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57 攻撃をやめさせるには
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獣と化したガーディアスを元に戻すには、まずは近くに行く必要がある。遠くからでも愛を証明する方法があればそうしたいが、それを考える時間はない。それに誰かの知恵を借りるにしても、こんなフザケた話、誰が信じてくれるというのだろう。
ローレントは礫を浴びる獣を見上げた。
すっかりと日は沈み、闇夜となった周囲には、いつのまにかあたりには篝火が立てられていた。いつもなら煌々と闇夜を照らすほどに焚かれる篝火も、今は獣による破壊行動からの火事を恐れ、ほんのりとあたりを照らす程度の数だ。
その焔は獣を下から照らし、赤い体毛の獣は、まるで足元から燃えているかのようだった。
こうしている間にも号令官による号令は続く。轟音とともに放たれる何度目かの礫によって、左手がぶらんと垂れ下がったのが分かった。
抵抗の激しい獣に対し、傷を負わせた箇所を集中攻撃することで確実にダメージを与える作戦に出たようだ。
よく見ると、左手と左足の毛が黒く濡れている。おそらく血だ。いくら被毛が分厚いといっても、こうして同じ場所ばかり狙われれば、皮膚は裂け血が流れる。
これで獣が力尽きれば、軍は一気にとどめを刺しに動くだろう。そうなる前に、なんとかしなくては――。
「――あ! 殿下!」
「あ、ちょ、なにをするんです!?」
ローレントは投石機を運んできた曳行車に駆け寄ると、轅から馬を繋いでいた綱を外し始めた。周囲にいた兵士がぎょっとして、ローレントを止めようと手を出した。
「無礼者! 誰の許可を得て僕に触ろうとする!」
そう一喝すると、ローレントの手を掴もうとしていたその手がビクリと止まり、おずおずと引き下がる。
彼らはガーディアスにとって家族のような者たちだ。本当はそんな態度を取りたくない。だが、今は仕方がないのだ。
「えーちょっと、殿下!!」
騒ぎに気付いたランドスが止めに入ろうとしたとき、すでにローレントは馬に騎乗し、手綱を握りしめていた。
「ランドス! 僕が獣の気を引く。うまくすればここから引き離せるはずだ。もし成功したら、塔の地下室でガーディアスとハルカを探してくれ! 僕を探すのはそれからでいい。頼んだぞ!」
「はぁ!?」
ローレントは、急に人が騎乗し驚く馬をうまく制しながら、獣に向かって指笛を吹いた。
ピィーーーーーーーーと高い音があたりに響く。瞬時に、獣がローレントのほうを見た。ぎょっとして立ち尽くす兵士たちをよそに、ローレントはもう一度指笛を吹いた。そして馬をゆっくりと、獣の背後を大きく迂回しながら歩かせる。
獣が馬を目で追いながら、一歩踏み出した。
「――来た!!」
獣がローレントの誘いに乗ったのがわかった。
ローレントはもう一度高らかに指笛を吹くと、一気に馬を加速させた。そして「どけろ! 獣が来る! みんな下がれ!」と叫びながら、崩れた塔の向こう側にある門のほうへと馬を走らせる。背後から「殿下!?」と焦った兵士らの呼び止める声が聞こえたが、振り返らなかった。
ローレントは、ひとまず獣を城外へと誘いだすことにした。2箇所ある内郭の門のうち、塔近くにある門は普段封鎖してあるのだが、今は非常時として解放されているはずだ。こちらは塔に近いため避難者も少なく、被害も最小限だろう。そう考えた。
ローレントが振り返ると、獣がもうすぐ側までやってきている。巨大な獣の体がすぐそこに迫る。前後異なる獣の脚で四つん這いになり、驚くほど器用に走っている。本当にあれがガーディアスなのか疑いたくなるほどだ。
しかも体が大きいくせに、走るのも早い。
門を突破する前に、その大きな手が背後から馬の尻を捉えた。
「――あっ!!」
馬が急に止まり、ローレントの体はその反動で空中に舞った。
その下では、尻を負傷しバランスを崩した馬が倒れたのが分かった。
まずいこのままでは地面に落ちる――!
