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ドラゴンの血は何色だ?
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レンの足取りは重かった。
今更になって、恐怖が込み上げてきた。
左腕の焼けるような痛みが、自分の死を身近に感じさせてくる。
それ程深い傷では無かった。
しかし、痛みに耐性が無いレンにとっては激痛と同じ。
先ほどまでは、アドレナリンの分泌により、痛みが麻痺していたが、戦闘が終わり安堵した瞬間に、痛みと疲労が押し寄せてきた。
例え、どれ程のフォースを保有していようと、レンは、ただのサラリーマンだ。
精神的にも肉体的に戦闘においては、未熟だった。
自分の命を掛けるということは、思った以上に精神をすり減らすのだ。
そして、更に追い打ちを掛けるように、激しい肉体的な疲労感がレンを襲っている。
フォースを纏うことで、超人的な力を得ることが出来る。
しかし、いくらフォースが肉体を強化してくれても、身体は生身の人間である。
無理に動かせば、当然疲労するし、筋肉も切れる。
「はぁはぁ・・思ってたより、キツイな・・・少し、休むか」
荒い息を吐きながら、レンは近くのベンチに腰掛けた。
全ての力を抜き、全体重をベンチに預けた。
座った瞬間、もう立ち上がることは出来ないんじゃないか?と思えるほどの、脱力感が襲う。
その姿は、傍から見たら、ただの草臥れたサラリーマンにしか見えない。
なぜ、自分がこんな事に、命を掛けてまで戦う必要があるのか?
軍や警察に任せておけばいいんじゃないのか?
そんな疑問が頭に浮かぶ、しかし、現実を目の当たりにした今となっては、それが不可能であると理解している。
普通の人間では、あれに勝つことは出来ない。
結果がそれを証明している。
・・・だから、俺が戦うしかないんだ。大切なモノを守るために。
1分ほど、目を瞑り、深呼吸をする。
息も整い、少し体力も戻ってきた。
俺は空間認識を使い、敵の位置を察知した。
近づいてきている。
9体の異形が、こっちに向かって進軍し始めているのだ。
まるで、誰かが指揮を執っているんじゃないかと思えるほどに、一斉に動き出した。
真直ぐ最短距離で俺に進んでいる。
決して舐めていた訳では無いが、油断すると、先程の様な事になる。
残り9体、本気で相手をする必要があるだろう・・・。
ただ、相手の力も知らないのに、真正面から突っ込んで行くような無謀は、もうしない。
・・・ってか、もう怪我するのは嫌だ。
生憎と体力は、限界に近いけど、フォースだけは有り余っているからな。
俺は目を瞑ったまま、体内に在るフォースに意識を集中する。
体内に流れる強い力の流れを感じる。
そして、一気に外に押し出すイメージをすると、全身からフォースのオーラが迸った。
そのオーラを一気に広範囲、約30キロの範囲に円状に広げた。
円内にいる異形の座標が正確に頭の中に認識される。
そして、目の前の空間と、9体の異形の存在する空間をリンクさせた。
【衝撃伝達】、空間干渉により、空間と空間を繋ぎ、衝撃を伝達させることが出来る能力だ。
俺は、目の前の空間に、思いっきり、拳を突き出した。
凄まじい衝撃音と共に、ベキベキ!!!と空間にヒビが入る。
そして、その全てのエネルギーを、先程リンクした9つの空間へと送った。
ほぼ同時に、遠方から、凄まじい衝撃音が響いた。
空間認識により、結果を確認すると、6体がの異形が完全に消滅していた。
