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3しょうじょとゆめ
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その後、その子、キラというらしい。と共に夕食の準備をしていた。
彼女はずいぶんと手際がよく、夕食はすぐに食べられる状態になった。
いけすの魚を焼いたものだけという素っ気ない食事だったがキラはかなりがっついて食べていた。
おなかがすいていたのだろうか。
溺れていたことも含めて、まだまだなぞが多い。
「きみはさあ、キラちゃんはどうして海で溺れてたの?」
「...。」
キラは特に話してくれることはなかった。
名前はおしえてくれたのに、と、少女は不満げにほっぺたを膨らませた。
「仲間とかいたの?一人だった?」
「...。」
手に持った本から目を話さないキラに、少女は質問を投げつける。
が、手応えはなかったようで、次はどうかしようか長考にはいる。
が、ふと口からでたように、
「私は一人だったんだよね。ずっと。」
キラは反応したように手の動きを止めたが、すぐにページをめくる音だけが響く。
少女もじっと動かずに星が見え始めた黒い空を眺めている。
二人は動かない。
永遠にも感じられる時間を切り開いたのは、キラだった。
「...この世界に化け物、人の姿をした人ではないものっているとおもいますか?」
「いるよ。」
化け物。だなんて突拍子もないことにたいして、即答した少女に、キラは驚いて、そちらを見た。
少女の横顔は、全てを知ってそうで。
キラは自分が恐ろしさを感じているのだと気づいた。
「見たことあるんですか!?あれは一体何なんです!知ってることがあるなら私にッ、教えてください!」
キラは震える声で、答えをもとめた。
黙って聞いていた少女はなにも言わなかった。
やがて、大きなため息をついたあと、
「何もいわないのであればそれでいいです...。すみません」
キラは答えを聞いたところでなんとかなるものではないと知っていたから、それ以上なにも言わなかった。
先ほどとはうって変わってしゃべらなくなった少女は、行動を始めた。
部屋のすみにあったほこりを被っていた布団をはたき、敷いた布団に座る。
そして、その横に敷いてあった布団を指差してキラを見ていた。
キラはなにも言わずに布団に座った。
しばらく、見つめあったあとにキラが先に布団に潜った。
その後すぐに、もうひとつ布団に潜る音が聞こえた。
これは悪夢だ。
キラ、彼女は自らの夢であると確定させた。
もう、すでに、ここには、いない、かつての、友達が。
あのとき、たしかに目にうつった化け物が。
ソレを存在するといい放ったあの人が。
もう信じられなくて。
手に汗をびっしょりとかいていた。
後ろに誰かいる気がして、振り向いたけど何もいなかった。
自分が怯えているものがなにかわからなくて、怖かった。
「はアッ、はぁ!」
呼吸が乱れて上手く息が吸えない...!
何もかもが怖い。
視界に入っているのは、一本のナイフ。
魚の内臓を取り出すときに使ったものだった。
ソレを手にとって、自らの胸に突き立てる。
これで私のなかの怖いものを取り除けばッ!