そう思った瞬間、背後から迫ってきた獣の頭が見え、ローレントは死に物狂いでその頭頂部の剛毛を手で掴み、しがみついた。
ローレントに掴まれたままでも、獣は走るのをやめない。
目の前には門が迫る。この獣の巨体にあの門は小さい。ぶつかると思った瞬間、獣が大きく跳躍した。その反動で、しがみついていたローレントは、結果的に獣の広い背中に降り落とされた形となった。
体が舞い上がった瞬間、眼下に大勢の人々の頭が見えた。見上げた者らは一様に、驚愕の表情をその顔に貼り付けている。ローレントの意識は、そんな彼らの顔を眺めたのを最後に、プツンと途切れた。
ーーーー
ーー
ローレントが意識を取り戻したとき、最初に耳にしたのは、すぐ近くから聞こえる洞穴から吹きすさぶ風にも似た、荒く低い唸り声だった。
ごつごつとした石の感触を背中に感じながら、まだ自分は生きていたかとローレントは安堵した。だがこの唸り声はあの獣の声だろう。すぐ近くに獣はいる。
薄っすらと目を開けると、真っ暗な闇夜の中で金色に光る目が浮かんでいるのが見え、ローレントはギクリと身を固くした。
しばらく様子を伺い、片手を動かしても獣が微動だにしないことを確認すると、ゆっくりと体を起こした。全身が軋むように痛むが、起き上がってしまえばさほどでもない。大怪我をしている様子もなく、獣に気づかれないよう密かに安堵の息を吐く。
(…………――ここは……?)
城壁の外だろうか。ローレントは内郭の外に出たことがないから、外郭――すなわち一番外側にある城壁までに何があるのか、塔のてっぺんから見た風景でしか知らない。
だからここが外郭の外なのか、それとも内なのかは判断がつかない。しかも真っ暗闇のため、周囲に民家があるかもわからない。ただ分かることは、草地にまばらに残る石畳や石柱らしきものがあることで、ここが遺跡なのかもしれないということくらいだ。
(――遺跡。そういえば、サルースには遺跡がたくさんあったな……)
だが、かつて繁栄したサルースの遺跡群はこの領には数多くあり、ここがそのうちのどれなのか、実際訪れたことがないローレントには見当もつかなかった。
ここが城から近いのかそれとも遠いのか、それすらも分からない。
(助けが来るとしても、いつになるか分からないか)
今頃ランドスたちは、塔の地下室の探索を行っているところだろう。塔自体は獣が派手に壊してしまったから、きっと難航しているに違いない。
軍部は地下室の探索、安否不明者などの被災の状況確認、瓦礫処理などで手一杯だろう。
それでも地下にガーディアスがいないことが分かれば、すぐにでも探しに来てくれるはずだ。
だがしかし、助けが来るまでにガーディアスは元に戻せるだろうか。もし戻せなければ、ガーディアスは獣として今度こそ殺されるだろう。
ふと見ると、ローレントの体の周囲を小さな光がクルクルと回っている。小さいが明るく柔らかな光。これはきっとハルカだ。獣にさらわれた後も、ちゃんと付いてきてくれたようだ。
まるで元気づけるように顔の周りを大きく飛び回る光に、ローレントも覚悟を決めた。
「――……あー……、えっと、君ガーディアス、だよね」
思い切って振り返り、闇夜に光る金の目と対峙する。
獣は相変わらず、低い唸り声を上げるだけだ。ローレントがこんなにも近くにいるのに、攻撃どころかなぜだか動かない。
闇夜に目が慣れてくると、だんだんとその獣の様子が分かってきた。
「――ああ、これは……相当やられたな」
獣のその赤い被毛はぐっしょりと血に濡れ、その血が地面にまで滴り落ち、石畳を濡らしている。
城を落とすために使う石礫をあれだけ食らっていたのだから、そうとうな怪我を負っているはずだ。もう立ち上がる元気すらないのか、ローレントが近づいても、その場に蹲ったまま、低い唸り声とその金の目を光らせているだけだった。
「ハルカ、彼を癒やすことはできるかい?」
周囲を飛び回る光に声をかけたが、できないとでも言いたげにその場を右往左往するだけだった。
「そうか。できないか。無理なことをいってすまなかったねハルカ」
