神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

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第2章 ギースの塔

第25話 新たな力て魔物討伐

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◆折れた剣と新たな疑問

暗い洞窟の中、俺とミーナは座り込んでいた。
俺は折れた剣を手にして、ゆっくりとため息を吐く。

「はぁ……」

「全く、いきなり武器壊すなんて、何やってんのよ!」

ミーナが腕を組みながら、青い瞳で俺を睨む。

「ごめん……まさか、折れるとは思わなかったんだよ」

頭を掻きながら、申し訳なさそうに謝る。

「まったく!気を付けてよね!武器無しで、この先どうすんのよ……ところで、さっきのは何?」

「さっきの?」

「恍けないで!さっきの戦闘で、魔法使ってたでしょ? あれって、身体強化?」

ミーナはじっと俺を見つめる。

「ああ……そういえば、なんか力が出た気がしたけど……あれが魔法?」

俺は自分の右手を見る。
しかし、先程の湯気のようなオーラは消えていた。

「そうよ。あなたの右手から魔力が放出されてるのが見えたわ。つまり――レンは、この塔に登ったことがあるのね!」

ミーナの言葉に、俺は思わず息をのむ。

「……俺が、この塔に?」

「そう。魔法はギースの塔の魔力の泉を浴びた者にしか使えないの。
つまり、あなたは過去にこの塔を登っているはずよ」

(俺が……?)

しかし、記憶を探っても、ここに来た記憶はまったくない。

「……俺が、本当に?」

「記憶が無いのよね……」

ミーナは少し考えてから、にっこりと笑った。

「なら、塔の上に行けば、記憶を思い出す手がかりがあるかもしれないわね!」

「……そうか」

俺は洞窟の天井を見上げながら、決意を固めた。

「これで、お互い塔の上を目指す理由ができたわね!」

ミーナが右手を差し出す。
俺は、その小さな手をしっかりと握り返した。

◆魔法の発動

「……ところで、魔法ってどうやって使うんだ?」

「どうって、さっき使ってたじゃない!」

「いや、さっきのは、たまたまだったみたいで……」

「しょうがないわねぇ……いい? 感覚で覚えなさい!」

ミーナはそう言いながら、右の人差し指を立てる。

「まず、意識を自分の内側に集中するの。特に、心臓のあたり……
そこから、血のように全身を巡る力の流れを感じて――」

ミーナの全身から、氷のような冷気が広がった。

「そして、その流れを外に出すようにイメージするの。そしたら――ほらね!」

俺は彼女の言う通り、意識を心臓に集中させる。
……すると、確かに何かが流れているのを感じた。



(これは……俺の力?)

自然と、力の流れを外へ解放するように意識する。

次の瞬間――

俺の全身から、湯気のようなオーラが放出された。

まるで、力が沸騰しているように感じる。
全身に漲る力。

(……知っている。俺はこの力を使ったことがある――)

そう確信した。

「こ、これが魔法か……!」

「……凄い……何よ、その魔力の量!?」

ミーナが驚きの声を上げる。

「え、そんなにすごいのか?」

「尋常じゃない魔力の量よ! あなたの魔力、私の百倍以上あるわ!」

ミーナは俺のオーラを見ながら、怪物を見るような目をしていた。

「そんなにか……じゃあ、この力があれば、上に行くのも楽になるな!」

俺は親指を立てる。

「……まあ、戦力が増えたのは喜ばしいことだけど……」

ミーナは少し困ったように笑った。

「でも、調子に乗らないでね。ギースの塔はそんな甘い場所じゃないわ」

「わかった、気を引き締めるよ」

◆再び襲い来る魔物

俺とミーナは洞窟の奥へ進んでいく。
すると、どこかから異臭が漂ってきた。

「……なんだ、この臭いは?」

鼻が曲がりそうな、腐敗臭と血の匂いが混ざったような臭い。

ミーナは口元を塞ぎながら言う。

「……恐らく、さっきのセンティピートにやられたのね」

奥へ進むと、床には4人の冒険者の死体が転がっていた。
彼らの体は変色し、腐りかけていた。

「……俺も、こうなっていたのかもしれないのか」

「ええ。でも、これはまだ序章よ」

ミーナは冷静に言う。

「彼らの遺品、特に剣は持って行きましょう。今のレンには必要でしょ?」

「……そうだな」

俺は死体の一人が持っていた、鋼鉄の片手剣を拾い上げた。

「ありがとう、使わせてもらうよ」

手を合わせ、軽く頭を下げる。

「さあ、行くわよ」

ミーナが先に進もうとした、その瞬間――

ズルズル……。

何かが這いずる音が聞こえてきた。

「……おいおい、またかよ」

岩の隙間から、4メートル級のセンティピードが這い出てきた。

さらに、天井にも1体。

「……複数は反則だろ」

◆全力の一閃

センティピードが、一斉に襲いかかってくる。

「……先手必勝!」

俺は力を解放し、全身に魔力を纏った。

(……行ける!)

地面を強く蹴り、超加速でセンティピードの間を駆け抜ける。

ズバァン!!

「っ!!」

2体が、一瞬で両断された。

「やるじゃない!」

ミーナが歓声を上げる。

「……だが、まだ終わりじゃない!」

最後の1体が突進してくる。
だが、俺の目には――まるでスローモーションのように映った。

(これなら――避けられる!)

俺はサイドステップで回避しながら、センティピードの頭を一刀両断する。

ドサッ……。

センティピードは、ピクリとも動かなくなった。

「……これで全部か?」

洞窟に静寂が訪れる。

「ええ、やったわね!」

ミーナが嬉しそうに言う。

「これなら――このまま上層に行っても大丈夫そうね!」

「いや、それは早いだろ!?」

俺の突っ込みに、ミーナはただ微笑むだけだった。
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