刹那。
手に持っていたものが弾かれた。
すでに終わった動作だった。
私の命を奪いかけていたものが、海の暗闇に、飲み込まれた音がした。
「私が一人だった理由、なんだったんだろう。」
色気があるようで、それでいてないような声がした。
突然の出来事で座り込んでしまって、そのまま首を後ろに向ける。
化け物。とは言えないような化け物がいた。
ソレは触手。一言で言えば、たこあし。
可憐な小女には、合わせても合わないようなものが。
その少女の背中からまるで別の生き物のようにうねりながら。
生えていた
「怖い。こわい
目から滴が流れてきたが、深い意味はないだろう。
ただ、怖かっただけ。
顔に柔らかいものが当たる。
しばらくして、 相手が座り込んでやっと見下ろせる程度の身長の少女に、その不釣り合いな豊かな胸を押し付けられながら、抱き締められていることに気づいた。
「何が怖かったのか、このお姉ちゃんにいってみなさい?」
触手はすでになくて、笑顔の少女がいるだけだった。
「ぁ、ごめっ、ごめんなさっごめんなさい。」
「ああ、そんなに謝らなくてもいいのに...」
涙が二人の少女の服にシミを作っていく。
「おやすみなさい。」
少女はキラからしずかにはなれた。
彼女はずいぶんと手際がよく、夕食はすぐに食べられる状態になった。
いけすの魚を焼いたものだけという素っ気ない食事だったがキラはかなりがっついて食べていた。
おなかがすいていたのだろうか。
溺れていたことも含めて、まだまだなぞが多い。
「きみはさあ、キラちゃんはどうして海で溺れてたの?」
「...。」
キラは特に話してくれることはなかった。
名前はおしえてくれたのに、と、少女は不満げにほっぺたを膨らませた。
「仲間とかいたの?一人だった?」
「...。」
手に持った本から目を話さないキラに、少女は質問を投げつける。
が、手応えはなかったようで、次はどうかしようか長考にはいる。
が、ふと口からでたように、
「私は一人だったんだよね。ずっと。」
キラは反応したように手の動きを止めたが、すぐにページをめくる音だけが響く。
少女もじっと動かずに星が見え始めた黒い空を眺めている。
二人は動かない。
永遠にも感じられる時間を切り開いたのは、キラだった。
「...この世界に化け物、人の姿をした人ではないものっているとおもいますか?」
「いるよ。」
化け物。だなんて突拍子もないことにたいして、即答した少女に、キラは驚いて、そちらを見た。
少女の横顔は、全てを知ってそうで。
キラは自分が恐ろしさを感じているのだと気づいた。
「見たことあるんですか!?あれは一体何なんです!知ってることがあるなら私にッ、教えてください!」
キラは震える声で、答えをもとめた。
黙って聞いていた少女はなにも言わなかった。
やがて、大きなため息をついたあと、
「何もいわないのであればそれでいいです...。すみません」
キラは答えを聞いたところでなんとかなるものではないと知っていたから、それ以上なにも言わなかった。
先ほどとはうって変わってしゃべらなくなった少女は、行動を始めた。
部屋のすみにあったほこりを被っていた布団をはたき、敷いた布団に座る。
そして、その横に敷いてあった布団を指差してキラを見ていた。
キラはなにも言わずに布団に座った。
しばらく、見つめあったあとにキラが先に布団に潜った。
その後すぐに、もうひとつ布団に潜る音が聞こえた。
これは悪夢だ。
キラ、彼女は自らの夢であると確定させた。
もう、すでに、ここには、いない、かつての、友達が。
あのとき、たしかに目にうつった化け物が。
ソレを存在するといい放ったあの人が。
もう信じられなくて。
手に汗をびっしょりとかいていた。
後ろに誰かいる気がして、振り向いたけど何もいなかった。
自分が怯えているものがなにかわからなくて、怖かった。
「はアッ、はぁ!」
呼吸が乱れて上手く息が吸えない...!
何もかもが怖い。
視界に入っているのは、一本のナイフ。
魚の内臓を取り出すときに使ったものだった。
ソレを手にとって、自らの胸に突き立てる。
これで私のなかの怖いものを取り除けばッ!
刹那。
手に持っていたものが弾かれた。
すでに終わった動作だった。
私の命を奪いかけていたものが、海の暗闇に、飲み込まれた音がした。
「私が一人だった理由、なんだったんだろう。」
色気があるようで、それでいてないような声がした。
突然の出来事で座り込んでしまって、そのまま首を後ろに向ける。
化け物。とは言えないような化け物がいた。
ソレは触手。一言で言えば、たこあし。
可憐な小女には、合わせても合わないようなものが。
その少女の背中からまるで別の生き物のようにうねりながら。
生えていた
「怖い。こわい
目から滴が流れてきたが、深い意味はないだろう。
ただ、怖かっただけ。
顔に柔らかいものが当たる。
しばらくして、 相手が座り込んでやっと見下ろせる程度の身長の少女に、その不釣り合いな豊かな胸を押し付けられながら、抱き締められていることに気づいた。
「何が怖かったのか、このお姉ちゃんにいってみなさい?」
触手はすでになくて、笑顔の少女がいるだけだった。
「ぁ、ごめっ、ごめんなさっごめんなさい。」
「ああ、そんなに謝らなくてもいいのに...」
涙が二人の少女の服にシミを作っていく。
「おやすみなさい。」
少女はキラからしずかにはなれた。
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