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トリスタンの閨
しおりを挟むベッドの脇に座り、トーマスを待つラメイラ。
直ぐに閨に持ち込まれるか分からなかった為、居場所が分からない。
ただ、バスルームのドアを背にしたかった。
目線が合うとどうしていいか分からないからだった。
カチャ………パタン。
「!!」
トーマスがバスルームから出た気配。
「ラメイラ………叔父上からエドワード公子の事を聞いたよ。どうも相手がタイタスじゃないから怪訝に思ってるらしい。」
「………そう思う。トリスタンの国民は弱い男を認めないから、剣術に秀でているタイタスなら、て思ってる筈。だって…………トーマスは……。」
「弱い、て?」
「……………。」
「はははは!」
トーマスはラメイラの横に座ると、肩を抱く。
「トーマス?」
「俺と兄上はタイタスに負けた事ないけど?」
「へ?」
「あいつは武官として有名で、国内外で勝てる者が居ない、と迄と言われてるが、それは兵士達の中だけだ。一年に一回、軍内で模擬戦をするんだが、その優勝者がタイタスなだけ。兄上と俺は出ないが、タイタスは俺達に勝てた事は無いんだよ。俺と兄上は五分五分なんだけどね。」
「…………。」
「あいつ、単純なんだよ、癖が分かると隙だらけで、そこ突けば勝てるんだ。それに力任せの剣術だから頭使ってないしな。」
「でも、相手がタイタスだからだろ?」
「まぁ、それはそうだが………剣を交えろ、と言われたら従うしかないじゃないか。」
「………従う必要ないよ。」
「大丈夫、手加減するから。」
「そっちじゃない!!」
ラメイラは立ち上がり、トーマスの方を向く。
その弾みでトーマスの上着が床に落ち、ラメイラの夜着が露わになった。
「兄上は、公国の将軍なんだ!剣術だけじゃない、他の武器も器用に熟す……トーマスに怪我させたくない………。」
「……………そんな、唆られる夜着着て………。」
トーマスは手を伸ばし、ラメイラの腰を抱き寄せた。
ラメイラの胸に顔を埋めるトーマス。
「ト、トーマス………。」
「じゃあ、ラメイラから力貰えないか。最後迄はまだしないからまだ安心してていい。俺はトリスタンの閨のしきたりがあるのは知ってるから……。」
「!!………知ってるのか?」
「知らないと思ってたのか?だから我慢してるのに………トリスタンに着くまで、ラメイラに免疫付けようとしてるんだがな………見られなきゃならないだろ?」
「う、うん………。」
「閨が怖いのか、見られる事が嫌なのかが分からなかったから、探ってはいたんだよ。」
トリスタンには閨のしきたりがあった。
それは、結婚を承諾された男女が、その両親や成人した兄弟姉妹に、閨の行為を確認をするというもの。
「兄上の時に見たんだ………。3人同時に妻を娶ったんだけど、私まだ成人したばかりで、閨の事その時見て………兄上は道具使ってたから………それで………。」
「見た時に抵抗あったから、見られる事に抵抗するのか……。」
「だって、やだよ!兄上の妻達だって、兄上とだけでしたかったんだよ、始まる前に兄上詰め寄られてたのも見たから。」
「見られて好きな人は極少数だからな………。」
「…………ト、トーマスは見られて平気なのか?」
怯えながら、ラメイラはトーマスに問う。
「俺?………俺は独り占めしたいから、人に見せたいとは思わないよ。ラメイラを愛でていいのは俺だけ。終始見られないようには考えてるから、その辺りは任せてくれ。」
「…………何とかなるのか?」
「それは、ラメイラ次第。」
トーマスはそう言うと、ラメイラの夜着に止めていた紐を解く。
解いていた、というのが正しいだろう。
腰を抱き締めていた腕に力が入りラメイラを押し倒したのだが、夜着をその時脱がしていて、最後の紐を解いた直後だったのだ。
「ラメイラ………全身隈なく愛撫させて。感度を高めて、俺ナシでは駄目な身体にしてあげるから。」
「な、な、な………に………言って……。」
「俺の目と口と手で、直前迄ギリギリ迫って、俺が欲しい、て言わせてやる。」
ラメイラの全身が再び火照るのだった。
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