異世界陰陽録

蟠龍

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第2章 戦いの幕開け

乙女達の誤解

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「つまり…俺は2人に結婚の約束をしてしまったと??!」

「「そうだよ!!!」」


さて、今どういう状況なのか。
少し整理しよう。

目の前には扉を突き破って入ってきたリンファちゃんとアル、そして神妙な顔をしたリーシャさん。
俺にもさっぱり分かっていません。マジで。

突然異世界に飛ばされて、色々な人種(獣種?)の人達に会って《赤い霧》に襲われて…
何故かよく分からんが陰陽師の霊符ふだは使えるから戦ったり、壁もとい『あーちゃん』と遭遇して


んで、扉の下敷きになりました。


うん!自分でも意味わからんな!


「クロガネ、酒場で土下座ドゥゲーザしたよね?」

なんかめっちゃ変なルビが振ってあるが気にしない気にしない

「あ、ああ。その、ちゃんと身分を明かさなかったのは申し訳ないし、もしかしたら殺されるかもしれないと思って…」
「で、ボクにも土下座ドゥゲーザしたよね?」

だからなんだそのルビ…いや何も言わん

「そりゃ突然お姫様抱っこするとか不審者だし、命の危機を前にしてつい。」

その言葉を聞いた2人は盛大に溜め息をついた。
なんなんだそのアメリカ人風のオーバーリアクションは。エセ外国人みたいだぞ…

「もしかしてクロガネの故郷って一夫多妻制なのかい?」

「いやそんな!普通に一夫一妻…?だ。」

やはり話の流れが分からない…どうして突然結婚とか夫婦の話になるんだ?

と、
ずっと黙っていたリーシャさんが口を開いた。

「クロガネ、土下座ドゥゲーザは知ってるかい?」

「そりゃ…最大限の謝罪の意を表す謝り方ですよね?心からの謝罪かな…」




「「ええっ!??!」」


「えっ!?なんでそこで驚く2人とも!!」

「なるほどね…
文化の違いなのかねぇ。
いいかいクロガネ、この国…この世界では土下座ドゥゲーザをすることは結婚の申し込み、つまりをすることと同じなんだ。」


「は?」


そう。俺は忘れていた。たとえ言葉が通じようとも。ここは正真正銘、なのだと。
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