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深い山の中を一人の青年が駆け降りる。
周囲の木々の枝はねじくれ絡み合って空を覆い、あたりは昼間だというのに薄暗い。
枝をかき分け、腐葉土を踏みしめながら彼は道なき道をひた走る。
彼は靴を履いていなかった、衣服もボロボロのシャツとズボンだけだ、
衣服もボロボロだったがそれ以上にその“中身”が傷だらけだった。
身体中のいたるところに痣や切り傷があり痛々しい。
右目には包帯が巻かれていて、血膿で赤茶色ににじんでいた。
脚を進めるたびに全身に痛みが走るが、止まるわけにはいかなかった、
夜になる前に麓に降りなければ竜が出るかもしれない。
(このまま進めば沢に出るはずだが……)
しかし、進めども水の気配は現れない。
(一度引き返すべきか……)
進路への迷いに後ろ髪を引かれるように一瞬後ろを向いたその時、
“右側”の死角にあった枝に頭をしたたかに打ち付け、
そのまま派手にすっころんだ。
受け身を取ることができず、まともに背中から倒れこんでしまった、
自分の体で下敷きにした“尾”の骨が軋む感覚がした、枝に打ち付けた“角”も痛む。
痛む体を地面から引き離し再び走り始める。
引き返すことはできなかった、引き返すわけにはいかなかった。
彼らと決別してしまった自分はもう、この道を進むしかないのだから。
周囲の木々の枝はねじくれ絡み合って空を覆い、あたりは昼間だというのに薄暗い。
枝をかき分け、腐葉土を踏みしめながら彼は道なき道をひた走る。
彼は靴を履いていなかった、衣服もボロボロのシャツとズボンだけだ、
衣服もボロボロだったがそれ以上にその“中身”が傷だらけだった。
身体中のいたるところに痣や切り傷があり痛々しい。
右目には包帯が巻かれていて、血膿で赤茶色ににじんでいた。
脚を進めるたびに全身に痛みが走るが、止まるわけにはいかなかった、
夜になる前に麓に降りなければ竜が出るかもしれない。
(このまま進めば沢に出るはずだが……)
しかし、進めども水の気配は現れない。
(一度引き返すべきか……)
進路への迷いに後ろ髪を引かれるように一瞬後ろを向いたその時、
“右側”の死角にあった枝に頭をしたたかに打ち付け、
そのまま派手にすっころんだ。
受け身を取ることができず、まともに背中から倒れこんでしまった、
自分の体で下敷きにした“尾”の骨が軋む感覚がした、枝に打ち付けた“角”も痛む。
痛む体を地面から引き離し再び走り始める。
引き返すことはできなかった、引き返すわけにはいかなかった。
彼らと決別してしまった自分はもう、この道を進むしかないのだから。
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