今は君のことだけ〜過去も未来も忘れて〜

土曜日の朝

土曜日、翔太は朝の8時過ぎに目を覚ました。昨日、彼女の宏美から無料通信アプリで連絡が来てから、どこか落ち着きがなく、そわそわしてる。

まっすぐに、キッチンへ行き電気ケトルでお湯を沸かし、いつものインスタントコーヒーを淹れた。朝食は決まってトーストを食べる、トースターに6枚切りの食パンを1枚、放り込んだ。

ボーッとした頭で、テレビを観ながら、トーストにバターをたっぷりと塗り、ブラックコーヒーを流し込む。

少しは、頭も回転してきて、今から1週間分の溜まった洗濯を済ませ、昼前に家を出て、ひろみの家に行くんだ！と、今日1日の予定を考えていた。

先程つけたテレビには、顔の大きな女の子のキャラクターが「ボーッと生きてんじゃないわよ！」と言っている。全く関係がないのに、まるで自分が言われているかの様な気持ちになり、より一層、頭が冴えてきた。

今日は天気が良く、絶好の洗濯日和だ！翔太は、張り切って洗濯を始める。

洗濯の次は、掃除に取り掛かり、ベッドの下やテレビの後ろも、キッチリと掃除機やハンディクリーナーをかけた。翔太は、綺麗好きなのだ。

そろそろ、宏美の家に行く準備をしないと！といっても、大学時代と変わらないラフな格好だけど。
特に持ち物もなく、スマホと財布さえあれば良し。

玄関ドアのカギをかけながら、夜に僕は帰ってきて、ドアに鍵を差す瞬間どんな気持ちだろうかと、ぼんやりと思った。