お客様の言いなり!?

みちる

文字の大きさ
2 / 2

☆デート??☆

しおりを挟む
 振り向くとそこには素敵な彼の姿が。

ん?今さっきはジーパンにパーカー姿だった彼。

何故? 今ここに居る彼は高そうなスーツをビシッと着ている。何? どうしたの?

『服着替えられたんですか?』

不思議そうな顔の私に彼は爽やかに笑う。

『ちょっとね。まぁー・・着いて来れば分かるよ。』

え?着いて来ればって何処へ行くの?

不安そうな私に『大丈夫、大丈夫!』と苦笑いの彼。

着いた先はお洒落なカフェ。私がいつも来るようなカフェじゃなく、品の有るオシャレなカフェ。

『うわぁ。オシャレなカフェですね。』

『そうだろ? 気に入ってもらえて良かったよ。』

と、安心した様に言い、席に着く。ココのカフェはとても広々としていて、椅子はソファのようにフカフカで、とても居心地が良い。

『何頼む? あっ!仕事上がりだし、お腹空いてるんじゃないの?』

確かにお腹空いてる。けど、言えないよ。それに、緊張して食べれないよ。どうしよう。私が困っていると、じゃあ、勝手に頼んじゃっていい?と聞き、メニューをピラピラめくる彼。

『奈々ちゃんは甘いの好き? コーヒーは砂糖入り?』

と聞いてきた。

『あっ。コーヒーはいつもお砂糖なしです。でも、甘い物は好きです。』

『おー。意外だな。可愛い顔してるから、甘いコーヒーが好きなのかなと思っていたよ。』

『いえ・・そんな可愛い顔だなんて、全然ですよ。よく童顔だからか苦いコーヒーダメでしょとか言われます。』

そういうと、『可愛いイメージでいいじゃんか。』

と笑う彼。あーかっこいいな。大人の男の人。それにとても一緒にいて安心するよ。  

お腹が空いているのを雰囲気で気付いてくれた中川さんは、サンドウィッチとコーヒーを頼んでくれた。そして、1人じゃ食べにくいだろ? と一緒に食べてくれた。

本当に優しい。けど、なんか話したい事って言ってたよね。何なんだろう?

食べ終わり、落ち着いた頃。彼は私に一枚の名刺を渡した。何だろうと見ると、それは彼の名刺。

『中川コーポレーション  代表取締役社長 中川 仁  』

『あ?中川さんって・・・テレビで見た事ある! あの有名な会社の社長さんだったんですか?』

私は驚き、興奮気味に言った。

『あはは。奈々ちゃんは素直で可愛いね。そうそう。そんな有名な・・なんて恐縮だけどね。』

『私、ずっと何処かで見た事がある気がしていたの。』

中川コーポレーションは赤ちゃんの離乳食や幼児食、飲料などの食品。哺乳瓶や抱っこ紐などなど・・赤ちゃん用品を扱う大手の会社。そこの社長さんだったなんて。

『それでね、奈々ちゃんに話があるんだ。 実はこんな年の離れた奴に言われると、困ると思うけど、人目見て奈々ちゃんの事気に入ってしまってね。 俺の専属の秘書になってくれないかな。』

『え?ひ・・秘書? 私資格も何も無いですし、何も出来ないですよ。』

『資格も経験も何も要らないよ。ただ俺の側に居てくれたらそれだけで良い。』

『で・・でも、私実は下に3人弟と妹がいまして、家の為にも働かないといけないんです。少しでも両親の負担を減らしたくて、お弁当屋さんで働いてるんです。』

『奈々ちゃんは本当にいい子だ。ただ働きなんて、誰も言ってないよ。秘書として、ちゃんと給料は払うよ。ただ、俺の側に居て欲しい。後は、奈々ちゃんが働く姿を見て、この子は本当に面倒見が良いんだなと思った。うちは、赤ちゃん用品を扱っているだけでなく、専門の講師を招き、子育ての講習会もよく開いている。その間は赤ちゃんだけ預かり、母親達は講習会に参加する。無理の無い程度で良いから、赤ちゃんの世話だけはお願いしないといけない。』

私は下の兄弟のお世話をして来たので、赤ちゃんのお世話も出来ない事は無い。けど、毎日こんな素敵な人といると私心臓が持たないな。どーしたら良いの?

