異能力世界の支配者

一章

グレ・ソーン過去3

「ここが世界の崖頂上……」
その景色は膨大で茶色い土に無数のでかい石がそこら中に落ちていた。

「さあ行くわよ！」
ミーシャに釣られ俺は鉄の剣片手にミーシャの方に向かった。

「し！　あそこにバースがいる……」
ミーシャの忠告により俺はビクッとしたが直ぐに収まった。

「あ、あれは！」
ミーシャが見ている方をみるとそこにはなんと伝説の武器『天空の剣』が石の所に突き刺さっていた。

『天空の剣』それは先代勇者が持っていたとされる聖剣。この剣の能力は魔力、腕力を超人化させこの剣で敵を斬りつけると相手の魔力を吸い取るという恐ろしい剣だ。

そんな能力を持つ『天空の剣』は魔力が取り柄の魔王の最大の弱点だ。
そしてある日3代目勇者が魔王に殺され天空の剣はそのまま消えてしまったとされている。

「あの剣欲しい？」
ミーシャ姉さんが私の方を見ながら言った。
もちろん俺は「欲しい」と欲望を口にしてしまった。

そしたらミーシャは「いいはよ！」と微笑みながら言った。

「『精霊召喚！　我が元え！　シザン』！」
ミーシャは大精霊のシザンを召喚した。シザンは妖精型の精霊で体長60cmと小柄だがバースの元えと向かった。

だがそう甘くはない。「ストーン」精霊はあっさりと石に押しつぶされ粉々になってしまった。

とその時「グチャビチャビチャ」と変な音を立てながらゆっくりとこちらに向かってくる音がした。

「あれは『捕食ミミズ』」
捕食ミミズ。それは世界7大魔獣の一体であらゆるものを捕食する『勇者』だろうが『魔王』だろうが全てを捕食する恐ろしい魔獣だ。

「う、ヴギャ！！！」
バースは呆気なく捕食ミミズに体を貪り食べられていた。骨も血も全てを。

「ソーン！　逃げて！　私が足止めする！」
私の事を呼び捨てで読んだのはこれが最初で最後の事だった。

「で、でも！」
「大丈夫！　それとこれ！」
俺はミーシャに伝説の武器『天空の剣』をキャッチボールかのように受け取った。

「欲しかったんでしょ！」
「ありがとう！　死なないで！」
私はミーシャの前で初めて涙を流しミーシャからの精霊の加護で崖を急降下し降りた。

○

わしはミーシャは『捕食ミミズ』に食べられているかと思い込んでいた。じゃがそうではなかった。ミーシャは生き残ったんだ！　そうしてスリー街でミーシャと再会した……

ミーシャはあの時とは全く見た目が変わっておらず変わったのわしじゃ年齢も老いていきシワだらけにもなってしまった。

もう私にも死期は近いだろう。