そして、残り3体は、依然として、こちらへと進軍している。
凄まじい速度だ。
1分もしないうちに目の前に現れるだろう。
俺は、覚悟を決め、フォースを全開で開放した。
凄まじい量のフォースが放たれ、どす黒いオーラのように全身に纏わりつく。
余りのエネルギー密度により、周囲の空間が捻じ曲がり、近くに存在するモノが耐えきれずに崩壊していく。
高校生の頃、自分のフォースの量が異常に高いことに気が付いた。
余りに巨大な力に、無意識的に、全力で力を使うことを躊躇するようになった。
自分の力の強さを認識してから、本気で力を開放した事は無かった。
・・・怖かったのだ。
自分の、強大過ぎる力が。
直後、俺の目の前に、3体の異形が現れた。
1体は、人型をしており、身長も180センチ程のマネキンの様な異形だった。
その全身は溶けた銀の塊で出来ており、例えるなら、○ーミネーターの液体金属のような姿だ。
顔に当たる部分には、目も口も無く、のっぺらぼうの様になっており、自然体で、こっちの様子を伺っているようだった。
2体目は、白銀のような美しい毛皮を持ち、瞳はアイスブルーに輝く巨大な狼だった。
その大きさは100メートルを超えており、神話に出てくるフェンリルのような神々しさがあった。
その圧巻とも言える存在感に周囲のビル等がおもちゃのように感じられる。
そして、3体目は、全身に漆黒の鱗を持ち、その巨大な翼を広げると200メートルにもなる巨大なドラゴンだった。
その赤い瞳からは、獰猛さだけでなく、知性すら伺える。
ビルの遥か上空を旋回しながらも、その赤い瞳は、俺だけを見つめていた。
3体とも、凄まじいフォースを保有しており、今まで倒した奴らの比では無かった。
俺の頬から、一筋の汗が流れ、ゆっくりと水滴として、地面に落ちた。
その瞬間、銀色のマネキンが動いた。
いや、動いたと気付いた瞬間には、既に眼前に迫っていた。
凄まじい量のフォースを込められた銀色の拳が俺の顔面目がけて放たれる。
また、接近戦か・・・。
即座に腕をクロスして、ガードする。
銀色の拳は、俺のフォースシールドごと、ガードの上から拳を叩き込んできた。
凄まじい衝撃が突き抜け、背骨が折れるんじゃないかって思うほど、ミシミシと音を立てる。
そのまま、後方へと吹き飛ばされ、ビルの壁に衝突して、止まる。
ビルの壁は砕け、破片がパラパラと落ちた。
追い打ちが来る。
即座に空間凝固を発動し、周囲10メートル内を固定する。
直後、凄まじい衝撃と共に、俺の10メートル先で、銀色のマネキンが空間の壁にぶつかった。
思いっきり頭から突っ込んだようで、空間に跳ね返れて、吹っ飛ばされていた。
空間凝固を解除し、反撃しようとした瞬間、上空で、凄まじいエネルギーが集束するのを感じる。
直ぐに上空を確認すると、先程の漆黒のドラゴンが、翼を広げ、空中で静止し、大量に息を吸うように、喉の奥にフォースを溜めていた。
当然、その口の向いている先は、俺だった。
「おいおい、全て吹き飛ばすつもりか!?」
ドラゴンは、一瞬の静止の後、黒龍の口より、凄まじいエネルギーの黒い炎のブレスが放たれる。
瞬時に、【断空】を発動し、眼前に、10メートル四方の空間と空間を隔絶した漆黒の壁を創造する。
また、同時に、自身の周囲10メートルを【空間凝固】で卵状に包むように固定した。
直後、視界全てが黒い炎に包まれた。
炎の衝撃は、全て断空により、防がれているが、凄まじい量の黒い炎は、広範囲を炎で包み込み、空間凝固した円を中心に、直径3キロを火の海に変えた。
