神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

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第1章 世界の終焉

第19話 終焉を齎す蛇

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◆滅びの序章

 東京の中心。
 かつて繁華街やオフィスビルが立ち並び、人々が行き交っていたこの場所は、今や”何もない”。

 ビルの影も、公園の木々も、車の音も、そこに生きた人々の声も――すべてが”消え去っていた”。
 ただ”巨大な更地”が広がるのみ。

 その中心に、一人の男が浮かんでいた。

 銀髪をなびかせ、金色の瞳を輝かせる男。
 その美しい顔立ちは、神話の英雄を思わせる。
 だが、唇に浮かぶ歪んだ笑みは、それとは裏腹に”悪意と狂気”を滲ませていた。

「やあ、レン」

 クロード・デ・アーロンは、まるで昔の友人と再会したかのように”飄々と”言葉を投げかける。
 その声は、どこまでも軽やかで、そして、どこまでも”冷酷”だった。

 レンは、黒いジャケットを翻しながら、漆黒の瞳でクロードを睨みつけた。
 怒りと悲しみが絡み合い、“どす黒いフォース”が身体から渦巻くように噴き上がる。

「クロード……お前は、何者なんだ?」

「クフフ、それを聞いてどうするんだい?」

 クロードは微笑みながら、ゆっくりと両腕を広げた。
 背後の空間が”黒く歪み”、亀裂が拡大する。

「僕はね、新世界の神々に裏切られ、“負の世界”へと堕とされた”旧き神”さ」

 レンの眉がピクリと動いた。

「……負の世界?」

「そう。お前たちが今いる、この世界は”正のエネルギー”で創られた”新世界”だ。だが、それ以前に”神々が統べる旧世界”があった」

 クロードの金色の瞳が、かすかに”憎悪”に染まる。

「僕たちは”創造の神”だった。僕も、仲間の神々も、それぞれの世界を創造し、育てていた……だが、“新世界の神々”はそれを否定した」

 その言葉と共に、空間の歪みがさらに広がる。

「“お前たちの世界は、完璧ではない”。“新しい世界こそが理想だ”。“不完全な神々は不要”。」

「そう言って、僕たちを”負の世界”に堕としたのさ」

 レンの拳が震える。

「……お前は、それを恨んでいるのか」

「もちろんさ」

 クロードの声は”静かに”、しかし”確信に満ちていた”。

「僕は、あの世界で”仲間の神々が消えていく姿”を、ただ眺めることしかできなかった」

「そして……僕が最も愛した”女神”が目の前で消えた時――」

 クロードの表情が一変する。

「僕は、すべてを”破壊”すると誓ったんだ」

◆終焉を齎す蛇

「なら……お前がやっていることは、ただの破壊だ!」

 レンの怒気が爆発する。

「何も生み出さない! ただ壊すだけの行為に、“意味なんてあるのかよ!”」

「意味なんて、とうに捨てたよ」

 クロードは、“静かに”微笑んだ。

「今こそ、終焉を始めよう――“我が眷属”、目覚める時だ」

 クロードが”静かに”右手を掲げる。

 ――その瞬間、“空が裂けた”。

 “負のエネルギーの渦”が爆発的に膨れ上がり、黒い亀裂が大地に広がる。
 空が”悲鳴を上げるように”歪み、雷鳴のような轟音が響き渡った。

 そして――

 “それ”は姿を現した。

 「終焉を齎す蛇――ヨルムンガルド」

 その身体は**“地球を呑み込むほど巨大”** で、白銀の鱗に覆われていた。
 その目は”金色”に輝き、“無限の虚無”を宿している。

 レンの背筋に”凍るような恐怖”が走る。

 ――“これは、もう戦いではない”。
 ――“これは、世界の終焉だ”。

 ヨルムンガルドがゆっくりと口を開いた。

 次の瞬間、「東京の街が押し潰された」。



 ビルは跡形もなく崩壊し、地面は巨大な質量に耐えきれず沈み込む。
 レンは全力でフォースを放ち、蛇の鱗へ攻撃を叩き込む。

 だが――

 すべての攻撃が”無効化”された。

 「……何!? 俺の攻撃が……」

 “負のエネルギーの結晶で作られた鱗”。
 それは**「すべてのエネルギーを打ち消す」** 絶対的な防壁だった。

 「クフフ……どうしたんだい、レン?」

 クロードの声が響く。

 「逃げたらどうかな? でも――無駄だよ」

 レンは必死にキョンちゃんを探し、倒壊した瓦礫の中から抱え上げる。
 彼女は意識を取り戻し、震える声で呟いた。

 「……れ、レンくん……逃げよう……ここは……もう……」

 レンは歯を食いしばる。

 “逃げるしかない”。

 だが――“世界の果てまで逃げても、蛇からは逃れられない”。

世界の壁を破壊する拳

「このままじゃ……“俺たちも、この世界も呑み込まれる”……!」

 レンは、最後の力を振り絞る。
 “全身のフォース”を拳に込め、迫り来る蛇の口に向かって振り抜いた。

 ――“その瞬間”。

 “空間の壁が砕ける音が響いた”。

 レンの拳が”世界の壁を突き破る”。

 亀裂は瞬く間に拡大し、そこには”闇”が広がっていた。
 ――それは”負の世界”か、それとも”神々が封印した領域”か。

 レンとキョンちゃんは、“その闇に呑み込まれていく”。

クロードの想定外

 
 クロードは、それを見つめながら呟いた。

 「……これは、僕の想定外だよ、レン」

 “レンの拳が何を破壊したのか”。
 “なぜ世界の壁が崩壊したのか”。

 それを知る者は、まだいなかった。
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