ハルカも体を奪い取られ、本来の力を出すことができないのだろう。せめてわずかでも癒やしの力だけでもと思ったが、諦めるしかなさそうだ。
しかしこのまま血を流し続けたら、この獣は軍部にやられるどころか、間もなく死んでしまうかもしれない。
どうにか血を止めることくらいはできないだろうか。ローレントがその太い腕に手を伸ばすと、グルルという獣の唸り声が一段と低く大きくなる。ローレントはビクッとし、毛に触れる寸前で手を止め、反射的にその手を引っ込めた。
「あー……そうだよね。いきなり触るのはだめだよね。ごめん」
はははと愛想笑いのような笑みを浮かべ、その後すぐローレントは黙り込んでしまった。
ローレントは礫を浴びる獣を見上げた。
すっかりと日は沈み、闇夜となった周囲には、いつのまにかあたりには篝火が立てられていた。いつもなら煌々と闇夜を照らすほどに焚かれる篝火も、今は獣による破壊行動からの火事を恐れ、ほんのりとあたりを照らす程度の数だ。
その焔は獣を下から照らし、赤い体毛の獣は、まるで足元から燃えているかのようだった。
こうしている間にも号令官による号令は続く。轟音とともに放たれる何度目かの礫によって、左手がぶらんと垂れ下がったのが分かった。
抵抗の激しい獣に対し、傷を負わせた箇所を集中攻撃することで確実にダメージを与える作戦に出たようだ。
よく見ると、左手と左足の毛が黒く濡れている。おそらく血だ。いくら被毛が分厚いといっても、こうして同じ場所ばかり狙われれば、皮膚は裂け血が流れる。
これで獣が力尽きれば、軍は一気にとどめを刺しに動くだろう。そうなる前に、なんとかしなくては――。
「――あ! 殿下!」
「あ、ちょ、なにをするんです!?」
ローレントは投石機を運んできた曳行車に駆け寄ると、轅から馬を繋いでいた綱を外し始めた。周囲にいた兵士がぎょっとして、ローレントを止めようと手を出した。
「無礼者! 誰の許可を得て僕に触ろうとする!」
そう一喝すると、ローレントの手を掴もうとしていたその手がビクリと止まり、おずおずと引き下がる。
彼らはガーディアスにとって家族のような者たちだ。本当はそんな態度を取りたくない。だが、今は仕方がないのだ。
「えーちょっと、殿下!!」
騒ぎに気付いたランドスが止めに入ろうとしたとき、すでにローレントは馬に騎乗し、手綱を握りしめていた。
「ランドス! 僕が獣の気を引く。うまくすればここから引き離せるはずだ。もし成功したら、塔の地下室でガーディアスとハルカを探してくれ! 僕を探すのはそれからでいい。頼んだぞ!」
「はぁ!?」
ローレントは、急に人が騎乗し驚く馬をうまく制しながら、獣に向かって指笛を吹いた。
ピィーーーーーーーーと高い音があたりに響く。瞬時に、獣がローレントのほうを見た。ぎょっとして立ち尽くす兵士たちをよそに、ローレントはもう一度指笛を吹いた。そして馬をゆっくりと、獣の背後を大きく迂回しながら歩かせる。
獣が馬を目で追いながら、一歩踏み出した。
「――来た!!」
獣がローレントの誘いに乗ったのがわかった。
ローレントはもう一度高らかに指笛を吹くと、一気に馬を加速させた。そして「どけろ! 獣が来る! みんな下がれ!」と叫びながら、崩れた塔の向こう側にある門のほうへと馬を走らせる。背後から「殿下!?」と焦った兵士らの呼び止める声が聞こえたが、振り返らなかった。
ローレントは、ひとまず獣を城外へと誘いだすことにした。2箇所ある内郭の門のうち、塔近くにある門は普段封鎖してあるのだが、今は非常時として解放されているはずだ。こちらは塔に近いため避難者も少なく、被害も最小限だろう。そう考えた。
ローレントが振り返ると、獣がもうすぐ側までやってきている。巨大な獣の体がすぐそこに迫る。前後異なる獣の脚で四つん這いになり、驚くほど器用に走っている。本当にあれがガーディアスなのか疑いたくなるほどだ。
しかも体が大きいくせに、走るのも早い。
門を突破する前に、その大きな手が背後から馬の尻を捉えた。
「――あっ!!」
馬が急に止まり、ローレントの体はその反動で空中に舞った。
その下では、尻を負傷しバランスを崩した馬が倒れたのが分かった。
まずいこのままでは地面に落ちる――!
