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第25話 暴食のスライム
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エニス・ドラグニルは、2千年前に滅んだ帝国の上級貴族だった。
由緒正しき騎士の家系であったドラグニル家は、悪を許さず、弱者の為に剣を振るう公正公明を信条としていた。
そんなドラグニル家の娘として生まれたエニスも、正義を貫く一族を誇りに思い、愛していた。
ある日、ドラグニル家は、邪神を崇拝する邪教徒の集団を領地で発見した。
彼等は村人を生贄に捧げて、怪しい儀式を執り行っていた。
ドラグニル家が率いる騎士団は、村人を救う為に、邪教徒を皆殺しにした。
しかし、その日の夜、悲劇は起こった。
儀式を邪魔された邪教徒は、生き残った村人達をウェアウルフに変えて、ドラグニル家へと放ったのだ。
赤い満月が不気味に輝く夜、百を超えるウェアウルフの群れが、ドラグニル家の屋敷を襲った。
門番の兵士は瞬く間に首を食い千切られ、悲鳴を上げる暇も無く、惨殺された。
屋敷に侵入したウェアウルフ達は、使用人やドラグニル家の家族に関係無く、目に付く人間を片っ端から襲い始めた。
平和だったドラグニル家の屋敷は、瞬く間に地獄絵図へと変わった。
エニスの誇り高き父や兄も、迎え打つ為に剣を手に取ったが、ウェアウルフの群れに呑み込まれると、悲鳴と共に数百の肉片へと姿を変えた。
優しかった母は、エニスをクローゼットに隠し、自らが囮となった。
そんな誇り高き母が、目の前でウェアウルフに犯され、喰われるのを目撃し、エニスの中で憎悪が込み上げる。
最後まで生き残ったエニスも、結局、邪教徒に捕まってしまった。
邪教徒は、ドラグニル家に邪魔された儀式の続きを執り行った。
儀式の生贄には、エニスが選ばれた。
邪教徒は、エニスの手首を切り裂き、血を抜くと、1000人の赤子から集められた純血と悪魔の血を混ぜた呪われた血をエニスに飲ませた。
ドブの様な腐った血の味が口から注がれ、喉を通り、体の中から汚されていく悍ましい感覚に恐怖した。
誇り高いドラグニル家の血が抜けて、禍々しい呪われた血が身体を満たして行くと、エニスの美しかった金髪は、月の色を反射した様な銀色に変わり、琥珀色の瞳は血の様な赤に変わった。
儀式により、不死の吸血鬼であるヴァンパイアロードとして生まれ変わったエニス・ドラグニルは、ウェアウルフへの強い憎しみにより、ギリギリで自我を保っており、復活と共に、その場にいた邪教徒とウェアウルフを皆殺しにした。
それが、エニス・ドラグニルの人間としての最後であり、魔物としての始まりだった。
それ故に、エニスは、ウェアウルフを憎み、忌み嫌っていた。
誇り高き、父と兄を惨殺し、美しく気高い母を汚し、陵辱したウェアウルフを許す事は出来ない。
2千年経った今も、愛する家族が目の前で殺された光景は、目に焼き付いており、クロエを見た瞬間、不快感と怒りが込み上げた。
だが、不思議な事に、ウェアウルフの少女に土下座をさせて、頭を踏み付けた瞬間、何とも言えない快感を覚えた。
傲慢で残虐なウェアウルフが自分の前でひれ伏しており、踏み潰されても文句すら言えずに屈服していると言う事実に高揚感を覚える。
憎きウェアウルフに鬱憤を晴らしたからだろうか?