ブレスは、約3分程吐かれ続け、何一つ残すつもりなど無いかのように、世界を黒く染める。
一瞬にして、黒い炎に触れた物質を焼失させていく。
ビルも道路も金属さえも燃え尽きていく。
先ほど、空間認識を使用した時、周囲には、まだ多くの人間が残っていた。
その全ては、一瞬にして灰塵と化した。
俺の目の前には、死の世界が広がる。
全ての黒い炎は、空間の壁に遮られて、空間凝固の範囲内には入ってこれない。
しかし、一歩出れば、そこは、何人も生き残ることのできない、獄炎の世界に変わっている。
黒炎のブレスは、止んだはずなのに、黒い炎は一向に消える気配が無い。
むしろ炎はより強く、広がっている気さえする。
周囲の酸素は全て消滅し、空間凝固された中の酸素しか残って無い。
このままでは、酸欠で死ぬ。
俺は、周囲10メートルの空間の壁を3メートル程に凝縮させた。
【空間圧縮】、本来は、指定した範囲の空間を圧縮し、空間内の存在を押しつぶすための能力だ。
しかし、今回は、違う用途で使用する。
空間の性質として、ゴムに近い性質がある。
空間を歪めたり斬ったりすると、その空間は、元に戻ろうとする力が働くのだ。
そして、圧縮された空間へ込めていた力を解除する。
その瞬間、空間の壁が一気に本来の大きさへと戻った。
その衝撃により、周囲の空気が押し出され、周囲500メートルの黒い炎が吹き飛んだ。
その隙に、足元の空間を歪め、一気に遥か上空までジャンプする。
上空に、空間の壁で足場を創り、立つ。
眼下には、ちょうど黒いドラゴンの姿が見えた。
未だ、俺の位置は分かっていないようだ。
俺は、漆黒の巨大なドラゴンへと右手をかざす。
漆黒のドラゴンの首と胴体の位置を両断するように巨大な黒い壁が出現した。
【断空】これは、主に盾として、防御に使う能力だ。
しかし、空間と空間を隔絶するこの壁は、使い方を変えれば、どんなものでも切断する最強の刃にもなる。
悍ましい叫び声を上げながら、首と胴体を両断された漆黒のドラゴンは、地上へと堕ちていく。
凄まじい量の赤い血と臓物が雨の様にまき散らされて、自らが吐いた黒い炎を鎮火していった。
地上には、ドラゴンの血で出来た、赤い湖が出来上がっている。
今更になって、恐怖が込み上げてきた。
左腕の焼けるような痛みが、自分の死を身近に感じさせてくる。
それ程深い傷では無かった。
しかし、痛みに耐性が無いレンにとっては激痛と同じ。
先ほどまでは、アドレナリンの分泌により、痛みが麻痺していたが、戦闘が終わり安堵した瞬間に、痛みと疲労が押し寄せてきた。
例え、どれ程のフォースを保有していようと、レンは、ただのサラリーマンだ。
精神的にも肉体的に戦闘においては、未熟だった。
自分の命を掛けるということは、思った以上に精神をすり減らすのだ。
そして、更に追い打ちを掛けるように、激しい肉体的な疲労感がレンを襲っている。
フォースを纏うことで、超人的な力を得ることが出来る。
しかし、いくらフォースが肉体を強化してくれても、身体は生身の人間である。
無理に動かせば、当然疲労するし、筋肉も切れる。
「はぁはぁ・・思ってたより、キツイな・・・少し、休むか」
荒い息を吐きながら、レンは近くのベンチに腰掛けた。
全ての力を抜き、全体重をベンチに預けた。
座った瞬間、もう立ち上がることは出来ないんじゃないか?と思えるほどの、脱力感が襲う。
その姿は、傍から見たら、ただの草臥れたサラリーマンにしか見えない。
なぜ、自分がこんな事に、命を掛けてまで戦う必要があるのか?
軍や警察に任せておけばいいんじゃないのか?