『奈々ちゃんの素直な気持ちが知りたいんだ。俺は奈々ちゃんに本気で惚れてしまったみたいだよ。だから、奈々ちゃんの気持ちも、奈々ちゃん自身の事も大切にしたい。奈々ちゃんの気持ちを知りたい。』

私の素直な気持ち・・・溢れ出す私の気持ち。もう隠さなくてもいいよね。

『私は初めて見た時に、本当に素敵な人だなと思いました。お客様として来て下さり、あなたがとても優しい人だと感じ、いつ間にか中川さんが来るのを待っていました。ドキドキして、緊張して、どうすれば良いのか分からないですが、私な中川さんが好き・・みたいです。』

中川さんは目を見開いて固まっていた。そして、

『マジかぁー。マジですっげぇ嬉しい。こんなおっさん、相手にしてくれないと思ってたよ。』

『私もこんなガキを相手にしてくれないと思ってました。』

2人で顔を見合わせフフッと笑う。そして、しばし沈黙の後、中川さんは真剣な顔で言った。

『奈々ちゃん。俺たち、付き合うか?まぁー、拒否権はねぇけどな。』

え?口調変わった?しかも、突然俺様キャラになったよね。何?二重人格者!?ブツブツ言いながら、百面相中の私に彼は笑い言った。

『こっちが本当の俺。一応社長だからよ、口調とか使い分けてんの。彼女の前位はリラックスしてぇだろ。素の俺で居たいんだ。』

『そ・・そうなんですか。びっくりしました。私は紳士的な中川さんも好きですけど、俺様な中川さんはもっと好きです。』

言った後に恥ずかしくなり、真っ赤になってしまった。

『あれ?奈々ちゃん積極的ー!えらいストレートに言ってくれたね。』

とあははと笑う中川さん。砕けた喋り方になり、かなり喋りやすくなった。

『顔真っ赤だけど、大丈夫?見てやろうか?』

と顔を近付けて来る・・・

『ひゃ・・ひゃひゃ・ひゃひゃ・・』

意味不明な言葉を発する私。爆笑する彼。あーダメだー。

『そうだ。奈々ちゃん。今から敬語は無しな!それから名前で呼んで。俺は奈々って呼ぶよ。』

『え・・えっと、でも恥ずかしいです。』

すると中川さんは・・・立ち上がり、私のほっぺにチュッ・・・

え?え?えぇ? 今の何?パニックな私に『可愛い』と笑う彼。

『今から敬語使ったらほっぺたにブチューするぞっ。それから、名前は?ほら呼んでみ?』

『ブチューって。恥ずかしいじゃないです・・恥ずかしいよ。えーっと、仁さん? 仁君?仁ちゃん?』

『仁ちゃんはないないー!それ以外で!はいっ。どうぞっ!』

『じ・・・仁くん。』

『うん。合格!』

中川さん・・じゃなく、仁くんは優しく笑った。あー私、この人の笑った顔好きだな。もっと笑った顔見たいな。

『奈々っ!』

不意に呼ばれ、ドキッとした私。

『秘書の件はどうしたい? 俺はお前をずっとそばに置いときたい。弁当屋と奈々の両親には俺も一緒に話してやる。だから、良い返事を貰いたい。』

『あ・・私は何も出来ないですが、私も仁くんのそばに居たいです。なので、お願いします。』

仁くんはニヤリと笑い、わたしのほっぺたにチュ。そして、ほっぺたじゃなくて、唇って言っとけば良かった。とブツブツ言い、

『ありがとうー。すっげぇ嬉しい。』

と言い、頭をヨシヨシしてくれた。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...