かつて見たウェアウルフとは、見た目は違うが、同族であるなら、このまま頭を踏み砕いてしまおうかとも思った。
しかし、ピクシーの話では、このウェアウルフの娘は、利用価値が有る。
地下に封じられた魔王の娘の封印を解除する為には、石板に書かれた古代語を解読しなければならない。
やっと訪れたチャンスを捨てるわけにはいかない。
せめて、封印を解除するまでは、このウェアウルフを殺すわけにはいかなかった。
いや、簡単に殺してしまっては、惨殺された家族の恨みは晴れない。
生かさず殺さず、このウェアウルフの娘を陵辱し、屈服させ、自分が畜生以下の雌犬だと自覚させてやるべきだろう。
首輪を付けてペットとして飼うのも悪く無い。
毎日、跪かせて、踏み付けて、足を舐めさせるのも良いかも知れない。
踏みつけた時の間抜けな声も耳に心地良い。
エニスは、クロエを陵辱する光景を想像して、顔を赤らめて興奮していた。
まさか、目の前の美少女が自分を見て、そんな想像をしているとは、思ってもいなかったクロエは、背筋にゾクッと寒気を感じた。
「・・・オイシソウナニオイ!」
天井からベチャッと何かが落ちてきた。
半透明な水色の液体は、ウネウネと蠢いており、クロエの方に近付いて来る。
「す、スライム!?」
それは、森や草原などに自然発生する魔物であるスライムだった。
普段見掛けるスライムは、30cmくらいの小型な魔物で、核となる魔石を破壊するか、燃やしたりする事で駆除できるので、危険度はそれほど高くは無い。
しかし、目の前に迫るスライムのサイズは、3m以上あり、兎に角デカかった。
グランドスライムと言うスライムが融合して進化した魔物もいるが、それよりも更に大きい。
「タベテイイ?」
「待ちなさいグラトニー!」
ピクシーの静止を聞かずに、グラトニーと呼ばれた暴食のスライムは、クロエを丸呑みにする勢いで襲い掛かった。
「ひっ!?」
既に魔力切れで、満身創痍のクロエは、体に力が入らないので、逃げる事も出来ない。
スライムの体液は普段は水に近い液体だが、攻撃時には、ありとあらゆるモノを溶かして吸収する事ができる酸に変わる。
小さなスライムですら、触れるだけで火傷の様に爛れる上に、森の中では、木から落ちてきて、顔や頭を狙ってくるので、顔に火傷の痕が残る事で嫌われている。
まるで、巨大な口の様に全身を広げたスライムがクロエを丸呑みにしようとした瞬間、スライムの体が細切れに斬り裂かれた。
真っ赤な剣を片手に持つエニスが、クロエの肩を抱き抱えており、スライムから守ってくれたのだ。
「ナニスルノ!?」
スライムは無事の様で、バラバラになった体をくっ付けて、元に戻りながら、文句を言っていた。
「この雌犬は、私の獲物よ?」
エニスは、妖艶な笑みを浮かべてクロエを見つめる。
由緒正しき騎士の家系であったドラグニル家は、悪を許さず、弱者の為に剣を振るう公正公明を信条としていた。
そんなドラグニル家の娘として生まれたエニスも、正義を貫く一族を誇りに思い、愛していた。
ある日、ドラグニル家は、邪神を崇拝する邪教徒の集団を領地で発見した。
彼等は村人を生贄に捧げて、怪しい儀式を執り行っていた。
ドラグニル家が率いる騎士団は、村人を救う為に、邪教徒を皆殺しにした。
しかし、その日の夜、悲劇は起こった。
儀式を邪魔された邪教徒は、生き残った村人達をウェアウルフに変えて、ドラグニル家へと放ったのだ。
赤い満月が不気味に輝く夜、百を超えるウェアウルフの群れが、ドラグニル家の屋敷を襲った。
門番の兵士は瞬く間に首を食い千切られ、悲鳴を上げる暇も無く、惨殺された。
屋敷に侵入したウェアウルフ達は、使用人やドラグニル家の家族に関係無く、目に付く人間を片っ端から襲い始めた。
平和だったドラグニル家の屋敷は、瞬く間に地獄絵図へと変わった。
エニスの誇り高き父や兄も、迎え打つ為に剣を手に取ったが、ウェアウルフの群れに呑み込まれると、悲鳴と共に数百の肉片へと姿を変えた。
優しかった母は、エニスをクローゼットに隠し、自らが囮となった。
そんな誇り高き母が、目の前でウェアウルフに犯され、喰われるのを目撃し、エニスの中で憎悪が込み上げる。
最後まで生き残ったエニスも、結局、邪教徒に捕まってしまった。
邪教徒は、ドラグニル家に邪魔された儀式の続きを執り行った。
