タイムリベンジ

マッシー 短編小説家

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コロシアム

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属性診断の件も終わり私は今冒険者ギルドにいる。

内装はベーン街の冒険者ギルドとは違い石造りで周りの建物に合っていた。

「こちらがミア様の冒険者カードです」

改めて私の冒険者カードを見てみると前のランクがEランクだったのに対しCランクと格段に上がっていた。

副団長さんに聞いたんだけどCランクになるとクエストの幅も広くなったり西王国のコロシアムの参加条件が満たされるらしい。

私は実際のところロイさんには反対されるかもしれないけどコロシアムに出てみたい。

副団長さんは自分の強さを知れるからやってもいいんじゃないかと言っていたけどロイさんはどうかな……

私がそんな事を考えていると「ガチャ」と冒険者ギルドの扉を開けた副団長さんがいた。

「あ! ミア」

副団長さんは私に軽く挨拶し私の隣に並んだ。

「ロイはコロシアムに出場するらしいぞ」

「ロイさんがコロシアム?」

私はロイさんがコロシアムに出場する事に驚きつい言葉が漏れてしまった。

「ああだからミアも出場してみろ」

私が出場? 

そんな事を考えているのを副団長さんは察したのか「ミアはもうCランクに昇格したコロシアム出場の最低条件はクリアしてるよ」

あ、そう言えば私はもうCランクになったんだ。未だに実感は湧かないが副団長さんがそういうのならそうだろう。

「どうだコロシアムに出てみるか?」

副団長さんはもうとっくに答えがわかっているかのような口調で私に質問した。

もちろん私はそれに応えるように「私コロシアムでる!」と言った。

そして副団長さんは笑顔で「わかった!」と言い冒険者ギルドを出ていった。



コロシアムに出る事に今でも後悔はしていない。むしろ後悔なんかより幸運だと私は思っている。

副団長さんから聞いたんだけどコロシアムのルールは三つあって一つ目が対戦相手を殺してはいけない。そして二つ目が剣技、魔法はありだが小道具は一切なし。最後に観戦客に被害を加えてはいけない。

これが主なルールだ。

それとコロシアムは毎年A、B、C、Dとそれぞれのリーグがあり準決勝はAとBそしてCとDで争い二つの勝者ができ決勝が始まる。

これがコロシアムの流れになっている。

「ミアコロシアム開催は明日の早朝から始まる。しっかりと準備しとけよ!」

副団長さんは私にそれだけを伝え冒険者ギルドから去っていった。

「ねえ君!」

私は声のした方を振り向くとそこには私と同い年くらいの少年が立っていた。

「今の人って中央騎士団副団長のリカ・アンダーウォット様だよね!」

少年は興奮気味になっていた。

「そ、そうだけど……」

「おーーやっぱりそうか!」

私の言葉を聞いた途端少年は目に輝きを持った。

少年の目に輝きが出てからものすごい質問の量を浴びせられた。

副団長さんの出会い。副団長さんの意外な姿などほとんど聞き流しで終わってしまった。

「俺はクリア! コロシアムに出るんだっけか?」

クリア? この人もコロシアムに出るのかなぁ……

「うん」

私が答えるとクリアと名乗った少年は「俺もコロシアムに出るんだもしリーグが同じだったら手は抜かねーからな!」

クリアという少年はそれだけいい冒険者ギルドを出ていった。



ここがコロシアム……

コロシアム会場は西王国最大の観光スポットとされている。

毎年このコロシアム会場には全世界から強者が集まり皆が優勝を目指して争っている。

そして私はこの中の一人になったというわけだ。

「リーグの組み合わせを発表します」

女の人の声により会場の皆が静まり返った。

「Aリーグ、リカ・アンダーウォット」

副団長さんの名前が呼ばれた瞬間会場の皆がざわつき始めた。

それを無視するかのように「Aリーグ、グーン・バン、サラ・アサ」

「続きましてBリーグ、ロイ・レイガ」

ロイさんの時は副団長さん並みではなかったが多少のざわつきが起こった。

またもやそれを無視し「Bリーグ、クリア、ビーン・アル」

クリアはどうやらロイさんのリーグで戦い合うらしい。

「続きましてCリーグ、ミア、カラ・ウィン、ヒカ・ラン」

「最後にDリーグ前大会王者マルコ!!」

マルコ? 確かミスクさんと最初に会った時にロイさんが投げ飛ばしていた人だ。

「続いてハサ・バン、タノ・ベーカ」

「これで全リーグ呼び終わりました。最初の勝負はミア対カラ・ウィンです!!」

え? 私!? 私が困惑していると後ろから「頑張れよ!」とクリアが笑顔で言った。
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