この世では『ネコ』という言葉が禁じられている

枢花

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第3話~お姉ちゃん《由紀乃side》~

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お姉ちゃんと一緒にの布団で眠っていた頃、お姉ちゃんは苦しんでた。
お姉ちゃんは、今でも見えない敵と戦っているのかな。
いつも、お姉ちゃんの言う『お仕事』が終わった後
「う..うぅううう..」
呻き声が聞こえて、..最初は野良犬が鳴いていると思ってたんだけど、だんだん怖くなってきて
「お姉ちゃん..お姉ちゃん」
と体を揺すったの。
ん?どうしたの?と眠たそうな顔をして、私をぎゅってしてくれるはずのお姉ちゃん。でも、何も返ってこなくて。心配になってお顔を覗き込んだら
「はぁはぁはぁ..うぅ」
沢山汗をかいていて、インフルエンザなのかと思った。
お母さんを急いで呼んで来ないと!
布団を飛び出してお母さんのいる和室に行こうとしたら___ギュッ。と手首を掴まれて。
「お姉ちゃんは、悪い夢を見ただけ..はぁは..ぁ...だから。大丈夫よ。」
「本当に?病気じゃない?」
無理してるように見えるよ。家族でしょ?もっと私に心をゆるしてほしいよ。
「うん。」
その声は重たくて、顔は青白かった。
「由紀乃、ほら、一緒に寝よ。」
優しいお姉ちゃんの微笑みは血色の悪い顔と合間って、死んでしまうかのように思えた。
布団に二人並んで同じように横になった。
「お姉ちゃん...お姉ちゃん...」
しつこいと怒られてしまうかもしれない。そう思ったけどお姉ちゃんの顔は優しく、ただ...うん..うん。と返事をしてくれていた。
この家では『家族』という言葉が意味を成さない事を知っている。お姉ちゃんだって当然の事だと思ってるはず。
一時の迷いだと思われても良い。
__________お姉ちゃんを救いたい。
私は、その一心でお姉ちゃんを包み込む様に抱き締めた。
「お姉ちゃんの最強の見方は私だよ」
お姉ちゃんは嫌がる素振りを見せることなく朝までずっと私につきあってくれた。
私は、どんなことよりも嬉しかった。



お姉ちゃんはバレてないと思ってるけど、泣いてたの知ってるよ。




この事があってからお姉ちゃんは、私に甘えてくれるようになった。
今では
「由紀乃~~膝枕してぇーー?」
こんなに甘えることが上手くなって、ちょっぴり困っていたりするけどね。
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