儀式の生贄には、エニスが選ばれた。
邪教徒は、エニスの手首を切り裂き、血を抜くと、1000人の赤子から集められた純血と悪魔の血を混ぜた呪われた血をエニスに飲ませた。
ドブの様な腐った血の味が口から注がれ、喉を通り、体の中から汚されていく悍ましい感覚に恐怖した。
誇り高いドラグニル家の血が抜けて、禍々しい呪われた血が身体を満たして行くと、エニスの美しかった金髪は、月の色を反射した様な銀色に変わり、琥珀色の瞳は血の様な赤に変わった。
儀式により、不死の吸血鬼であるヴァンパイアロードとして生まれ変わったエニス・ドラグニルは、ウェアウルフへの強い憎しみにより、ギリギリで自我を保っており、復活と共に、その場にいた邪教徒とウェアウルフを皆殺しにした。
それが、エニス・ドラグニルの人間としての最後であり、魔物としての始まりだった。
それ故に、エニスは、ウェアウルフを憎み、忌み嫌っていた。
誇り高き、父と兄を惨殺し、美しく気高い母を汚し、陵辱したウェアウルフを許す事は出来ない。
2千年経った今も、愛する家族が目の前で殺された光景は、目に焼き付いており、クロエを見た瞬間、不快感と怒りが込み上げた。
だが、不思議な事に、ウェアウルフの少女に土下座をさせて、頭を踏み付けた瞬間、何とも言えない快感を覚えた。
傲慢で残虐なウェアウルフが自分の前でひれ伏しており、踏み潰されても文句すら言えずに屈服していると言う事実に高揚感を覚える。
憎きウェアウルフに鬱憤を晴らしたからだろうか?
かつて見たウェアウルフとは、見た目は違うが、同族であるなら、このまま頭を踏み砕いてしまおうかとも思った。
しかし、ピクシーの話では、このウェアウルフの娘は、利用価値が有る。
地下に封じられた魔王の娘の封印を解除する為には、石板に書かれた古代語を解読しなければならない。
やっと訪れたチャンスを捨てるわけにはいかない。
せめて、封印を解除するまでは、このウェアウルフを殺すわけにはいかなかった。
いや、簡単に殺してしまっては、惨殺された家族の恨みは晴れない。
生かさず殺さず、このウェアウルフの娘を陵辱し、屈服させ、自分が畜生以下の雌犬だと自覚させてやるべきだろう。
首輪を付けてペットとして飼うのも悪く無い。
毎日、跪かせて、踏み付けて、足を舐めさせるのも良いかも知れない。
踏みつけた時の間抜けな声も耳に心地良い。
エニスは、クロエを陵辱する光景を想像して、顔を赤らめて興奮していた。
まさか、目の前の美少女が自分を見て、そんな想像をしているとは、思ってもいなかったクロエは、背筋にゾクッと寒気を感じた。
「・・・オイシソウナニオイ!」
天井からベチャッと何かが落ちてきた。
半透明な水色の液体は、ウネウネと蠢いており、クロエの方に近付いて来る。
「す、スライム!?」
それは、森や草原などに自然発生する魔物であるスライムだった。
普段見掛けるスライムは、30cmくらいの小型な魔物で、核となる魔石を破壊するか、燃やしたりする事で駆除できるので、危険度はそれほど高くは無い。
しかし、目の前に迫るスライムのサイズは、3m以上あり、兎に角デカかった。
グランドスライムと言うスライムが融合して進化した魔物もいるが、それよりも更に大きい。
「タベテイイ?」
「待ちなさいグラトニー!」
ピクシーの静止を聞かずに、グラトニーと呼ばれた暴食のスライムは、クロエを丸呑みにする勢いで襲い掛かった。
「ひっ!?」
既に魔力切れで、満身創痍のクロエは、体に力が入らないので、逃げる事も出来ない。
スライムの体液は普段は水に近い液体だが、攻撃時には、ありとあらゆるモノを溶かして吸収する事ができる酸に変わる。
小さなスライムですら、触れるだけで火傷の様に爛れる上に、森の中では、木から落ちてきて、顔や頭を狙ってくるので、顔に火傷の痕が残る事で嫌われている。
まるで、巨大な口の様に全身を広げたスライムがクロエを丸呑みにしようとした瞬間、スライムの体が細切れに斬り裂かれた。
真っ赤な剣を片手に持つエニスが、クロエの肩を抱き抱えており、スライムから守ってくれたのだ。
「ナニスルノ!?」
スライムは無事の様で、バラバラになった体をくっ付けて、元に戻りながら、文句を言っていた。
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