神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

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第2章 ギースの塔

第24話 初めての戦闘

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ギースの塔の第一階層を抜け、草原を突っ切るように進んでいくと、
目の前に巨大な螺旋階段が見えてきた。

この塔の上層へ続く唯一の道。
それは、天井へと吸い込まれるように、石造りの階段が延々と伸びていた。

「着いたわね!」

ミーナが元気よく言う。

「うわ……これ登るのかよ……」

俺はため息をつきながら、100メートル以上も続く階段を見上げた。

◆螺旋階段を登る苦行

 
「この螺旋階段は10階まで直通よ! 一気に登るわよ!」

「え!? 10階まで!? つまり……1キロ以上の階段を登るのか!?」

「仕方ないでしょ? 10階までは特に目ぼしいものもないし、サクッと登るのよ!」

ミーナは腕を組みながら、当然のように言い放つ。

(いや、普通にしんどいだろ!?)

そして、5時間後…

 
「ハァハァ……ハァハァ……やっと……着いた……!」

「はぁ……はぁ……そ、そうね……少し……疲れたわね……」

俺とミーナは、完全に息を切らしながら、10階層のフロアに座り込んだ。
こんなに長時間、階段を登るなんて、もはや拷問だ。

(絶対に、次は馬車とかで楽したい……)

ミーナを見ると、彼女も汗だくになっていて、
額をタオルで拭っていた。

(やっぱり、疲れてるんじゃねーか……)

◆10階層の洞窟フロア

 
「ふぅ……やっと息が整ってきた……」

俺はようやく呼吸を落ち着かせながら、辺りを見渡す。

10階層のフロアは、広大な洞窟になっていた。
天井には、青く光る花が咲いていて、洞窟内を優しく照らしている。

しかし、道は無数に枝分かれしており、奥の方は真っ暗で見えない。

「なぁ、ここからどうやって登っていくんだ?」

「ここから先は、フロアのどこかにある階段を探して、上の階層に進むのよ」

「なるほど……。でも、ミーナって何度もここに来たことあるんだろ? 階段の場所、覚えてないのか?」

「ふふん♪ もちろん! 20階までは完璧に把握してるわ!」

ミーナは自慢げに胸を張る。

「……そこから先は?」

「日によって階段の位置が変わるのよ!」

「え!? どういうこと!?」

「フロアによっては、昨日と今日でマップの構造が違うの。特に20階以降は、階段の場所が変わることが多いわ!」

「いや、そんなことが……建物の中なのに……?」

俺は理解が追いつかず、頭を抱えた。
この塔は、一体どういう仕組みで成り立っているのか……?

(まぁ、そもそもこんなバカでかい塔がある時点で、常識は通じないか……)

◆魔物との遭遇

 
「さて、それじゃあ、そろそろ進むわよ!」

ミーナが立ち上がり、洞窟の奥へと足を踏み出す。

「わかった。でも、ここから先は魔物が出るんだろ? 俺、戦えるかな……」

俺は腰に下げた剣を握る。
金属の冷たい感触が指先に伝わる。

(果たして、俺に戦うことができるのか……?)

そんな不安を抱きながら、俺たちは洞窟の奥へと進んでいった。

◆異変

 
ズルズルズル……。

突然、不気味な音が聞こえてきた。

「……な、何かいるな」

俺の中で、一気に緊張が走る。

「えぇ、初めての魔物みたいね。気を引き締めてね!」

ミーナが鋭い目つきになった。

(くそっ……来るのか……!)

剣を握る手に汗が滲む。
這いずる音は、次第にこちらへと近づいてきた。

◆巨大ムカデ、襲来

 
そして、影の中からぬるっと現れたのは……

巨大なムカデだった。

「で、でけぇ……!!」

全長は3メートルほど。
黒光りする金属のような甲殻を持ち、無数の足が不規則に蠢いている。



そのグロテスクな見た目に、俺は背筋がゾッとした。

「な……センティピード!? こんな場所に出るなんて!」

ミーナが驚いた声を上げる。

「な、何なんだよ、そいつ!?」

「センティピードは20階以上に出現する魔物よ! 本来はこんな下層にはいないはずなんだけど……!」

(なんで、そんなヤバそうな奴がいるんだよ……!?)

「で、で!? そいつ、強いのか!?」

「とても厄介よ! 剣で多少切っても生命力が異常に高くて死なないし、尻尾と牙に猛毒があるの! さらに……」

「さらに……?」

「スピードも速いの! 逃げても触覚の熱感知で、どこまでも追いかけてくるわ!」

「……つまり、ヤバいってことか!!」

◆初めての戦闘

 
センティピードが素早くこちらに向かってきた!

俺は剣を強く握り、全身に力を込める。

その瞬間――

俺の右腕から、蒸気のようなオーラが立ち上った。

「えっ……!?」

オーラは、まるで俺の右腕にまとわりつくように揺らめいている。
すると、剣が驚くほど軽く感じた。

(……これ、知ってる気がする)

不思議な高揚感と、懐かしい感覚。

(……考えてる暇はない!)

俺は強く地面を蹴り、センティピードへ向かって突進した!

一閃

 
センティピードが、顎を大きく開き、俺に噛みつこうとする。

「うおおおおお!!!」

俺は勢いのまま、剣を振り下ろした!

ズバァン!!!

風を切る音とともに、センティピードの頭が真っ二つに割れた。

「や、やったか……!?」

……カランッ。

何かが地面に転がる音がした。

俺は驚いて、自分の手元を見た。

「……え?」

剣が、根本からポッキリと折れていた。

「マジか!! 返品できねぇじゃん!!」

俺の叫び声が、洞窟内に虚しく響いた。
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