そんな疑問が頭に浮かぶ、しかし、現実を目の当たりにした今となっては、それが不可能であると理解している。
普通の人間では、あれに勝つことは出来ない。
結果がそれを証明している。
・・・だから、俺が戦うしかないんだ。大切なモノを守るために。
1分ほど、目を瞑り、深呼吸をする。
息も整い、少し体力も戻ってきた。
俺は空間認識を使い、敵の位置を察知した。
近づいてきている。
9体の異形が、こっちに向かって進軍し始めているのだ。
まるで、誰かが指揮を執っているんじゃないかと思えるほどに、一斉に動き出した。
真直ぐ最短距離で俺に進んでいる。
決して舐めていた訳では無いが、油断すると、先程の様な事になる。
残り9体、本気で相手をする必要があるだろう・・・。
ただ、相手の力も知らないのに、真正面から突っ込んで行くような無謀は、もうしない。
・・・ってか、もう怪我するのは嫌だ。
生憎と体力は、限界に近いけど、フォースだけは有り余っているからな。
俺は目を瞑ったまま、体内に在るフォースに意識を集中する。
体内に流れる強い力の流れを感じる。
そして、一気に外に押し出すイメージをすると、全身からフォースのオーラが迸った。
そのオーラを一気に広範囲、約30キロの範囲に円状に広げた。
円内にいる異形の座標が正確に頭の中に認識される。
そして、目の前の空間と、9体の異形の存在する空間をリンクさせた。
【衝撃伝達】、空間干渉により、空間と空間を繋ぎ、衝撃を伝達させることが出来る能力だ。
俺は、目の前の空間に、思いっきり、拳を突き出した。
凄まじい衝撃音と共に、ベキベキ!!!と空間にヒビが入る。
そして、その全てのエネルギーを、先程リンクした9つの空間へと送った。
ほぼ同時に、遠方から、凄まじい衝撃音が響いた。
空間認識により、結果を確認すると、6体がの異形が完全に消滅していた。
そして、残り3体は、依然として、こちらへと進軍している。
凄まじい速度だ。
1分もしないうちに目の前に現れるだろう。
俺は、覚悟を決め、フォースを全開で開放した。
凄まじい量のフォースが放たれ、どす黒いオーラのように全身に纏わりつく。
余りのエネルギー密度により、周囲の空間が捻じ曲がり、近くに存在するモノが耐えきれずに崩壊していく。
高校生の頃、自分のフォースの量が異常に高いことに気が付いた。
余りに巨大な力に、無意識的に、全力で力を使うことを躊躇するようになった。
自分の力の強さを認識してから、本気で力を開放した事は無かった。
・・・怖かったのだ。
自分の、強大過ぎる力が。
直後、俺の目の前に、3体の異形が現れた。
1体は、人型をしており、身長も180センチ程のマネキンの様な異形だった。
その全身は溶けた銀の塊で出来ており、例えるなら、○ーミネーターの液体金属のような姿だ。
顔に当たる部分には、目も口も無く、のっぺらぼうの様になっており、自然体で、こっちの様子を伺っているようだった。
2体目は、白銀のような美しい毛皮を持ち、瞳はアイスブルーに輝く巨大な狼だった。
その大きさは100メートルを超えており、神話に出てくるフェンリルのような神々しさがあった。
その圧巻とも言える存在感に周囲のビル等がおもちゃのように感じられる。
そして、3体目は、全身に漆黒の鱗を持ち、その巨大な翼を広げると200メートルにもなる巨大なドラゴンだった。
その赤い瞳からは、獰猛さだけでなく、知性すら伺える。
ビルの遥か上空を旋回しながらも、その赤い瞳は、俺だけを見つめていた。
3体とも、凄まじいフォースを保有しており、今まで倒した奴らの比では無かった。
俺の頬から、一筋の汗が流れ、ゆっくりと水滴として、地面に落ちた。
その瞬間、銀色のマネキンが動いた。
いや、動いたと気付いた瞬間には、既に眼前に迫っていた。
凄まじい量のフォースを込められた銀色の拳が俺の顔面目がけて放たれる。
