうことになったのだった。
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