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厄介な2人
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2023年1月1日
黒のチェスターコートの中にグレーのパーカ、細身の黒のパンツを履いた未来は、玄関かまちに腰を下ろしてスニーカーの紐を結んでいた。
いつの間にか出来るようになった蝶々結び。
だがどうしても縦結びになってしまうのは何故だう、まぁいいかと、未来は履いたスニーカーのつま先を鳴らして足に馴染ませた。
「気をつけて行くのよ?あ、スマホ持った?お財布は?」
矢継ぎ早にそんな台詞を投げてくるありさに、未来は苦笑いを浮かべて答えた。
「持ってるよ。母さん、俺の事何歳だと思ってるの?」
「だって、何歳になったってあなたのうっかりさんは治らないじゃない」
眉根を下げ、呆れたように瞳を細めるありさに未来は否定の言葉を口にしそうになるがすんでで止めた。
だってマスクがない。
「あ、マスク。多分テーブルの上かも」
はははと、眉根を下げて言う未来に、ありさははぁ~っとわざとらしくため息を吐いた。
そして思う。本当にこの子を一人で出かけさせて大丈夫なのだろうかと。
2013年2月23日
肌を刺すような寒さは無くなった2月末の週末。
未来が玄関でお気に入りの赤いスニーカーを履いていると、頭上からありさが声をかけた。
「いい?ちゃんと内藤さんの言う事聞くのよ?我が儘いっちゃだめよ?」
ハンカチやらティッシュを鞄の中に詰めながら、ありさは未来に念を押しそう言った。
「も~っ、解ってるよ母さん。僕もうそんな子供じゃないし」
朝からと言わず、ここ数日何度となく言われたこの台詞。未来はもううんざりだと、あからさまに大きなため息をついた。
「はぁっ?子供じゃないってどこがよ?全然子供でしょうがっ」
そんな未来のため息と台詞に、ありさの眉間に深い皺が寄る。
年齢もそうだが、今日の準備もしかり、朝も一人では起きれない、片付けも出来ない、上げたら切りがない程、何一つ自分の事が出来ない癖に、子供じゃないなどとよく言えたもんだと、ふつふつと怒りが込み上げてくる。
「ま、まぁまぁありささん。大丈夫ですよ。ちゃんと自分が見てますから」
そんなありさの心中を察し、健二は苦笑いを浮かべながら彼女を宥め、そう約束の言葉を述べた。
「はぁ~、宜しくお願いします」
深い深いため息と共に、健二に頭を下げたありさだったが、まだ心配な気持ちは全く晴れなかった。
意気揚々と家の門まで駆けて行く未来の後ろ姿を、ありさは不安な面持ちで見つめた。
※※※
クランクインとなる撮影は郊外の堤防で行われる。
その為健二とそこまで車で迎い、そして今はロケバス内で共演者と共に、未来は待機をしていた。
「未來君、お肌とっても綺麗ね。色も白いし羨ましいっ」
「俺、未來君に憧れて芸能界入ったんだっ。だから共演出来るなんて夢みたいっ。これから宜しくねっ」
一通りの自己紹介を終えた後、まず初めに未来に弾む声で話掛けてきたのは、ツインテールの可愛らしい顔立ちの少女、こと野村百花《ももか》で、それに続き羨望の眼差しを未来に向けているのは、坊主頭の素朴そうな少年、こと長谷川護《まもる》だった。
「うん、こちらこそ宜しく。年も近いし皆で仲良くやろうね」
二人からの賛辞を笑顔で受け止めるも、早速ちやほやと接してくる二人に、ほらやっぱりと、自分の読みが正しかった事を内心でくすりと笑った。
しかし次に投げかけられた台詞は先の二人とは違っていた。
「でも意外。まさか君が復帰するなんて。もう戻ってこないと思ってたのに。何で?」
探るような視線を未来に向け、そんな質問をしてきたのはショートカットの気が強そうな少女、こと白石優香で、未来はその言葉に思わず意表をつかれた。
「え?何でって、好きだからだよ。こういう仕事が。それに僕はあの時も引退しますなんて言ってないよ。お休みしますっていったのは確かだけど」
僅かに眉を下げながら、しかし笑顔で優香の問に答える未来に、百花と護はそうなんだ~と、なんの曇もない眼差しでそのままに受け止めてくれたのだが。
「でも、普通はそういう子って大概戻ってこないから。戻りたくても戻れない子だって多いと思うし」
