異能力世界の支配者

一章

捕食ミミズ

「たしかここら辺なんだけど……」
ここはトロールの出現地と言われているベスト草原。

だがそこにはトロールどころか一体の魔物すらいなかった。

「あ、あれは……」
ガイヤは悪夢でも見るような声で言っている。

「あれは世界7大魔獣の捕食ミミズ……」
「逃げるよ！」
咄嗟にミーシャ姉さんに腕を強引に掴まれ逃げて、逃げて、最後にはスリー街に戻ってきた。

「ミーシャ様あれは」
「そうよ世界7大魔獣の一体『捕食ミミズ』よ」
「捕食ミミズ？」
「アシャリ！　捕食ミミズは世界7大魔獣で……」
ミーシャ姉さんは息が荒く喋りも荒っぽかった。

「一回落ち着いてミーシャ姉さん」
俺の言葉にミーシャ姉さんは取り乱したと思ったのか「そうね一回落ち着くは」

そういいミーシャ姉さんは深呼吸をし「アシャリまず世界7大魔獣というものはこの世の魔物達の頂点の存在。そしてあのミミズ達はその一体名は『捕食ミミズ』
通常のミミズと違って色は赤く染まってるは奴らは敵を見つけると骨まで食べ全てを食うのまるで最初からそこにいなかったかのように…」

「しかし何故あんな奴らがあそこに……」
ガイヤは畏まったような口調で考え込んでいた。

「ともかくトロール達は捕食ミミズによって跡形なく食べられた！」
「確かにそれしかありえません」

○

「信じてください！　トロール出現地に捕食ミミズがいたんです！」
ガイヤは必死にギルド職員に訴えていたがあんな奴いるわけないだろうと相手にもされなかった。

「ギルド員さん本当だはよ」
「ミーシャ様！？」
ミーシャ姉さんの一言でギルド内は一瞬で静まり返った。

「ほ、本当ですか？」
「本当よ」
「で、ですが奴らは神の領域に入っている魔物こんなところになんか」
多分ギルド職員さんは怖いのだろう。それは当然だ。死が近いなんて誰も受け入れたくない。