タイムリベンジ

マッシー 短編小説家

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西の国に行きます

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中央王国皇室

「リカ・アンダーウォット!」
「は!」
中央王国騎士団副団長のリカ・アンダーウォットの返事により皇室には異様な空気がその場を支配していた。

世界のトップに立つ国中央王国。

ここの国は他の王国とは違い圧倒的な権力、力を持ち合わせている。

この権力と力の8割が王国騎士団のハルト・グレイジャーによって守られている。

「リカ! なぜお前ほどの者がゴールデンライフソードを取るのにしくじるんだ!」

中央王国の6代王のゲイゼリグ王はゴールデンライフソードが欲しいがあまり激怒している。

「なぜだ! なぜだ! 我は必ず取ってこいと言ったではないか! リカお前は死刑だ!!!」

ゲイゼリグ王の身勝手な言葉には逆らえず皇室中が黙っているだけだった。

「早くせんか!」

とゲイゼリグ王がはしゃいでいると大柄の男の騎士が「ゲイゼリグ王はただゴールデンライフソードを見ているだけで使いませんでしょ!」と言った。

それにはもちろんゲイゼリグ王は大激怒し「ほう……我にこんな言葉使いを……殺せ」

ゲイゼリグ王が言った瞬間大柄の男の騎士の近くにいた皇室の見張り人が長い槍片手に心臓をぶち抜いた。

「ほほ我に逆らうとあのおらか者のようになるんじゃよ」
ゲイゼリグ王は腹を抑えながら大笑いしていた。

「さぁリカよ! 今我は絶好調だ! リカ! お前は西王国のコロシアム優勝品の勝利の像を我の前に持ってこい! そうしたら死刑をなしにしてやる」
ゲイゼリグ王はワインを飲みながら言った。

「ありがたきお言葉感謝いたします」
中央王国騎士団副団長リカ・アンダーウォットはゲイゼリグ王に一礼した後に中央王国を出て西王国に向かった。



「よし俺とミアは西王国に行ってくる!」
「お、おい流石に早過ぎだろ」

一人の青年がロイさんにいうとロイさんは「オーナーのメッセージもあるんだすまんな……」と青年の頭を撫でた後に再び村を出た。

西王国に行くまでの道は前のベーン街よりは険しくなく安全に西王国門前まできた。

「ライセンスを出してください」

ロイさんが門番にライセンスを渡すとベーン街ではBランクでもあれ程に驚いていたのが西王国だと見向きもされず素早くライセンスの確認が終わり私の番がきた。

私はEランクのライセンスを渡すと門番の人が「コロシアム出場希望ですか?」と聞いてきた。

コロシアム? なんだそれ? 

私が考えているとロイさんが慌てて私のところに行き「コロシアム希望ではありません」と答えたら門番は「わかりました」とライセンスの確認が終わった。

私はもちろん「ロイさん! コロシアムって何?」

と聞くとロイさんは「ここ西王国では毎年コロシアムのイベントを国が出していて世界の強者達がここに集まるんだ!」

「強者!?」
私が驚いた口調で言うとロイさんは「流石にZランクとかSランクじゃなくてBランクとかCランクの人達が大半だよ」

「あ! そしてコロシアムでは毎年それぞれ優勝品が違うんだ! 確か今年は勝利の像だった気がするが……」

勝利の像……私はコロシアムに興味が出てきて「私コロシアムに出てみたい!」と言ったらロイさんは強い口調で「コロシアムは絶対にだめだ! 場合によったら死ぬかもしれないぞ!」

ロイさんはしまったと言う表情をしながら私に向かって「ごめんミア言いすぎた」と後悔しながら言っていた。

「大丈夫だよロイさん! それほど私を心配してくれているって証拠だよ」と私は微笑んだ。



「お待たせしました半熟オムライスです」
レストランの店員が真っ黄色で輝きがあるオムライスを私のところに持ってきた。

「いただきまーす!」
私は早々に木製のスプーンを手に取りまるでダイヤモンドのような輝きを持つオムライスに私はスプーンを器用に使いオムライスを口に入れた。

レストランのオムライスはロイさんのとはまた少し違い風味があり香りも良かった。

でもロイさんのオムライスが一番だけどね!

私が夢中にオムライスを食べていると「ガチャン!!」と豪快に扉を開ける音が店中を響かせた。

「なんだ?」

ロイさんは大きな扉の音が気になったのかスプーンを置き音の中心地に目を向けていた。

「俺の名はマルコ! 前大会コロシアム第1位だ!」と店中にマルコと名乗った上半身裸で筋肉質な男声が店中を響かせた。

「何事じゃ?」

それに対向するような声で返したのはエルフ族の小柄な女性だった。

「ん? なんだお前は?」
マルコは半ギレした状態で聞いていた。

「わしか?」

喋り方とは裏腹に私よりも年下のような見た目をしており身長も私より低かった。

「お前ミスクか?」 

マルコが獲物を狙う鳥のような鋭い目でエルフの事を見ていた。

「そうじゃか」

そう言った瞬間マルコは水の魔法を放とうとしたがロイさんにマルコの右手を掴まれ大柄なマルコは子猫のようにロイさんに放り投げされてしまった。

「な、なんだお前!」

マルコはまるで悪魔でもみるかのような目つきでロイさんの事を見ていた。

「お、お前は最近Aランクに昇格したって有名なロイ・レイガだな!」

マルコは圧倒的な力の差を目の当たりにしたのか転びかけながらも全力で店を出ていった。

「悪かったのう」
エルフ特有の耳を持った女のエルフは私達に一礼した。

「わしはミスク・アンこんな見た目でも350歳なんよ」と首を傾げ笑っていた。

「ミ、ミスクって言わなかったか?」

ロイさんが再確認したいのか私に聞いてきた。

そんなロイさんを見てかエルフのミスクさんは「そうよ属性診断で有名なわしじゃよ」と言った。

「あ…………」
何故かロイさんは黙ってしまった。

「お嬢ちゃんはそんなに驚いていないね」褒めているのかはわからないがミスクさんは私の頭を子犬を撫でるかのように優しく撫でてくれた。

「ミ、ミスクさん! お願いがあります!」
「なんだい?」
ミスクさんは首を傾げ私に耳を傾けた。

「え、えーとミスクさんに属性診断をして欲しいんです!」

「……」
しばらく考えていたのかミスクさんは「もちろん属性を調べてもいいけどそれには条件がいる」と言った。

「条件?」
今度はロイさんがミスクさんに向かって言った。

「そうじゃな私の条件はただ一つCランク以上にはなるんじゃ! ちなみにお嬢ちゃんのランクは?」

「Eランクです」

私がそう言うとミスクさんは「Cランクに最速でなるにはトロールを5体は倒さないといけないんじゃ……」

トロールって前にロイさんが戦っていたあのでかいモンスターのことだろうと私は心の中で確信した。

「ト、トロールって」
ロイさんは心配するような声でミスクさんも見ながら言った。

それに対してミスクさんは「そう心配ばっかりしてたら成長はしないんじゃぞ」とロイさんの事を横目で見ながら言っていた。

ロイさんは言葉を変え「俺がミアの元につきます」とミスクさんの事を見ながら言った。

それにはミスクさんも納得したのか「まあいいじゃろうAランクがいたら安心じゃもんな」

「あ、ミスクさんこの手紙を!」
「手紙?」
ミスクさんは疑問になりながらもベーン街のオーナーの手紙を受け取った。

そうして私は自分の属性を知る為に目標のCランクを前に進むのであった。
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