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しおりを挟む美香はその箱の中身を見た途端、下腹部が締まった。昨夜は熱が出た為に、拓真とは抱き合ってはいないし、その前日も美香の精神状態が良くなく、拓真は美香を抱く事はなかった。
「っ!…………拓真さ………」
美香に、寂しい時に見せるべきではないのかもしれない。セックス依存症とは診断されてはいないが、美香はセックスが好きだと、拓真との経験で分かってしまった。しかも、拓真は美香とのセックスにアダルトグッズはあまり使わない。挿入したら、他の物は要らないぐらいに美香は満足するからだ。
「い、居ない………のに……疼く………使ってみたい………」
そのアダルトグッズより、ハード系なグッズなのを注文した様で、拘束具を中心に、興味が唆られてしまった。
「っ!…………コレなんて……使った事ない………ち、ちょっとだけ………」
掃除するのではなかったのだろうか。
それをすっかり忘れてしまった美香は、スカートを捲り、秘部に陰核を吸う機能を持つディルドを当てた。
「っあぁ、あ………す、吸われ……強……っあぁん…………」
刺激的で、背徳感もある昼下がりの寝室。
拓真にされるのとは違う刺激に、美香は夢中になっていた。
「っあぁ………ぁぁっ……し、縛って欲し………抜けちゃ………やだ………」
力が抜けると、抜けてしまうのが嫌で、美香は拘束具を探した。縄が良いのに自分では縛れない。拘束具も片手で付けれる物も無く、抜けない様にベルトで固定し、服を乱していた。
「な、何やってんだ?美香」
「っ!……………き、きゃぁぁぁぁっ!」
夢中になり過ぎて、美香は拓真が帰って来た事も気が付かなかったらしい。
いきなり電気が着いて、美香は我に帰る。
恥ずかしくて、ディルドや乳首に当てていたローターを貼ったテープを剥がそうと、美香は慌てて逃げ腰になった。
「待て待て………美香!落ち着け!」
「み、見ないで下さい!」
「え?もう見たし………エロかった………ん?準備してたのか?」
「っ!」
拓真は出迎えに来ない美香を心配し、鍵を開けたら電気も付いていない家に、美香を探していたのだろう。鞄も放置し、コートも脱がずに寝室の扉も開いたままだ。
「美香、答えろ」
「っ!」
ディルドを挿入したまま、固まる美香を抱き締めてきた拓真は、美香の耳元で囁いた。
「じ、準備してた……訳じゃなくて…………見ちゃったら………つ、使ってみたい、て思ってしまって…………止まらなかったんです………も、もう終わりますから…………ご、ご飯……作ります………」
「……………それで良いのか?」
「っ!」
「飯は俺が作ってやるからさ…………美香がオナってる姿………飯が出来る迄見せてくれよ」
「っ!…………え!………え?」
「簡単なもん、ちゃちゃっと作って、サッサと飯食って、セックスするぞ」
性欲も食欲も、人間の煩悩。
拓真が先に食事を優先したのは、美香の生活リズムを変えない事が大事だったからだ。精神状態が良くない今の美香は、朝起きて、三食食べて、夜眠る事が重要で、身体を疲れさせ深い眠りに着かねばならない。何も考えずに眠る事が美香に必要だった。
「…………た、拓真さ……は、はい」
貰える、と思えば美香は寂しくない。しかし、この姿は美香は恥ずかしくて、どうにか止めたかった。
「で、でも………この姿は止めていいですか?」
「何で?エロいぞ?」
「っ!……………こ、拘束か緊縛して欲しいんです…………逃げられない様に……拓真さんの手で………バイブ……入れて欲しい……」
「っ!…………たく………元気になってから使おうと…………緊縛の結び方もまだ分かんないっていうのに………」
だからなのか、拘束具もハード目の物を取り揃えていたのかもしれない。
「……………拘束具………自分じゃ付けられない……から………」
「……………リビング行くぞ」
「っ!」
美香は拓真に抱き上げられたが、ただダイニングの椅子に座らされただけだ。
「其処に、服脱いで待ってろ………勿論、全部な」
ダイニングの椅子が向かう方向は、カウンターキッチンだ。しかも、ダイニングテーブルから離れた場所に移動してあり、これから何をされるか、美香はドキドキが止まらなかった。
素直に服を脱ぎ、拓真を待つ美香は、気恥ずかしさと緊張が走る。
克也の時の恐怖心とは違う。
「お待たせ…………寒いよな……暖房着けたばっかだったから………一体、何時から寝室に居たんだよ………電気も付けず……」
「お、お昼ご飯を軽く食べてから………ずっと……」
「昼から!…………美香……やっぱり後だ………普通に飯食ってから、温まってから抱いてやる」
常識外れな事はしたくはないのだろう。
流石に、美香のした事は度が越している。幾ら寂しかったから、で何時間もアダルトグッズを使っていては、良くはない。身体を休ませた方が良い。
鬼畜な拓真でも、美香とのセックスは必ず休憩しながら抱いている。持って来たアダルトグッズは脇に置き、拓真は美香に服を着させた。
「今…………欲しいのに……」
「我慢も覚えた方が良いんじゃないか?…………俺だって突っ込みたいが、美香を闇雲に抱きたいとは思わない。それじゃ、あのクソ兄貴と同じになっちまう」
「っ!」
その後、ゆっくりと食事を取ると、拓真は先に美香を風呂に入らせ、夜に備えた。
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