タイムリベンジ

マッシー 短編小説家

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神大スキル

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ここは西王国に少し離れた廃墟の村。

この廃墟の村は少し前にトロール5体に襲撃されすっかりとトロールの穴場えと変わってしまった負の村だ。

「ミアあれがトロールだ」

副団長さんが指を指した方には体長約3メートルで右手にはでかい棍棒を持っているトロールがノロノロと私達のところに向かって歩いていた。

トロールの見た目はいつ見ても恐ろしく昔の私だったら怯えて逃げていただろう。

しかし今は違う中央騎士団特有の技『円陣斬り』を取得した私からしたらトロールぐらい倒せるはずだ!

「行けるかミア?」

ロイさんの心配している声が聞こえるが私は前にいるトロールを無視する事は出来ずトロールが振り下ろした棍棒を剣で受け止めるしか出来ていなかった。

「ミア円陣斬りはどうした!」

副団長さんの指示を聞いている余裕はなく私はただ必死にトロールの攻撃を受け止めているだけだった。

「いけミア!」

副団長さんの言葉により私はヤケクソになり「『円陣斬り』」と技を放ったがトロールにはかすり傷程度しか与えられず絶望に満ちている時にトロールが私の目の前まで来て棍棒を振り下ろした。

「ミア!?」
ロイさんがすぐに助けようとしたが距離が遠く副団長さんすらも届かなかった。

終わりだ……と思った瞬間。

トロールの動きが止まった。

「え?」
私は何が起きたのか分からずただ呆然と座り込んでいるだけだった。

「ミア!」

副団長さんはすぐに私を抱えトロールから一定の距離を保った。

「トロールが止まっている?」

副団長さんはとてつもない異変にトロールを警戒していた。

「ロイあれは……」

「わからない……しかもミアに棍棒が当たる寸前に止まっている……」

確かにあの時本当ならトロールの棍棒に私は直当たりしていた。

しかしいきなりトロールの動きが止まり私は生かされたと言うわけだ。

それと「目が痛い……」

私は目にかなりの激痛が走っている。

「大丈夫か? ミア?」
ロイさんがすぐに駆けつけ「目を見せてくれ」と言った。

ロイさんが私の目を見ると急にロイさんが止まってしまった。

「うぅ……」
私はロイさんの動きが止まった瞬間急に力が入らなくなり気づいた頃には意識が消えていた。



「ここは?」

横を見ると私の隣でロイさんがぐっすりと眠っていた。

「ふぅーー」

私は思わず安堵の息が漏れた。

「目が覚めたか?」

声のした方を見ると空がすっかりと真っ赤な夕日に包まれ椅子に座りながら読書をしている副団長さんがいた。

「ロイなら大丈夫よ」

私がパニックにならないようにするためか最初にロイさんの事を言っていた。

副団長さんに、なんで私の目を見たら時間が止まるのかを聞こうとすると

「わかってるまずは落ち着いて」

私の表情で感じたのかまずは私を落ち着かせようとしていた。

「ごめんなさい……」

ロイさんが私のせいで体が動けなくなってしまった事に謝ると副団長さんは

「なんで謝るの?」

その声はゆったりとして落ち着く声だった。

「だ、だって私ロイさんの事……」

副団長さんは私の前まで来て「ロイなら大丈夫よ」

副団長さんは私の頭を撫でながら言った。

「ミア! ミスクさんからはもうあなたは認められてるから早速診断しにいこう」  

認められた? 私が? 私が困惑していると副団長さんが「ほら早くいくよ!」

「で、でもロイさんが……」

「ロイなら大丈夫よ! それより私達二人だけで話したい事があるの!」

話したい事? 今のところ副団長さんと話す事なんて見当たらないけど……

結局のところ私はミスクさんの元にいき診断をしてもらう事にした。



「ミア、ハルト・グレイジャーを知ってるか?」

「知ってるよ! 中央騎士団団長の人でしょ」

「その通りだ。」

副団長さんは何か言いたげな表情をしていた。そして少し時間が経ち「中央騎士団に入ってくれるか? も、もちろん今すぐとは言わない……」

中央騎士団? 私が入る?

「自由行動はもちろんいいけど中央騎士団にだけ入ってくれればいいんだ」

よくわからない理由に私は「なんで?」と純粋な質問をした。

そしてしばらく時間を空け副団長さんが静かな声で「ミア、君の能力は神大スキルのひとつに入っている」

「神大スキル?」

「神大スキルは世界を一瞬で変えてしまうほどの力を持つスキルだ」

世界を一瞬で変える? そんな力が私に?

私が呆然としていると「ミア君のその力を正しく使ってほしいだけなんだ」と副団長さんが言った。

「ついたな」

副団長さんと話をしているうちにすっかりとミスクさんの元えと辿り着いた。

「じゃあ入ろう」



中は静かでおそらくだが中には誰もいないだろう。

「任務は完了した……」
「えーーいいじゃん目立つ事くらい」
「だめだ……」

なにやらうっすらと会話が聞こえる。

「ミアどこでもいいから今すぐ隠れて!」

副団長さんの静かな声に従い机の下に一目散に隠れた。

「ミア落ち着いて聞いて……」
「うん」

副団長さんは私と同じ机の下に隠れていた。

「今この中にいるのは私とミアだけではない。ミア隙を伺ってすぐここから出るよ!」

副団長さんは冷静に対処していたが私にでもわかるくらいの強さの人達が奥の部屋にいる気配を感じ取った。

おそらく副団長さんよりも強い……

「ん? ネズミが入ったか? ……」

近づいてくる……

私は多大なる不安に襲われた。

「ねえーー早く出てきたらどう?」
先程の掠れた声とは違い今度は滑らかな声がこの場に広まった。

おそらくこの場には私と副団長さんそして掠れた声の人と滑らかな声の人がこの場にいた。

「ミア君は隙をみてここから出ろ」

副団長さんはそれだけいい机から出て自分の姿をあらわにした。

「このまま隠れていたら俺が楽に殺してあげたんだけどなぁ」

掠れた声の人はそういいもう一人の人のところに向かった。

「ロバート後は頼むぞ」

「ああ」

「ミア!」

いきなりの副団長さんの怒声にびっくりはしたが足をフル回転させドアを全開にした。

「なんだよそういうことか……」

目立たないためか白髪の男は掠れた声の人のところに向かい「撤収だ」といい消えていった。

「あの白髪の男は殺せる。しかしもう一人の男は何かを隠している……」

副団長さんは剣を鞘にしまいながら言った。

あの白髪の男の人どこかで……私はどこかで見たことがある顔に違和感を覚えた。

「う……」

どこからか声がする……

私は一直線に向かうとそこには血で溢れかえったミスクさんの姿がそこにはあった……

やがてミスクさんは私と副団長さんに気がついたのか「あいつらは危険だ」とそれだけを言い残し死んだ。
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