そう思った瞬間、背後から迫ってきた獣の頭が見え、ローレントは死に物狂いでその頭頂部の剛毛を手で掴み、しがみついた。
ローレントに掴まれたままでも、獣は走るのをやめない。
目の前には門が迫る。この獣の巨体にあの門は小さい。ぶつかると思った瞬間、獣が大きく跳躍した。その反動で、しがみついていたローレントは、結果的に獣の広い背中に降り落とされた形となった。
体が舞い上がった瞬間、眼下に大勢の人々の頭が見えた。見上げた者らは一様に、驚愕の表情をその顔に貼り付けている。ローレントの意識は、そんな彼らの顔を眺めたのを最後に、プツンと途切れた。
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ローレントが意識を取り戻したとき、最初に耳にしたのは、すぐ近くから聞こえる洞穴から吹きすさぶ風にも似た、荒く低い唸り声だった。
ごつごつとした石の感触を背中に感じながら、まだ自分は生きていたかとローレントは安堵した。だがこの唸り声はあの獣の声だろう。すぐ近くに獣はいる。
薄っすらと目を開けると、真っ暗な闇夜の中で金色に光る目が浮かんでいるのが見え、ローレントはギクリと身を固くした。
しばらく様子を伺い、片手を動かしても獣が微動だにしないことを確認すると、ゆっくりと体を起こした。全身が軋むように痛むが、起き上がってしまえばさほどでもない。大怪我をしている様子もなく、獣に気づかれないよう密かに安堵の息を吐く。
(…………――ここは……?)
城壁の外だろうか。ローレントは内郭の外に出たことがないから、外郭――すなわち一番外側にある城壁までに何があるのか、塔のてっぺんから見た風景でしか知らない。
だからここが外郭の外なのか、それとも内なのかは判断がつかない。しかも真っ暗闇のため、周囲に民家があるかもわからない。ただ分かることは、草地にまばらに残る石畳や石柱らしきものがあることで、ここが遺跡なのかもしれないということくらいだ。
(――遺跡。そういえば、サルースには遺跡がたくさんあったな……)
だが、かつて繁栄したサルースの遺跡群はこの領には数多くあり、ここがそのうちのどれなのか、実際訪れたことがないローレントには見当もつかなかった。
ここが城から近いのかそれとも遠いのか、それすらも分からない。
(助けが来るとしても、いつになるか分からないか)
今頃ランドスたちは、塔の地下室の探索を行っているところだろう。塔自体は獣が派手に壊してしまったから、きっと難航しているに違いない。
軍部は地下室の探索、安否不明者などの被災の状況確認、瓦礫処理などで手一杯だろう。
それでも地下にガーディアスがいないことが分かれば、すぐにでも探しに来てくれるはずだ。
だがしかし、助けが来るまでにガーディアスは元に戻せるだろうか。もし戻せなければ、ガーディアスは獣として今度こそ殺されるだろう。
ふと見ると、ローレントの体の周囲を小さな光がクルクルと回っている。小さいが明るく柔らかな光。これはきっとハルカだ。獣にさらわれた後も、ちゃんと付いてきてくれたようだ。
まるで元気づけるように顔の周りを大きく飛び回る光に、ローレントも覚悟を決めた。
「――……あー……、えっと、君ガーディアス、だよね」
思い切って振り返り、闇夜に光る金の目と対峙する。
獣は相変わらず、低い唸り声を上げるだけだ。ローレントがこんなにも近くにいるのに、攻撃どころかなぜだか動かない。
闇夜に目が慣れてくると、だんだんとその獣の様子が分かってきた。
「――ああ、これは……相当やられたな」
獣のその赤い被毛はぐっしょりと血に濡れ、その血が地面にまで滴り落ち、石畳を濡らしている。
城を落とすために使う石礫をあれだけ食らっていたのだから、そうとうな怪我を負っているはずだ。もう立ち上がる元気すらないのか、ローレントが近づいても、その場に蹲ったまま、低い唸り声とその金の目を光らせているだけだった。
「ハルカ、彼を癒やすことはできるかい?」
周囲を飛び回る光に声をかけたが、できないとでも言いたげにその場を右往左往するだけだった。
「そうか。できないか。無理なことをいってすまなかったねハルカ」
ハルカも体を奪い取られ、本来の力を出すことができないのだろう。せめてわずかでも癒やしの力だけでもと思ったが、諦めるしかなさそうだ。
しかしこのまま血を流し続けたら、この獣は軍部にやられるどころか、間もなく死んでしまうかもしれない。
どうにか血を止めることくらいはできないだろうか。ローレントがその太い腕に手を伸ばすと、グルルという獣の唸り声が一段と低く大きくなる。ローレントはビクッとし、毛に触れる寸前で手を止め、反射的にその手を引っ込めた。
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