優香に加えもう一人、未来を好奇の目で見つめる癖のない黒髪の綺麗な顔立ちの少年、こと深谷斗亜《トア》の物言いに、未来は少し不満気な表情を浮かべ、どう返そうかと思案していると。
「あ、ごめん。感じ悪く聞こえた?でも誤解しないで?僕も君が戻ってきてくれて本当に嬉しいって思ってる一人だから。僕も加藤未來に憧れてたから、だから今回共演出来て凄く嬉しいよ。これから色々宜しくね?」
未来より先に声を発したのは斗亜だった。
彼は綺麗な笑顔で謝罪と友好を示す言葉を述べ、未来に握手を求めた。
「ありがとう。こちらこそ宜しくね」
斗亜の握手に笑顔で答えながらも、未来は果たしてそれは本心なのだろうかと疑わしく思った。
斗亜の独特な雰囲気は他の子役達とは明らかに違っていて、自分は知らない名前だったが、そこそこキャリアのありそうな子だなと感じた。
深谷斗亜と白石優香。
この二人は少し厄介そうだなと、未来は2人を視野に入れながらそう思った。
2023年1月1日
寛也のマンション。
キッチンの換気扇の下。
彼はスマホを右手で耳にあて、左手でiQOSをもちながら言葉を発した。
「じゃあ、何も聞いてなかったんだ、未来の事…」
『そうですね。僕も朝ニュース見た知り合いから聞きましたから』
そう耳に心地よく響く低い声で答えた寛也の電話の相手は深谷斗亜で、あの頃より随分伸びた身長と髪、色気が増した整った顔立ちはミステリアスな魅力を出している。
「そかそか。ごめんな。年明けそうそう電話して」
『いや、全然。気持ちはわかるんで』
大丈夫ですと、暗に気持ちを込めて言う斗亜に、寛也はじゃぁな、また今度飯でもいこうと定番の文句を述べた。
そんな彼に斗亜は分かりましたと答えると、通話を終了するボタンに指で触れた。
そしてそのまま開いたのは未来とのLINEのトーク画面。
“大丈夫?” “どこにいるの?” “連絡待ってるよ”と並ぶ文字の合間には数件の電話マーク。
既読は付いたが返信はやはり無くて、斗亜は深いため息を静かに吐いた。
未来が今、どこでどんな気持ちでいるのかと思うと気が気じゃなかった。
なんでもいい、スタンプでも一言でも、なんでもいいから彼からのアクションが欲しいと、そう斗亜はスマホを切なく眺めながら思った。
黒のチェスターコートの中にグレーのパーカ、細身の黒のパンツを履いた未来は、玄関かまちに腰を下ろしてスニーカーの紐を結んでいた。
いつの間にか出来るようになった蝶々結び。
だがどうしても縦結びになってしまうのは何故だう、まぁいいかと、未来は履いたスニーカーのつま先を鳴らして足に馴染ませた。
「気をつけて行くのよ?あ、スマホ持った?お財布は?」
矢継ぎ早にそんな台詞を投げてくるありさに、未来は苦笑いを浮かべて答えた。
「持ってるよ。母さん、俺の事何歳だと思ってるの?」
「だって、何歳になったってあなたのうっかりさんは治らないじゃない」
眉根を下げ、呆れたように瞳を細めるありさに未来は否定の言葉を口にしそうになるがすんでで止めた。
だってマスクがない。
「あ、マスク。多分テーブルの上かも」
はははと、眉根を下げて言う未来に、ありさははぁ~っとわざとらしくため息を吐いた。
そして思う。本当にこの子を一人で出かけさせて大丈夫なのだろうかと。
2013年2月23日
肌を刺すような寒さは無くなった2月末の週末。
未来が玄関でお気に入りの赤いスニーカーを履いていると、頭上からありさが声をかけた。
「いい?ちゃんと内藤さんの言う事聞くのよ?我が儘いっちゃだめよ?」
ハンカチやらティッシュを鞄の中に詰めながら、ありさは未来に念を押しそう言った。
「も~っ、解ってるよ母さん。僕もうそんな子供じゃないし」
朝からと言わず、ここ数日何度となく言われたこの台詞。未来はもううんざりだと、あからさまに大きなため息をついた。
「はぁっ?子供じゃないってどこがよ?全然子供でしょうがっ」
そんな未来のため息と台詞に、ありさの眉間に深い皺が寄る。
年齢もそうだが、今日の準備もしかり、朝も一人では起きれない、片付けも出来ない、上げたら切りがない程、何一つ自分の事が出来ない癖に、子供じゃないなどとよく言えたもんだと、ふつふつと怒りが込み上げてくる。
「ま、まぁまぁありささん。大丈夫ですよ。ちゃんと自分が見てますから」
