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~LESSON 3~

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それから公園に着き、私達は手を繋いだまま歩いていた。

夕方の公園は小さな子供達や、小学生で賑やかだった。

運良く一つだけベンチが空いていた。

私達はベンチに座った。私は男の子と2人きりすら初めてで、しかも手を繋いだ状態でベンチに座っているなんて初めて。

落ち着かない。ドキドキが止まらない。どーしよー。あ?手を離してみる?離せば少しドキドキが落ち着くかな?と思い、ちょっとだけムニっとしてみた。

ギューーーーーっ!! それに反応するかのように、湊くんは手をギューーーーーっとしてきた。

あー!これじゃあ、よけい恥ずかしいではないか・・・

またもや百面相で、ソワソワしていた私に湊くんは、

『お前本当可愛いのな。ちょっと恐がりなウサギみたいだな。ちっこくて、チョコチョコ動いてて。』

そして、もう片方の手で頭をヨシヨシ撫でてくれた。

赤面の私に『俺、お前にかなり惚れたわ。もぅほっとけねぇし、ヤバイほど好きだわ。今日からお前、俺の彼女な!』

ん?今なんて言った? 好き? 彼女?

『え?え?えぇぇーーー! ちょっと待って! 彼女?な・・なんでですか?』

焦る私に『大丈夫。大丈夫。お前は絶対俺の事好きになるから。それに、絶対幸せにしちゃる!』

ん?しちゃるって・・どんな自信なの?

『わ・・私、今まで彼氏いた事ないよ。それに、こんなだし。湊くんは超絶イケメンだから、私なんかよりももっと素敵な人と・・・』

言い終わらないうちに、湊くんは私のほっぺたを両手で摘んだ。そして、

『お前がいい。お前以外は圏外。』と優しい目で言った。

『は・・離してくだしゃい。ほっぺた腫れちゃいましゅ。』

あははと笑い、離してくれた湊くん。

そして、『お前には拒否権ねぇからな。今日からお前は俺の彼女。宜しくな!』

そして、優しく大切そうにぎゅーっと抱きしめられ、ほっぺにチュッとされてしまいました。

赤面の私に湊くんは『可愛いな。マジで可愛い過ぎー。』

と言い、『さてと!帰るか。』と当たり前のように手を繋ぎ家まで送ってくれました。

携帯もサラッとちゃっかり交換させられ、まるで私は彼の言いなりのようです。

でも、嫌じゃないんです。どうして? 私ってMなの?

部屋で一人ブツブツ言い、その独り言が大き過ぎて、お母さんに不審な顔で見られた事は内緒にしておこう。

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