溺愛!俺様プリンスとうさぎちゃん。

みちる

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~LovE~

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 翌朝、いつも通り家を出ると、何故か人影が。も・・もしかして。

『おっす!』

それはそれは、やっぱりカッコいい湊くん。

『お・・おはようございます。どうしたんですか?』

『迎えに来たに決まってんだろ!遅すぎー。』

と爽やかに笑う湊くん。その素敵さに不覚にも見とれてしまい、ずっと見つめていた私。

あれ?湊くん、なんか顔赤い? 気のせいだよね。太陽の光のせいかな?

『ほら!行くぞっ!遅刻するぞっ!』

いつも授業中寝てるのに、湊くんは真面目なのか分かんないな。なんて、思っているとまた強引に手を引かれ学校へ。

『ま・・待って!手繋いでるの見られちゃうよ。』

焦る私に湊くんは、

『見せればいいじゃん。付き合ってんだし、問題ねぇだろ!』

『え?で・・でも。』

恥ずかしがる私を気にもとめず、そのまま歩き出す湊くん。

私、手を繋ぐとキュンとなるんだよね。なんでだろう?

教室に着き、それでも手を離さない湊くん。皆の注目を浴びて、赤面する私。 それを見てニタニタしている凛ちゃん。

『みちるー!おはよー。湊もおはよー。みちるー、顔真っ赤だよ。みちるってば可愛い。』

ニタニタしながら、凛ちゃんは冷やかす。

『当たり前だろ!俺の女だからよ。』

湊くんは当たり前のように言う。周りでは、うそー!やら、いつから?など物凄い騒ぎ。

ただただ下を向き、真っ赤な私。もぅ恥ずかしくて逃げ出したくなった。席を立とうとした時。湊くんに腕を掴まれた。

『大丈夫!逃げんな!お前は何も悪い事してねぇだろ?それに、俺の気持ちは本物だ。自信持って堂々としとけ。』

湊くんは優しく笑う。そして、座った私に

『いいこ、いいこ。』

と頭をポンポンしてきた。あー!ダメダメ!キュンキュンが倍増してる。

このキュンキュン一体なんなの? 私、どうしちゃったの?

