堕ちた令嬢と冥界の契約

第18話 屈辱の日々

クロエ・ハートフィリアは、オークに捕まり奴隷として過ごし始めてから、一ヶ月近くが経とうとしていた。あの夜、スケルトンたちはオークに一瞬で破壊され、彼女自身も不可視化の魔法で逃れようとしたものの、鋭い嗅覚を持つオークに捕まってしまった。そして、そこから始まったのは、屈辱的な日々だった。

クロエは、オークの巣穴で暮らしながら、まるで犬のように扱われていた。彼女は身の自由を奪われ、常にオークの支配下に置かれ、何をするにもオークの命令に従わなければならなかった。身に着けるものは一切なく、彼女は全裸のまま、命を守るためにその屈辱に耐え続ける日々を送っていた。

洞窟の中は暗く、湿っぽい空気が漂っていた。クロエは巣穴の片隅で縮こまりながら、日々の屈辱に耐えていた。彼女の体は痩せ細り、精神的にも疲弊していた。オークは彼女をまるで犬のように扱い、時折足で蹴りつけたり、粗末な食事を投げ与えることしかせず、彼女を完全に支配下に置いていた。

「こんな……こんなはずじゃなかった……」

クロエは毎晩、涙をこらえながらそう呟いていた。かつては誇り高い侯爵令嬢として生きていた彼女が、今では全裸のまま、オークに命令されるだけの生活を送っている。服を着ることすら許されず、洞窟の冷たい空気が肌を刺すように感じられた。

彼女が耐えていたのは、ただ生き延びるためだった。オークの前では逆らうこともできず、抵抗しようとしても力では到底勝てないことはわかっていた。クロエは常に、オークの機嫌を損ねないように、ただ静かに従うしかなかった。

オークはクロエに対して容赦なく命令を下してきた。洞窟の掃除や、食料の準備、さらには狩りの手伝いなど、彼女にできる限りのことを強制させた。クロエは一切の反抗を許されず、何をしても「奴隷」として扱われ続けた。

彼女が特に辛かったのは、オークが彼女を「犬のように扱う」ことだった。洞窟の中で四つん這いになって移動させられたり、命令に応じるたびに足で蹴られたりする屈辱は、彼女にとって耐えがたいものだった。

「私は……こんな生活を望んだわけじゃない……」

それでも、クロエはなんとかしてこの状況から逃げ出す方法を探し続けていた。彼女の誇りは傷ついていたが、命を守るために屈辱に耐えるしかない日々を過ごしている中で、彼女の心の奥底にはまだ逃げる希望が残っていた。

オークが洞窟を出て行く日中、クロエは僅かな自由時間を使って洞窟内を調べていた。オークがいない間に、何とかしてこの洞窟から逃げ出す方法を見つけようとしていた。しかし、オークはいつも帰りが早く、逃げる隙を見つけるのは困難だった。

「もし……オークが帰ってこなかったら……」

クロエはそんなことを考えながらも、いつか逃げる機会が訪れると信じていた。毎日が地獄のようだったが、彼女はまだ諦めていなかった。

ある日、クロエはいつものように四つん這いで洞窟の掃除をしていると、オークが戻ってきた。彼はいつもと同じようにクロエに命令を下し、彼女に屈辱的な行動を強制した。クロエはただ無言で従い、心の中で自分を奮い立たせていた。

「いつか……必ず……」

彼女の中で、逃げるための強い意志がさらに燃え上がっていた。