そんなありさの心中を察し、健二は苦笑いを浮かべながら彼女を宥め、そう約束の言葉を述べた。
「はぁ~、宜しくお願いします」
深い深いため息と共に、健二に頭を下げたありさだったが、まだ心配な気持ちは全く晴れなかった。
意気揚々と家の門まで駆けて行く未来の後ろ姿を、ありさは不安な面持ちで見つめた。
※※※
クランクインとなる撮影は郊外の堤防で行われる。
その為健二とそこまで車で迎い、そして今はロケバス内で共演者と共に、未来は待機をしていた。
「未來君、お肌とっても綺麗ね。色も白いし羨ましいっ」
「俺、未來君に憧れて芸能界入ったんだっ。だから共演出来るなんて夢みたいっ。これから宜しくねっ」
一通りの自己紹介を終えた後、まず初めに未来に弾む声で話掛けてきたのは、ツインテールの可愛らしい顔立ちの少女、こと野村百花《ももか》で、それに続き羨望の眼差しを未来に向けているのは、坊主頭の素朴そうな少年、こと長谷川護《まもる》だった。
「うん、こちらこそ宜しく。年も近いし皆で仲良くやろうね」
二人からの賛辞を笑顔で受け止めるも、早速ちやほやと接してくる二人に、ほらやっぱりと、自分の読みが正しかった事を内心でくすりと笑った。
しかし次に投げかけられた台詞は先の二人とは違っていた。
「でも意外。まさか君が復帰するなんて。もう戻ってこないと思ってたのに。何で?」
探るような視線を未来に向け、そんな質問をしてきたのはショートカットの気が強そうな少女、こと白石優香で、未来はその言葉に思わず意表をつかれた。
「え?何でって、好きだからだよ。こういう仕事が。それに僕はあの時も引退しますなんて言ってないよ。お休みしますっていったのは確かだけど」
僅かに眉を下げながら、しかし笑顔で優香の問に答える未来に、百花と護はそうなんだ~と、なんの曇もない眼差しでそのままに受け止めてくれたのだが。
「でも、普通はそういう子って大概戻ってこないから。戻りたくても戻れない子だって多いと思うし」
優香に加えもう一人、未来を好奇の目で見つめる癖のない黒髪の綺麗な顔立ちの少年、こと深谷斗亜《トア》の物言いに、未来は少し不満気な表情を浮かべ、どう返そうかと思案していると。
「あ、ごめん。感じ悪く聞こえた?でも誤解しないで?僕も君が戻ってきてくれて本当に嬉しいって思ってる一人だから。僕も加藤未來に憧れてたから、だから今回共演出来て凄く嬉しいよ。これから色々宜しくね?」
未来より先に声を発したのは斗亜だった。
彼は綺麗な笑顔で謝罪と友好を示す言葉を述べ、未来に握手を求めた。
「ありがとう。こちらこそ宜しくね」
斗亜の握手に笑顔で答えながらも、未来は果たしてそれは本心なのだろうかと疑わしく思った。
斗亜の独特な雰囲気は他の子役達とは明らかに違っていて、自分は知らない名前だったが、そこそこキャリアのありそうな子だなと感じた。
深谷斗亜と白石優香。
この二人は少し厄介そうだなと、未来は2人を視野に入れながらそう思った。
2023年1月1日
寛也のマンション。
キッチンの換気扇の下。
彼はスマホを右手で耳にあて、左手でiQOSをもちながら言葉を発した。
「じゃあ、何も聞いてなかったんだ、未来の事…」
『そうですね。僕も朝ニュース見た知り合いから聞きましたから』
そう耳に心地よく響く低い声で答えた寛也の電話の相手は深谷斗亜で、あの頃より随分伸びた身長と髪、色気が増した整った顔立ちはミステリアスな魅力を出している。
「そかそか。ごめんな。年明けそうそう電話して」
『いや、全然。気持ちはわかるんで』
大丈夫ですと、暗に気持ちを込めて言う斗亜に、寛也はじゃぁな、また今度飯でもいこうと定番の文句を述べた。
そんな彼に斗亜は分かりましたと答えると、通話を終了するボタンに指で触れた。
そしてそのまま開いたのは未来とのLINEのトーク画面。
“大丈夫?” “どこにいるの?” “連絡待ってるよ”と並ぶ文字の合間には数件の電話マーク。
既読は付いたが返信はやはり無くて、斗亜は深いため息を静かに吐いた。
未来が今、どこでどんな気持ちでいるのかと思うと気が気じゃなかった。
なんでもいい、スタンプでも一言でも、なんでもいいから彼からのアクションが欲しいと、そう斗亜はスマホを切なく眺めながら思った。
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