なんか、俺の女とか言われて、とても嬉しい。

そして、次の日から毎日一緒に登校する事になり、湊くんは本当に優しいの。けど、一番嬉しいのは私だけに優しいこと。他の女の子が話し掛けても可哀想な程、冷たい。

そういえば、凛ちゃん言ってたな。

そして、今日は凛ちゃんが用事で、湊くんと帰ることになった。ニタニタして帰って行く凛ちゃんを見送る私達。

その時、先生に呼ばれた湊くん。どうしたのかな? 私は戻って来るまで教室で待ってる事に。湊くんはとても過保護で、私の事心配し過ぎなの。小さい子供に言うように、

『ここを動くなよ!ちゃんと待ってるんだぞ。』

って・・・本当私はもう17歳なのにな。

その時、ガラガラッ・・・

湊くん、帰って来たのかな? そこに居たのは湊くんではなく、前に私に告白してきた優等生くん。

『あ・・あのどうしたんですか?』

私が聞くと優等生くんは、困ったような顔をした。

『やっぱり星川さんの事を忘れられなくて。やっぱり好きなんだ。』

そう言い、ジリジリと近付いて来る優等生くん。なんかこの人目が恐い。ニコニコしているけど、目が笑ってない。

『こ・・来ないで下さい。』

恐くなった私は優等生から逃げようと必死だった。

『僕はこんなに君の事が好きなのに。なんで、アイツなんだ。僕の方が君の事幸せに出来るはず。だから、僕の事を見て・・・』

ジリジリ迫ってくる優等生くん。

『や・・やめて!来ないで!』

私は思わず叫んだ。

『なんて可愛い叫び声。僕、叫ばれると興奮するんだ。アイツの何処がいいんだよ。僕の方が・・・』

逃げないと。いくら鈍感な私でもこの状況がどんなに危険か分かる。逃げなきゃ!逃げなきゃ!でも、恐くて体が言う事をきかない。足も手も体中が震えてくる。

『アイツの何処がいいんだ!?あんな金髪野郎・・・』

優等生くんが怒鳴った。恐くて涙が出る。でも、湊くんを悪く言われて嫌な気持ちなった。

『湊くんの事を悪く言わないで!湊くんはあなたみたいに私の事を恐がらせたりしない。』

その時、ゴンッと激しい音がした。優等生くんが机を思いっきり蹴り飛ばしていた。

恐怖に震える私。この人何をするか分からない。恐い。恐い。湊くん・・湊くんに会いたいよ。

ジリジリと迫って来る優等生くん。私の背中には壁。もうダメだ。逃げられない。恐くて涙も止まらない。体中が震えて何も出来ない。

『もうアイツはやめて、僕の彼女になってよ。』

優等生くんは私の両手を壁に固定し、動けなくした。

『僕の彼女になってくれるよな。それでいいんだ。僕の方がいいんだから。』

優等生くんは顔を近付けてくる。キ・・キスされる。絶対嫌! 好きな人とじゃないと嫌!その時、あの人物の顔が浮かんできた。こんな時に自覚するなんて。

『嫌!私は好きな人じゃないと嫌! 私は湊くんが好きなの。湊くんじゃないと嫌なの。だから、アナタとは付き合えない。』

私は私らしくなく、力強く言った。

それを聞いた優等生くんは、鋭い目で私を睨み付けた。そして、手を振り上げた。

あ・・・これは殴られるのか。目を固く瞑り、覚悟を決めたその時。

ドカッ!とドアが開く音がした。そして、その人物は物凄い勢いで走って来て、優等生を私から引き離し、思いっきり優等生を殴った。

そして、『恐かったな。よく頑張ったな。遅くなってごめんな。』

と、優しく抱き締めてくれた。顔を見なくても分かる。私の大好きな人。

そして、湊くんは優等生くんを鋭く睨み、

『よくも俺の彼女をこんなに恐がらせてくれたな。好きならもっと違うやり方があるだろ。お前のやり方は間違っている。好きな奴を恐がらせてどうするんだ。』

優等生くんは無言で出て行こうとする。そんな彼に湊くんは冷たく言った。

『こいつは俺の女だ。お前に勝ち目はない。もう二度とこいつに近づくな。もし近付いたら病院送りにしてやるからな。』

それを聞き、悔しそうに優等生くんは出て行った。

優等生くんが出て行き、私はその場にへたり込んだ。恐くて体の震えが止まらない。もう涙で顔もぐちゃぐちゃだ。

そんな私を湊くんはぎゅっと抱き締めて、背中をずっとさすってくれた。そして、

『もう大丈夫だ。ごめんな。俺がもっと早く来ていたらこんな事には・・恐かったな。』

湊くんは辛そうな顔で私を見ていた。

『何もされてないか?何かされた?』

『壁に追い詰められて、手を・・・』

言い終わらないうちに湊くんは真剣な目で私の手を調べる。そして、何処もケガしてないな。と、安心していた。

『湊くん、ありがとう。助けてくれて・・ありがとう。湊くんに早く会いたかったよ。』

それを聞いた湊くんは目を見開いた。私は湊くんに気持ちを伝えたくてたまらなくなった。本当は彼は私をどう思っているのか分からない。もしかしたら、本気じゃないかもしれない。でも、例え傷付いても伝えたい。

『湊くん、私さっき凄く恐かったの。でも、あんな状況で大切な事に気付いたの。』

涙の止まらない私。湊くんは急かすことなく、優しい目で真剣に聞いてくれる。

『私、湊くんのこと、好き・・大好き。』

それを聞いた湊くんは固まる。え?やっぱりダメか・・
そう諦めかけた時。湊くんは私を強く抱きしめた。そして、

『まじで嬉しい。誰にも取られたくなくて、強引に彼女になってもらったりして・・これからも俺の一方通行のままかと思っていたんだ。すっげー嬉しい。』

『湊くんは・・私の事どう思ってますか?』

私の真剣な顔にフッと笑い、今更かー?とブツブツ言っている。

『お前今まで俺の気持ち伝わってなかったのか? とんだ鈍感うさぎだな。』

と笑い、私の目を見つめる湊くん。あーこんなに見つめられるとダメだ。あーこれはダメー。なんて思っていると

『好きだよ。星川みちる。俺はお前が好きだ。』

そう言い、優しいキスをくれた。

ん?キ・・キス? 確かに今したよね。唇に彼の唇が・・・みるみるうちに真っ赤になり、両手で顔を覆う私。

『お前可愛すぎるだろ。これ位で恥ずかしがってどうする。もっと凄いことこれからするのに・・・』

彼の言葉に顔を上げられなかった私。そんな私を愛おしそうに見つめる彼。

そんなこんなで、私たちは恋人になりました。

まだまだ男の子は苦手だけど、湊くんだけは大丈夫。そりゃドキドキするし、顔見るだけで、カッコよすぎて見惚れてしまうけど、私は彼が大好き。

恋っていいもんだね。これからも2人で仲良く一緒にいようね。

                                      END
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