また、接近戦か・・・。
即座に腕をクロスして、ガードする。
銀色の拳は、俺のフォースシールドごと、ガードの上から拳を叩き込んできた。
凄まじい衝撃が突き抜け、背骨が折れるんじゃないかって思うほど、ミシミシと音を立てる。
そのまま、後方へと吹き飛ばされ、ビルの壁に衝突して、止まる。
ビルの壁は砕け、破片がパラパラと落ちた。
追い打ちが来る。
即座に空間凝固を発動し、周囲10メートル内を固定する。
直後、凄まじい衝撃と共に、俺の10メートル先で、銀色のマネキンが空間の壁にぶつかった。
思いっきり頭から突っ込んだようで、空間に跳ね返れて、吹っ飛ばされていた。
空間凝固を解除し、反撃しようとした瞬間、上空で、凄まじいエネルギーが集束するのを感じる。
直ぐに上空を確認すると、先程の漆黒のドラゴンが、翼を広げ、空中で静止し、大量に息を吸うように、喉の奥にフォースを溜めていた。
当然、その口の向いている先は、俺だった。
「おいおい、全て吹き飛ばすつもりか!?」
ドラゴンは、一瞬の静止の後、黒龍の口より、凄まじいエネルギーの黒い炎のブレスが放たれる。
瞬時に、【断空】を発動し、眼前に、10メートル四方の空間と空間を隔絶した漆黒の壁を創造する。
また、同時に、自身の周囲10メートルを【空間凝固】で卵状に包むように固定した。
直後、視界全てが黒い炎に包まれた。
炎の衝撃は、全て断空により、防がれているが、凄まじい量の黒い炎は、広範囲を炎で包み込み、空間凝固した円を中心に、直径3キロを火の海に変えた。
ブレスは、約3分程吐かれ続け、何一つ残すつもりなど無いかのように、世界を黒く染める。
一瞬にして、黒い炎に触れた物質を焼失させていく。
ビルも道路も金属さえも燃え尽きていく。
先ほど、空間認識を使用した時、周囲には、まだ多くの人間が残っていた。
その全ては、一瞬にして灰塵と化した。
俺の目の前には、死の世界が広がる。
全ての黒い炎は、空間の壁に遮られて、空間凝固の範囲内には入ってこれない。
しかし、一歩出れば、そこは、何人も生き残ることのできない、獄炎の世界に変わっている。
黒炎のブレスは、止んだはずなのに、黒い炎は一向に消える気配が無い。
むしろ炎はより強く、広がっている気さえする。
周囲の酸素は全て消滅し、空間凝固された中の酸素しか残って無い。
このままでは、酸欠で死ぬ。
俺は、周囲10メートルの空間の壁を3メートル程に凝縮させた。
【空間圧縮】、本来は、指定した範囲の空間を圧縮し、空間内の存在を押しつぶすための能力だ。
しかし、今回は、違う用途で使用する。
空間の性質として、ゴムに近い性質がある。
空間を歪めたり斬ったりすると、その空間は、元に戻ろうとする力が働くのだ。
そして、圧縮された空間へ込めていた力を解除する。
その瞬間、空間の壁が一気に本来の大きさへと戻った。
その衝撃により、周囲の空気が押し出され、周囲500メートルの黒い炎が吹き飛んだ。
その隙に、足元の空間を歪め、一気に遥か上空までジャンプする。
上空に、空間の壁で足場を創り、立つ。
眼下には、ちょうど黒いドラゴンの姿が見えた。
未だ、俺の位置は分かっていないようだ。
俺は、漆黒の巨大なドラゴンへと右手をかざす。
漆黒のドラゴンの首と胴体の位置を両断するように巨大な黒い壁が出現した。
【断空】これは、主に盾として、防御に使う能力だ。
しかし、空間と空間を隔絶するこの壁は、使い方を変えれば、どんなものでも切断する最強の刃にもなる。
悍ましい叫び声を上げながら、首と胴体を両断された漆黒のドラゴンは、地上へと堕ちていく。
凄まじい量の赤い血と臓物が雨の様にまき散らされて、自らが吐いた黒い炎を鎮火していった。
地上には、ドラゴンの血で出来た、赤い湖が出来上がっている。
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